2011/01/08

twitterが埋めるクローズとオープンの隙間

しばらく、ブログでの発信を休んでいましたが、2011年再開することにしました。

 ここ数年で、個人がネットで情報を発信する手段は多様化しました。サイトを技術的に管理する必要はもはやなく、mixiをはじめとした日本型SNSの発展により、特定の人へのクローズなコミュニケーションは簡単に出来るようになりました。

 一方、ブログ構築サポートツールも多様化し、不特定の人へのオープンなコミュニケーションも同様に簡単になりました。しかし、SNSのような更新伝達手段を持たず、RSSなどの通知の仕組みも一般化しなかったためか、オープンなブログに記事を書いても、伝わる相手がmixi以下という状況が多く発生しました。

その、クローズとオープンの隙間を埋めてくれたのがtwitterです。

・繋がっているようで繋がっていない、繋がっていないようで繋がっている、緩やかなリンク。
・オープンなアーキテクチャで派生アプリを容易に開発できるしくみ。
・コンテンツを140字に制限し通常はつぶやきの手段としながらも、
・URLを埋め込みなどを利用して、ブログなどの別サイトに誘導可能。

というコンセプトと仕組みによって、前述した問題を見事に解決してくれました。

 2010年は、ブログによる体系的な発信をあえてやめて、twitterを使い尽くし、感性のまま思うことをつぶやいてみました。140字は確かに短くて制約もある。しかし、だからこそ、構えずに気楽に発信できるし、発信したい情報を、短歌を詠むかのように短い文章にまとめることで、かえって内容に味が出ることもわかってきました。なによりも、これまでの、どんなネットサービスにも増して、オープンなコミュニケーションの輪が広がったという実感があるのです。今後、世の中の主流となる新しいサービスには、徹底したオープン性と汎用性が求められる。それ以外は、一時的繁栄するだけ、FBの価値評価に私が懐疑的なのもその点です。

 2011年。Twitterでのつぶやきは続けながら、少し言い足りなかったまじめな話を、月に1、2回。原点に戻ってブログで発信することにしました。よろしくお願いします!

北岡豪史@オレンジの街角
人気ブログランキングへ

2008/09/15

海外旅行でもう買い物はしません

ひさしぶりにグアムに来た。近くて手軽なリゾートで時差もたったの一時間。旅行代金もどういうわけか、沖縄などより安い場合が多い。飛行機の距離は倍ぐらいなのにかかわらずである。

ところで、海外旅行における楽しみのひとつは買いもの。特に女性にとっては、その傾向が強い。ブランド品や高級嗜好品、化粧品などが日本より安く買えるというのがその魅力である。

ところが最近、海外で買い物をしようとしても、購買意欲がわかない。価格が安くないからである。

今回、いろいろチェックしてみた。(興味があるものだけですが・・・)

・Louis vuitton が、せいぜい10から20%引き程度。
・高級化粧品は少しましで、20から30%引き程度。
・Tumi のかばんは、ほとんど変わらず。
・Callaway のゴルフクラブもせいぜい20%引き。
・酒は同じ銘柄なら、日本の方が安いぐらい。
・Ralph Lauren のポロシャツも日本と同程度。

のように、日本の値引きなしの標準価格と比べさえも大して安くないのである。昔は、ウイスキーは半額、ブランド品も4割引、衣料品も半額、ゴルフクラブも6割引きで買えたものだが、その印象が残っているだけで、現実はかなり違っている。しかも、現金で買っている人などは、為替の手数料を加味するとむしろ損をしているかもしれない。

もともと、海外で買う方が安かった理由はいくつかあった。

① 円高により、購買力以上のものを買うことができた。
② 国内では税金によって、実際より高いものを買っていた。
③ 日本市場のビジネスモデルが、高コスト構造になっていた。
④ 輸入業者がブランド戦略で高マージンをとっていた。

その一つ一つの現状はどうか?

① 若干緩和されたものの、購買力平価と比較すると、円が弱い。プラザ合意後の強い円を背景にした、海外旅行での買い物王は幻なのだ。また、国内の輸入業者が、為替レートに同期して頻繁に価格を変える仕組みを手にしたため、もはや、差益による安さの実感は味わえない。円が強くなると、即国内の輸入製品が即安くなるからである。

② 昔の酒はこのパターン。国内で1本1万円するスコッチが、アメリカのスーパーで15ドルというような体験をしたこともあった。いまや輸入酒への課税は劇的に安くなって、しかも大型ディスカウント店などもできたため、バーボンも、スコッチも、ワインも、たいていのものは海外より安く買える。

③ 衣料品などはこのパターン。国内で高コストかけて、大量に作って、売れないとメーカが引き取って廃棄。製造原価なんて実は売値の10%以下で、多段階流通コストが30%、廃棄損が30%なんてものもざらだった。なんでもないTシャツが、1枚5000円なんてことがあったのもこのためだ。これには、たとえばユニクロが徹底した直接管理で格安衣料品を提供。Tシャツ680円でも利益がでる。乱立するアウトレットも、ブランドを失わせずに、廃棄品を市場に出すよい手段となった。要するに国内で、安くてリーズナブルなものが手に入る、当たり前の市場になったのである。

④ ゴルフクラブやTUMIのかばんがこのパターン。並行輸入はもはや確立されたビジネスモデル。正規代理店がいかに高マージンで市場を管理しようと、インターネットで手軽に現地での値段を知ることができる。ときには、その海外サイトから直接買うこともできるし、並行輸入業者のサイトで買ったとしても、10%程度のマージンで本物を手にできる。正規代理店のメリットは、たかが知れている。

と言うように、簡単に考えるだけでも、海外で買い物をする必要性はほとんどない。時代は変わったのだ。

DFSなどは、よほどのマーケティングや企業努力をしない限り、近い将来、日本人の誰も海外で買い物をしなくなるだろう。海外旅行から、買い物の楽しみがなくならぬよう新しいアイデアを期待。

さて、今までの話を逆に考えると、海外で買うべき価値があるものが見えてくる。

・ 正規代理店の管理が徹底して厳しく、並行輸入品がほとんど手に入らない。
・ 国内の正規価格と比較して、3割以上安く為替の手数料や追加運賃を加味しても安いもの。
・ 同じく正規輸入の管理が厳しく、海外でしか手に入らない、日本未発売の商品。

大好きな高級ブランドの特定商品。それも日本では、並行輸入でさえも絶対手に入らないものぐらいで、ほとんど思いつかない。

もちろん、旅行の記念品は別。思い出はPriceless。
たまの海外旅行、買い物時間がとれない生活を考え、値段は気にせずショッピングという人も、ご自由に!

北岡豪史@オレンジの街角(www.kitaoka.biz)
人気ブログランキングへ

2008/04/29

オフィシャルハンディキャップの公正性

所属コースをもって2年。JGAのハンディキャップを取得し競技を楽しんでいる。公正なハンディキャップは、レベルの違うプレーヤーの競技をエキサイティングなものにし、どんなレベルのプレーヤーも、自分の実力相応のプレーさえすれば、他人と戦えるチャンスを作ってくれる。ゴルフが、子供から年寄りまで息の長いスポーツになることに、一役買っている。

ところが、ハンディキャップの不正取得という残念なことを耳にすることが多い。先日も、所属コースの営業担当の方とたまたま論議になり、コースとして、運営企業として、不正取得を減らすための活動を検討するほど状況は深刻のようだ。

JGAのページを追いながら、HCの公正性について考えてみよう。

まず、JGAでは、公正なハンディキャップの査定に関して以下のように定めている。

<参考:以下の囲みすべて>http://www.jga.or.jp/jga/html/handicap/about.html#01
<--------------------------------------------------------------------------------------- 「JGAハンディキャップ」とは、「JGAハンディキャップ規定」に基づいて査定されたハンディキャップを言い、「JGAハンディキャップ」を取得したプレーヤーには「JGAハンディキャップ証明書」が発行されます。「JGAハンディキャップ」は日本で唯一のオフィシャルハンディキャップです。ハンディキャップはプレーヤー自身が求めるものであり、いかなるプレーヤーも自分の技能力の完全な資料であるスコアカードを提出せずに、ハンディキャップを受ける権利は与えられていないと言うことを十分理解いただきたい。これらはすべてゴルフの精神であるフェアープレーを重んじるスポーツであり、ゴルファーはみな誠実で、故意に不正をおかす者はいないと言う基本的な考え方の上に成り立っているということです。
--------------------------------------------------------------------------------------->

ここで重要なのは、オフィシャルHCを持つ条件として、「完全な資料であるスコアカードを提出」という部分であり、意図的に提出未提出をコントロールしてはいけないことである。もしすれば、オフィシャルHCは無効となるということだ。その管理はゴルファーの良心においてのみなされているのが、ゴルフらしいと言えばゴルフらしいのだが、それが、不正を犯す原因になっているのも皮肉であり残念なことだ。

具体的な記述もある。
<--------------------------------------------------------------------------------------- 提出するスコアカードについて
公正なハンディキャップは、プレーヤーのプレーしたすべてのスコアの報告に基づいて算定されるものであり、スコアの良し悪しにかかわらず、JGAコースレーティングのあるコースなら、どこでプレーしようとも、その都度18ホールズのラウンドを終わったときは、ストローク・コントロールにより調整手直しをしたスコアを提出すべきである。

--------------------------------------------------------------------------------------->
つまり、JGAコースのプレーは、JGAコースでプレーしたすべてのスコアを提出義務があることが明記されている。マッチプレーなど特殊な競技の規定も細かく定められているが、ここでは省略する。

さて、不正HC取得には3つのパターンがある。

① 悪いスコアを提出せず意図的にHCを下げること。
 このパターンの多くは見栄のためかもしれない。シングルって呼ばれたい下手と思われたくないという気持ちは理解できる。それに、わざわざHC競技で勝ちにくくするための不正なのだから、いいじゃないかという意見もわからなくもない。しかし、月例競技はHCによってクラス分けされるし、HCを参加資格にした公式競技もある。HCを意図的に下げることは、参加資格を偽る立派な不正行為である。

② 良いスコアを提出せずに意図的にHCを上げること。
 例えば、プライベートラウンドで良いスコアを出しても提出しない。結果として、実力よりHCが多くなる。これによって、実力より下位クラスの競技に参加したり、過大なHCで競技に参加し、競技に勝ちやすくなる。①に比べて一見謙虚に見えるが、実はこれがもっとも重い不正。スコアの過小申告と同じことである。

③ 競技のスコアしか提出しない。
 これは、クラブHCの査定の名残で、多くの人は悪意はないのかもしれない。しかし、多くの月例競技をはじめとしてJGA方式のHC競技に、本来の実力とは違うHCで参加しているいるのだから、やはり不正行為なのである。

これらに関して、JGAは、ちゃんと細かい指摘をしていて、残念な現実も理解しているようだ。
<--------------------------------------------------------------------------------------- 。“ゴルファーは自分の現在のゴルフ技量を公式な標準規定に基づくハンディキャップで示す責任がある。”ということになります。したがって意図的に実力より多い、あるいは少ないハンディキャップや、または正確な自分のハンディキャップを示す努力を怠っているプレーヤーは、すべて他のプレーヤーに迷惑をかけ、競技意欲を喪失させてしまい、ゴルフの精神でいう誠実さに欠けていると言わざるを得ません。現状ではプレーの規則に対する倫理観とはかなり違うゴルファーが多いと言えます。
--------------------------------------------------------------------------------------->

ここが重要な点で、実は迷惑を受けているのは、まじめに競技に参加している他人のプレーヤーなのである。不正取得者と論議すると、そろって「それは自分の考えだから・・・」と言う。一見正しいように思えるが、JGAも指摘している通り、迷惑を受けているのは周りの真面目な競技参加者であり、その人の考え云々ではない。ゴルフの精神に反し、競技を不公正なものにする、重大な不正行為なのである。

いくつか例を挙げてみる。

例1:
①のパターンでHC下げたままにしておき、Aクラスに残る。これによって、BクラスだとローHCになるが、AクラスだとハイHCになるため、同じプレーをしても優勝の確率が多くなる。

例2:
②のパターンでHCを上げ、過大なHCで優勝や入賞確率を上げる。また、本来のクラスより低いランクの競技に出場するのでリラックスしてプレーできるため有利になる。逆に、本来より高い実力の人に割り込まれた低いクラスの人達は、場違いな凄腕のプレーヤーにビビって本来のプレーが阻害される。

例3:
③のパターンで、トータルラウンドは年間30のうち、10回程度の競技スコアを提出。この場合、JGAのHCは過去1年の平均スコアから算出される。正しく提出していれば、HCは、直近数ヶ月で再計算されなければならい。この場合、直近の調子が、通年より良いとき(例えばオンシーズンの秋)は意図的にHCを上げていることになるし、直近の調子が通年より悪いとき(例えばオフシーズンの冬)は、意図的にHCを下げていることと同じである。

そんなに大げさに思えないかもしれない。でも、もし競技に参加して、スコアを2、3打ごまかして提出して優勝したら、それは優勝といえるだろうか?数打の変動で、勝ち負けが決まる競技だからこそ、HCの不正取得が意外に影響が大きいことがわかる。

そんなに真剣にゴルフしないので・・・・そういう人もいるだろう。もちろん、ゴルフにかける熱意は人それぞれでよいのであり遊びのゴルフまで堅苦しくする必要はまったくない。実はJGAも、競技に出ない人には、慣用な発言をしている。
<--------------------------------------------------------------------------------------- ただし人によっては、自分は家族や特定の仲間とマッチプレーしかやらないから公式のハンディキャップは不要と考える人もおりますので、これらの人も含めて不誠実と言っているわけではありません。しかし多くのゴルファーは、クラブ競技や不特定の人達との競技に参加する機会を有しているわけですから正しいハンディキャップを示す責任はあると考えるべきです。JGAハンディキャップ規定では、その発給に当たって最低10枚のラウンドスコアカードの提出を義務づけていますが、何より大切なことは“自分の現在の正しいハンディキャップを示す責任”について“プレーの規則を守る”ことと同じレベルの倫理観をもつべきということでしょう。
--------------------------------------------------------------------------------------->

公正さを求めるあまりに、HC取得が堅苦しいものになっては本末転倒。JGAはそれもわかっているのだ。

なんだか堅苦しい話になったが、競技の公正論議は、不正取得をやめてもらうための一つの理由でしかない。競技に出ようと出まいと、HC取得をして、正確に自分の実力を知り、ゴルファーとしての成長を感じることは、楽しくて素晴らしいものなのだ。すべてのスコアを提出し、計算されたHCが良かろうと悪かろうと、それが自分の実力なんだと受け入れる。たったそれだけのことで、自分も一人前のゴルファーになったんだという自覚と充実感が沸いてくる。友人とのラウンドでさえ、なんともいえない緊張感が漂って、ゴルフライフをいっそう豊かにしてくれるのである。

今一度、JGAのホームページを読むことを勧めたい。

http://www.jga.or.jp/jga/html/handicap/about.html#01

北岡豪史@オレンジの街角
人気ブログランキングへ