最近、論語の素読が流行っているそうです。
物も情報も溢れる昨今、今こそ心の修養に力を入れる時なのだと感じています。
とは言え、ここは中国語学習者が集まるブログ。
普通に「子曰く…」なんてやっていても面白くないので、原文で論語を見ていきたいと思います。
お気に入りの内容を1つでも2つでも覚えて頂ければ幸いです。
知らず知らずのうちに人間としての軸ができ、なお且つ中国語のリズムが身につきます。
それに中国人との会話でさらっと論語の引用なんか出したら、「お~!」って言われちゃいますよ♪
◆今日の論語◆
【原文】
为政篇2-2子曰:“诗三百(1),一言以蔽(2)之,曰:思无邪(3)。”
【ピンイン】
Zi3 yue1;”Shi1 san1 bai3, yi4 yan2 yi3 bi4 zhi1, yue1:Si1 wu2 xie2. ”
【解説】
(1)诗三百:「诗」は中国最古の詩集である《詩経》を指す。
論語に限らず、中国古典で「詩」と出てきたら十中八九《詩経》の事。
全部で305篇あるが、分かり易く300でまとめられ「诗三百」と言われる事も。
※ 四書五経のひとつなので、機会を見て読んでいきたいですね。
(2)蔽:発音は「bi4」。「まとめる、概要する」の意味。
(3)思无邪:《詩経·魯頌》に出てくる言葉。原文は『思无邪,思马斯徂』。
本来、「思」はただの語気助詞で意味を持っていなかったが、孔子は「思」は「思う、考える」の意とした。
「无邪」は「よこしまな所が無い」つまり、「真っ直ぐ、純粋」の意味。
※実はこの部分は様々な解釈がされています。それだけで本一冊書けるくらいの内容なので、最も一般的な論でいきます。
【現代中国語訳】
孔子说:“《诗经》三百篇,可以用一句话来概括它,就是‘思想纯正’。”
【日本語訳】(by堀江)
孔子先生が仰った。「《詩経》に収められている三百余篇の詩を一言でまとめると、『正しい事を考えなさい』という事に尽きる。」
【所感】
《詩経》はまだきちんと読んだ事が無いのですが、この孔子の考えは仏教の「諸悪莫作、衆善奉行」(悪いことをするな、善い事をせよ)と通じるものがあると感じました。
本節には「何が善なのか、何が悪なのか」という話は出ていませんが、孔子的には「仁」に基づいた考え、行動が善になるのだろうと思います。
書道家で詩人のあいだみつをさんのこんな言葉も思い出されますね。
そんかとくか人間のものさし
うそかまことか
仏さまのものさし
ついつい損得を考えてしまいがちな弱い人間。
「思无邪」を心がけたいものですね。
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中国コミュニケーションコーチ堀江 昇
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