Akatsuki庵

日々と向き合って

利休茶の湯の確立

2022年05月20日 22時53分56秒 | 美術館・博物館etc.

春季特別展『千利休生誕500年 利休茶の湯の確立』 野村美術館 ※6月5日(日)まで

今年が利休居士の生誕500年の年にあたるだなんて!
初めて気がついた。
それくらい、なーんにも考えずに観に寄った。

今年の春はGW中に関西へ行くことができたけど、
いろいろワケありで自由な時間が少なくて、京都開催中の茶道具展もすべては訪問できない。
自らまとめたリストを眺めて興味が湧いたものだけを選んで足を運んだ。

京都は北村美術館と野村美術館。(茶道資料館と楽美術館は却下)
理由は「この2つはいつ訪れてもハズレがない」ってことかなぁ。

どちらももう15年に渡って継続的に訪れているから展示物はさすがに一巡しているハズ。
それでも「何度でも観たい。いつ観ても飽きない」お道具を所蔵しているのが魅力なのダ。

【左ケース】
今回も君台観左右帳記(茶碗物之事・土之事・抹茶壺之事)と南蛮抱桶水指。
書物は江戸時代以降の写しかもしれない。
本などでよく見かけるのは書院飾のあたりだけど、今回は茶碗とか茶壷といった道具が描かれていて珍しいなと思った。
抱桶は室町幕府の将軍が涼をとるのに使用していたものでは?というものだったような?
毛織(モール)つまり金属製で中に水を入れると冷たくなる。だから、夏場に水を入れたコレを抱くことで暑さをしのぎ涼むことができたという。

文様がムガール(インド)調だから「もうる(毛織)」という名称だけど、実際にムガール帝国からもたらされたものだろうか?
茶道大辞典を紐解いても東山御物であることは書かれているけど由来の解説はなし。
(美術館の解説文をきちんと読めばよかったと後悔)

種村肩衝茶入に唐物丸壺茶入(香雪美術館の利休丸壺茶入に比べれば小ぶりで首が短いなという印象)
北野茄子茶入。(小ぶりで丸いなぁ)
唐物文琳茶入 銘「玉笹」。印象に残ったのは螺鈿盆。
唐物肩衝茶入 銘「今勢高」。(これも頴川美術館、いや現在はたぶん兵庫県立美術館所蔵の勢高肩衝茶入と比べてしまって「デブだなぁ」)
青磁下蕪花入も小ぶりだった。
灰被天目茶碗も、茶碗よりも天目台の方に注目してしまう。あれ?目録には水仙蒔絵って書いてるけど、どう見ても前期展示の青貝天目台に見えるなぁ。
台天目茶碗はその名の通り、ただただ大きい。堆朱の天文台も立派。

【奥ケース】
胡銅口六角紋花入も名の“まんま”。文様になっている六角形の口回りが凝ってる~と思った。
卍形大香合も確かに蓋に大きく卍の文字。
天命車軸風炉釜。窓の上、口回りの下の辺りが車軸。風炉の鐶付は龍面で三つ脚は竜足。ちなみじ茶釜は富士山の形。

高麗擂盆水指。(らいぼん。つまり、すり鉢形)
宋大会茶入に青磁鉄鉢形茶碗。紹鴎の茶杓は太いなという印象。
黄銅蓮水指に七宝唐花文建水(何度か拝見していて、野村美術館らしいなぁと思う建水)

【席飾】
四方釜・風炉がすんごく印象に残った。茶釜も風炉の四方形だったから。凝視したんだけど、脚がどうなっているのかわからず。

【左ケース】
利休筆の芝山監物宛の消息。芝山監物って利休七哲の一人だけど、日本史的にはマイナーなので、「やっぱり、実在していたのねぇ」。
七五三風炉釜。利休が剣仲に贈ったらしい。切合のえらくかっちりした風炉釜で切合部分の四角い透かし文様が特徴。釜の鐶付は鬼面で風炉の鐶付は遠山。

【中央ケース】
長次郎作の茶碗が3つ。(黒楽2つに赤楽1つ。でも、全然印象に残っていない。最近、どうも「本当に長次郎?」って思っちゃうから)
辻与次郎作の風炉釜。操口丸釜、隣の桐紋尽風炉に乗っかれるのかなぁ?と思うくらいに大きい。
てか、炉用に見える。(だったら、そもそも風炉に乗るはずがない。セットではなく、それぞれ別々に使用したものだったのかなぁ。
風炉の鐶付は象耳だった。

茶席起こし図が3つ。
大黒庵。(メモには1523-1533と書き込みがある。茶道大辞典には紹鴎が住んだ京都四条にあった建物。現存せず)
東大寺四聖坊 利休四畳半。まったく記憶に残っていない。
妙喜庵(待庵)。床の間が短い。つまり、妙喜庵に移築された後のものを起こし図にした。

地階は藪ノ内家のお道具なので、一巡したけど全く印象に残らず。

見ている時はあまり利休様を意識しなかったけれど、こうして後から復習していると
確かに利休の茶の湯がテーマの展覧会だったなぁ。。。と改めて感じた。

訪れてから約3週間経過しているので、ちょっと記憶が薄くなっているけど
目録を見直し、大辞典を引いて確認していると結構、思い出せた。

そういう特徴的な道具を所蔵しているのも野村美術館の魅力かも。

てか、15年に渡って、何度も通っていると美術館と代表的な所蔵品はなんとなく紐づいてくるんだよなぁ。
それも間隔が開いちゃうとビミョーになってくるので、だから茶道と距離を置く現在でも
「せめて美術館巡りだけでも~」と思っちゃうのである。

しかし、こうした鑑賞記をまとめるのって、実は時間がかかる。
今回も約2時間かかった。以前は1時間くらいでサクサク~と書けちゃったのに。
(時間がかかるのは現場でメモが取りづらくなったことも影響しているけど)

以前のようにはいかないけど、時間がとれる時に書くようにしよう。

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