奥様は、取り扱い注意 | 大原浩の金融・経済地動説

奥様は、取り扱い注意

★奥様は、取り扱い注意

綾瀬はるか、西島秀俊、鈴木浩介、岡田健史、前田敦子、佐野史郎、檀れい、       小日向文世他

80点

 

綾瀬はるかと西島秀俊は、日本映画界の「ベストカップル」だと感じさせる映画だ。二人の魅力を十分堪能できる。

 

だが、物語そのものは、「100倍に薄めたカルピス」のような味わいである。好評であったテレビドラマの劇場版であるから、テレビ版の方は面白かったのかもしれない。しかし、2時間に及ぶ劇場版は「薄く長く引き伸ばされた」感じしかしない。

 

大昔の「奥様は18歳」や「奥様は魔女」のようなドラマに、「工作員」=スパイものという要素を合体させたところが斬新ではある。だが、綾瀬はるかと西島秀俊の関係が「純愛」風で、コミカルな部分が乏しい。それはそれでいいのだが、スパイものの要素とうまくフィットしていない。

 

スパイもの活劇シーンが、回想を除けばラスト30分ほどまでほとんど出てこないので冒頭から1時間30分はだらだらした感じに終始する。

 

なぜかロシア(人)が悪者なのはハリウッドの影響であろう。

 

マネーロンダリングやメタンハイドレートの開発をめぐる国際犯罪の舞台が、小さな町(村?)であるという設定そのものは悪くは無い。しかし、そのつながり方あまりにも不自然すぎて白ける。

 

綾瀬はるかは、「僕の彼女はサイボーグ」でサイボーグ役を見事にこなしたが、今回も「主婦兼工作員」をしっかりと演じている。また、アクションの動作の切れも良い。

 

それだけに、作品全体の仕上がりが残念である。

 

https://eiga.com/movie/92052/