エンジン不調で入庫したBMW X5(E53)。
お客様はご自身でフォルトコードを読める「コードリーダー」をお持ちで、
「5番シリンダーがミスファイアの様です」と教えて頂きました。
さてさて、ミスファイアの原因は何でしょうか。
調べて行きます。
オイル滲みチェックもあるのでリフトに設置。
診断機を接続して点検すると、
「5番シリンダーミスファイア」を検知。
続いて、イグニッションコイルの点火波形をチェックして行きます。
1番シリンダー
2番シリンダー
3番シリンダー
4番シリンダー
5番シリンダー
6番シリンダー
5番シリンダーには減衰部も無く、右下がりの波形。
やはり、イグニッションコイルが悪い様子。
続いて、不具合と思われる5番のイグニッションコイルと、
正常と思われる1番のイグニッションコイルをクロスチェック。
1番シリンダー
2番シリンダー
3番シリンダー
4番シリンダー
5番シリンダー
6番シリンダー
深みにハマる予感(笑)
診断機では、
5番と3番のミスファイア検知。
「1番じゃないんかい！！！」
こうなってくると、手数を増やして行く事になるのですが、
インジェクター波形診たり、
相関コンプレッションチェックしたり、
スパークプラグをクロスチェックしたり、
ミスファイア検知の3番と5番をまたそれぞれ違うシリンダーのイグニッションコイルと交換してクロスチェックしたり、
インジェクターを順番に殺してパワーバランスを診たりしたのですが、
結局、
インジェクターは5番だけが悪い訳では無く、
全てのインジェクターがトータルで悪くなっているという判断。
最初、
ミスファイアが5番から移動しないから、
「スパークプラグか？？」と疑い、
スパークプラグを点検＆移動しても変わらないから、
「インジェクターか？？」と疑い、
波形も問題無いから圧縮かと思い、
色んな原因が頭を過ぎる訳ですが、
ひとつひとつ潰して行く事で、本当の原因に辿り着けたというお話し。
ただ、
最後「決定的」となったのは、在庫していた新品イグニッションコイルを引っ張り出して来て、3番と5番のイグニッションコイルと交換したらすっかり快調となった事。
自動車修理のスペシャリストが言われていたという、
「訳の分からない故障を一番早く直せる方法は？」
というクイズを思い出す。
しまいにゃ、インジェクターも外せる所まで分解しての点検でしたが、
イグニッションコイル、そしてスパークプラグを全数交換させて頂いて、今回のエンジン不調は修理完了です。
クイズの答えですか？
それは、
「同型の車両がもう一台隣にある事」だそうですよ。
そりゃそうだ(笑)！
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
＜参考データ：車両走行距離 106,400km＞
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