トラブル修理-BMW 328i(F31) 走行中突然エンスト、その後不調が続き結局不動に | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

最近たくさんの「生存確認」を頂いておりますが、

とっても元気にやっております(笑)

 

 

さて今回のBMW。

 

お付き合いのある車屋さんからのヘルプ。

 

伺うと、

とっても調子良く走っていたのに突然エンスト。

その後再始動はしたものの、以後の調子はとっても悪く、

極端なエンジン不調ののち再びエンスト・・・

 

これはどうしようもないと思われ、

積載車にてフリークに入庫されました。

 

 

 

 

お預かりしたものの既にエンジンはかからない状態で、

初爆もなく、押して移動しないといけないレベル。

 

 

 

燃料は入っています。

 

 

 

燃料は入っています・・・が、

原因を先に言っちゃいますと、「ガス欠」だったんです、これ。

 

 

 

燃料は入っているんですよね~

 

 

でもこれ、今回診させて頂いて分かったのが、

1)BMWのシステム、すごっ!

2)一歩間違えば誤診要因が盛りだくさん

ってこと。

 

 

だって、

診断機が一番最初に不具合を示した部品は

「ハイプレッシャーポンプ」。

そして、事実ハイプレッシャーポンプ故障は本当に多い。

 

でも、診断機の言う事は素直に聞いちゃダメ(笑)

 

 

 

更に診断を深めて行きます。

 

このBMWでは、燃料タンクが左右に分かれているのですが、

 

 

 

左側タンクのフューエルレベルセンサーに原因が??

 

 

 

更に調べると、左側フューエルレベルセンサーは、

フューエルポンプ丸ごとどころか、タンクASSY交換になるそうで・・・

ちなみに、タンクASSYは約125,000円!

 

おいおい、これ、大変だぞ!

 

 

 

左側タンク、燃料がゼロ。

レベルセンサーが壊れて反応してないの?

それとも・・・?

 

 

 

アクティブテストでも確認。

 

 

 

うんうん。

ちゃんと動いています。

メーターは問題無し。

 

そして調べて行くと、どうやら燃料ポンプが動いていない。

しかしなんと、

 

燃料が空になってエアが噛むとポンプが空転

   ↓

ポンプが空転する事で発生抵抗が減少

   ↓

抵抗値が減る事で消費電流が小さくなり

   ↓

消費電流が小さくなった事で「エア噛み」を検知し、エマージェンシーモードに入ってポンプは駆動を停止

 

などという、聞いた事もない制御が行われていました。

 

怖い怖い!

これって下手すりゃ、不動の燃料ポンプ交換しちゃう人出て来るんじゃないの??

 

 

 

ポンプが駆動を停止した際は、燃料補給すれば解消するので、

ハイオク20リットル買って来て充填。

 

すると、

診断機で見る燃料の総量が20リットルに!

 

ん!?

 

元々、約10リットル入ってたよね??

合計30リットル入っている計算になるはずだけど?

 

 

そして、燃料充填後はすんなりエンジン始動。

 

 

 

燃料ポンプを取り外し、センダゲージを取り外します。

 

これまた変わった構造。

 

 

 

この小さなチップが、

 

 

 

ホルダー内に収まっていて磁力で押し出されています。

 

 

 

どうにか修理出来ないかばらしてみたけど、

あぁ・・・、こりゃダメだ。

 

 

 

センダゲージを点検。

 

 

 

一番気になっている、抵抗値の上限を計測。

(抵抗値上限はタンク容積の下限値)

 

上限の基本抵抗値は992±20オーム。

測定値は221オーム。

大きく乖離しています。

 

 

 

では下限は?

 

 

 

基準値51±5オームに対し、測定値は51.2オーム。

問題無し。

 

 

 

今回の犯人は、燃料タンク右側のセンダゲージでした!

 

 

しかし!

 

このセンダゲージ、単品供給は無く、燃料ポンプASSYです。

左側(タンクASSY)よりはマシだけど、それでも部品代だけで7万円超え!!

 

こっわ!!!

 

 

 

ご依頼頂いた中古車屋さんに相談するも、さすがに7万円(交換工賃や診断料を入れると総額10万円程/燃料代は別途です)はきつい・・・

 

という事で、現物品番から探す訳ですよ!

 

そして、海外でBMW純正を発見!!

 

 

 

届きました!

BMW純正(?)センダゲージ!!

 

早速抵抗値を測定!

 

 

 

恐いくらい、ドンピシャの数値!!

 

 

 

上限値はたった2オームの違い。

こちらも非常に優秀!!全く問題無し!!!

 

さすがBMW純正(?)!!!

 

 

故障している現在のセンダゲージを、

海外から取り寄せたBMW純正(?)センダゲージに交換。

 

メーター内表示、診断機によるデータモニター、全て完璧!!

さすがBMW純正(?)!!!

 

価格は、本来なら交換となる燃料ポンプASSY代の10分の1以下の価格でした。

 

 

 

最後に間違い探しクイズです。

1ヶ所、間違いがあります。

さて、何処でしょうか!?(笑)

 

 

 

 

今回のエンジン不調トラブルでは、

 ・フューエルセンダゲージ交換

 ・ハイオクガソリン充填

以上の作業を行っております。



ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  16,400km>





※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。


※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。