最近たくさんの「生存確認」を頂いておりますが、
とっても元気にやっております(笑)
さて今回のBMW。
お付き合いのある車屋さんからのヘルプ。
伺うと、
とっても調子良く走っていたのに突然エンスト。
その後再始動はしたものの、以後の調子はとっても悪く、
極端なエンジン不調ののち再びエンスト・・・
これはどうしようもないと思われ、
積載車にてフリークに入庫されました。
お預かりしたものの既にエンジンはかからない状態で、
初爆もなく、押して移動しないといけないレベル。
燃料は入っています。
燃料は入っています・・・が、
原因を先に言っちゃいますと、「ガス欠」だったんです、これ。
燃料は入っているんですよね~
でもこれ、今回診させて頂いて分かったのが、
1)BMWのシステム、すごっ!
2)一歩間違えば誤診要因が盛りだくさん
ってこと。
だって、
診断機が一番最初に不具合を示した部品は
「ハイプレッシャーポンプ」。
そして、事実ハイプレッシャーポンプ故障は本当に多い。
でも、診断機の言う事は素直に聞いちゃダメ(笑)
更に診断を深めて行きます。
このBMWでは、燃料タンクが左右に分かれているのですが、
左側タンクのフューエルレベルセンサーに原因が??
更に調べると、左側フューエルレベルセンサーは、
フューエルポンプ丸ごとどころか、タンクASSY交換になるそうで・・・
ちなみに、タンクASSYは約125,000円!
おいおい、これ、大変だぞ!
左側タンク、燃料がゼロ。
レベルセンサーが壊れて反応してないの?
それとも・・・?
アクティブテストでも確認。
うんうん。
ちゃんと動いています。
メーターは問題無し。
そして調べて行くと、どうやら燃料ポンプが動いていない。
しかしなんと、
燃料が空になってエアが噛むとポンプが空転
↓
ポンプが空転する事で発生抵抗が減少
↓
抵抗値が減る事で消費電流が小さくなり
↓
消費電流が小さくなった事で「エア噛み」を検知し、エマージェンシーモードに入ってポンプは駆動を停止
などという、聞いた事もない制御が行われていました。
怖い怖い!
これって下手すりゃ、不動の燃料ポンプ交換しちゃう人出て来るんじゃないの??
ポンプが駆動を停止した際は、燃料補給すれば解消するので、
ハイオク20リットル買って来て充填。
すると、
診断機で見る燃料の総量が20リットルに!
ん!?
元々、約10リットル入ってたよね??
合計30リットル入っている計算になるはずだけど?
そして、燃料充填後はすんなりエンジン始動。
燃料ポンプを取り外し、センダゲージを取り外します。
これまた変わった構造。
この小さなチップが、
ホルダー内に収まっていて磁力で押し出されています。
どうにか修理出来ないかばらしてみたけど、
あぁ・・・、こりゃダメだ。
センダゲージを点検。
一番気になっている、抵抗値の上限を計測。
(抵抗値上限はタンク容積の下限値)
上限の基本抵抗値は992±20オーム。
測定値は221オーム。
大きく乖離しています。
では下限は?
基準値51±5オームに対し、測定値は51.2オーム。
問題無し。
今回の犯人は、燃料タンク右側のセンダゲージでした!
しかし!
このセンダゲージ、単品供給は無く、燃料ポンプASSYです。
左側(タンクASSY)よりはマシだけど、それでも部品代だけで7万円超え!!
こっわ!!!
ご依頼頂いた中古車屋さんに相談するも、さすがに7万円(交換工賃や診断料を入れると総額10万円程/燃料代は別途です)はきつい・・・
という事で、現物品番から探す訳ですよ!
そして、海外でBMW純正を発見!!
届きました!
BMW純正(?)センダゲージ!!
早速抵抗値を測定!
恐いくらい、ドンピシャの数値!!
上限値はたった2オームの違い。
こちらも非常に優秀!!全く問題無し!!!
さすがBMW純正(?)!!!
故障している現在のセンダゲージを、
海外から取り寄せたBMW純正(?)センダゲージに交換。
メーター内表示、診断機によるデータモニター、全て完璧!!
さすがBMW純正(?)!!!
価格は、本来なら交換となる燃料ポンプASSY代の10分の1以下の価格でした。
最後に間違い探しクイズです。
1ヶ所、間違いがあります。
さて、何処でしょうか!?(笑)
今回のエンジン不調トラブルでは、
・フューエルセンダゲージ交換
・ハイオクガソリン充填
以上の作業を行っております。
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
<参考データ:車両走行距離 16,400km>
※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。
※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。