パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

この国の同調圧力

2024年03月24日 09時10分44秒 | 

不安だから読むのか、読んだから不安になるのか
いずれにしても不安が心を占めているのは間違いない
先日の「詭弁社会」に続いて山崎雅弘氏の「この国の同調圧力」を手にした


日本人なら心当たりのありそうな
「みんながそうだから無批判に同じ行動をとる」例がこれでもか
と言えるほど紹介されている

始めてしまったら止められないのは先の戦争もそうだったし
東京オリンピックも大阪万博もそうなりそうだ
新城市では新城名古屋間の高速バス運行事業もそうだ
(本来の目標数字KPIは達成されず、いつの間にか目標数字は
   輸送量という概念に変えられていた)

先の戦争では死者が急激に増えたのはサイパンでの敗戦後らしい
そこで現実的な方法(降伏)をとればあんなにひどい犠牲者は出なかった
だがその時の空気は、決して冷静な判断でなく感情的、情緒的なのも
それが支配していた
それはメディアも含めてこうしたことに反対する意見を抑え込んでいた

そもそも客観的な戦前の分析では、始めてしまったら初めのうちは
勝ち続けることができるが、そのうちに逆転されてしまう
だから戦いは避けるべきとの意見もあったようだ
その根拠に兵力の供給量の差があったのだが
ここでも全く理解しがたい根性論とか精神論がでてきて
日本人は他国の人間より精神的に優れているので兵力の差はカバーできる
と大真面目に説いた人がいた

これは先の大戦でもそうだが、日露戦争でもこの精神論がでてきて
困難は精神力でカバーできると説くのはまるで伝統的な発想のようで
これを知ると情けなくなる

兵力の差で被害がどうなるかを数学的に算出したものに
ランチェスターの法則がある
戦う両者が同等な技術なり兵力を持っている場合
同数なら確率的に半々の結果となるが、
片方が多い場合は相手に早い時点で確率的にダメージを与えられるので
戦う人数も少なくなり勝負は偏ってしまうというものだ

精神は日本人だけが持っているものではなくて、どの国の人も同じように
持っていると客観的に考えることができなかったことは
想像力の欠如としか思えない

いろいろ気になるところはページを折り曲げて過すぐ読めるようにしているが
その一部を紹介すると

日本では西欧的な「個人主義」の概念が自分勝手な「利己主義」と混同され
どんな時でも自分の利益だけを考えて行動するのが個人主義だと勘違いする人が多い様子です
しかし、本当の個人主義とは、自分が個人として集団内で尊重されるのと同時に、自分もまた
自分以外のすべての人を個人として尊重する考え方です

日本ではこうした概念的な思考訓練ができていないので
個の確立がなされずに、西欧風の社会になっていると勘違いしている人が多そう

こうして思い出しながら考えていると、またまたストレスが溜まりそうになってしまう


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