退職後の計画を、元凶きっかけを作った本人である母に話しましたら
「あなた結局そうやって元の美術史の道に戻ってくるわけね。しかも今まで務めた経験も無駄なく生かせるとは。」
リスクを嫌って真っ先に反対するかと思っていた母があっさりと納得顔だったのも、これまた意外でした。
今回改めて調べてみてわかったのは、日本で販売されてきたカップたちの殆どがお金持ちの使う高級磁器だったこと。
絢爛豪華に金彩が施された茶器はとても高価で、重厚な英国調の家具に凝ったテーブルセッティング、わざわざ紅茶教室に行ったりして。
普通の家庭で愛されてきた陶器の茶器は一部を除いて扱われなかったのです。
一般家庭では、どんなインテリアにも合わせられる包容力のあるデザインで、気取らずに使える陶器が好まれて形も柄も豊かでした。
北欧家具だろうが和風のちゃぶ台だろうが普通に置くだけでインスタ映えさせてしまう魅力があります。
これは近年まで製作されていたもの(今はもう入手困難です)
直線的なロンドンシェイプ、だいぶ形がシンプルになってきています。
柄は伝統的なブルー&ホワイト
元々は日本の伊万里焼が伝わっていったものに端を発します。
なのに何故日本では取扱が少なかったのか。
日本は洋風のもの、英国は東洋のものが売れ筋とされたということでしょうか。
ちょっと遡ってこれは1989年まで生産されていたもの。
実は私が初めて買ったカップです。まだ学生時代(^^♪
大量生産でお手頃でしたが、全体に型押しで凝ったレース模様が入り取っ手にまで薔薇模様が施されていて一目惚れでした。
お皿やカップの縁もゆるくひらひらっと可愛くて。
長年愛用していると底や内側に貫入が入ってきますが、その貫入の入り方がまたヴィンテージっぽくてイイのです。
ピカピカの新品より、古いものの味わい。
和食器に通じる、「育った」感じが出るのが陶器のいいところ。
凝りに凝った形の母のお気に入り。
細かいフリルに籠目の型押しまで入っています。
昔のものは仕事が丁寧ですね。
今はロスを無くすためかどんどん装飾が削ぎおとされ、同じ柄でもかたちが直線的になってきました。
リモートでお仕事されているという方も、仕事中はマグカップを使うけれど休憩してゆっくりお茶を楽しみたい時に気分が上がると言われていました。
これから長くカップを育てるのが楽しみだという声も。
「とてもとてもカワイイですっ!」
皆さんテンション高く感想を伝えてくださって嬉しい。
これは現在でも生産されているもの。
取っ手も縁もシンプルになってしまいました。
でも柄はとてもシック、焦げ茶の縁取りが大人っぽい。
本来は珈琲と変わらず気軽に楽しめる飲み物なので
紅茶専門店も増えるといいな。
今ならまだ型も残っているだろうから、廃盤になった製品も復活しないかしら。
そんなことを考えながら、きれいなものを探しつつ。
どこかの誰かのおうち時間の楽しみが増えることを願う気持ちをカップと一緒に届けようと思います。
往年のコレクションを断捨離した母はといえば、
「今日はどのカップで飲もうかな~」
数は減れどもお気に入りの数は増えて、父にも私にもカップを選ばせては紅茶や珈琲を飲む時間を楽しみにしています。
僕も一緒にティータイムの気分を楽しむにゃ
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