ふぶきの部屋

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ディミトリ・ジャガービート

2023-01-30 08:00:00 | 宝塚コラム

やっと生観劇する機会を得て嬉しかったものの、双眼鏡が曇るわ遠いわで

肩が痛くなりちょい不機嫌。おまけに朝から空腹状態のままの観劇だったのでさらに・・・

「観劇はストレス解消で生きがいなのでは?」ってよく言われますが、私の場合は見てるその時だけは楽しいけど開演5分前までと終演直後から落ち込みます。

明日からどうしよう・・・って感じで。

 ディミトリ 

後半、ディミトリが死ぬ場面でみんなしくしくなっていくけど、私はあまりにもリアリティに欠けたシーンなので泣く事が出来ませんでした。

お花畑の日本人ならこの「ディミトリ」を見て感動するかもしれないけど、本家本元ジョージア人が見たら「こんなジョージア人もいなければ、こんなホラズム人もいないだろうと思った筈です。

原作者がイスラム教徒の残酷さを知らないのか、イスラム教とキリスト教の長い争いを知らないのか。

敵役がアバクだけというのも、芝居としては成立しにくくて、はっきりいってダメダメなんです。でも星組ファンは、ホラズムのジャラッルディーンがディミトリを助けるシーンにうっとりしたり、自害するディミトリを抱きしめるジャラッルディーンにわくわくしたりするので、

実際の民族がどうかなんてどうでもええわ。うちはこっちゃんと瀬央さんが仲良くしているのを見れたらそれでいいのっ!」って所でしょうか。

そうはいっても、脚本を書く時になるべく対立の構図をはっきりさせ、矛盾を減らす努力をするのは当然の事で。

 ルスダンが勝手にディミトリを「裏切者」扱いにして牢屋に放り込んだのに、再開した時に「無事でなにより」っておかしくない?

「あなたどうやって逃げたの?まさかホラズムに助けられた?」とかえって疑念がわくのではないかと。

 ジャラッルディーンがやった事と言えばルスダンに結婚を2回申し込んだことと、ディミトリを使者に使わし、自害したディミトリを褒めたたえたこと。これでは敵にならないです。

そもそも「ディミトリの父に助けるように頼まれた」と言ってますが、見返りなしにそんな事やってたら国滅ばされるわ(確かに滅ぼされてるけど)人に何か頼む時には見返りに命を差し出すのが当然。美女だったり、土地だったり。

ディミトリの父は何を条件に助けて貰ったのか。

 ルスダンがディミトリの本心を知ったのなら、「あれは誤解で彼は私達の味方よ。だから事がなった暁には我が国へ戻す」と言わなかったのはなぜか。

結局、アバクが一番ジョージア人らしかったって事ですかね。

彼が最後の最後にルスダンに忠誠を誓う所で涙が出ました。

人間というのは、そこまでしないと信用されない時代だったのですよ。

ルスダンにはタマラよりも長男を育てる義務があり、それが国を守る事ではないのかとも思いました。

 2番手以下の出番が少なすぎる。

 主役が主役に見えない

これは大劇場の千秋楽ライブビューイングで思った事です。

極美慎なんてものの10分で死ぬし、ジャラッルディーンですらあの扱い。

宝塚の座付き作家としてこれではいけません。

それに前にも書きましたが、そもそも女性が主役の物語を男性主役に変えるには「男性からの目線」を描く必要があります。

これが今回の舞台に欠けていた事です。

例えば、議会から締め出されてもこっそり立ち聞きしているとか、ルスダンから報告を受けて二人で政策を考え伝えていたとか、そういう動きを一つ入れる事で主役が変わります。

また、ギオルギ王が死ぬ時も、もっとディミトリを立てるとか戴冠式のシーンでも「王配」としての身分を与える儀式とか、そういうものを入れるだけでかなりストーリーの主役が変わって来るのです。

東京に来て、随分礼真琴の努力もあり、徐々に主役にみえるようになりましたけど、それでもやっぱり宝塚歌劇としての成立は不十分だと私は思います。

歌劇団関係者はこのブログを読んで参考にして頂ければと思います。

素人の意見とはねつけず、真摯に受け取り精進を重ねれば素晴らしい演出家になれるけど、そうでないと誰かさんみたいになるよ~~~

結局、この物語で得たものは「弱い国は亡びる」という定義です。

政治は外交とか、安全保障は外交とか言いますし、防衛費を上げてどうなるとか言いますが、結局のところ、いきなり侵攻されたらあっという間に首都は落とされるし、そこに住む人達も死んでしまうという事。

そして「敵」というものは容赦なく殺すし、言い訳も聞かないし、凌辱する事も真理です。

日本が敗戦国なのになぜ独立できたか。アメリカが優しかったのか?

違います。アメリカによって70年後の日本はすっかり日本人らしさを失い、元々民主主義に慣れていないのに押し付けられた民主主義と憲法によってすっかりアイデンティティを失ってしまったのです。

(昭和天皇のおかげで日本は国家としての体面に傷はつかなかったけど、あちこちで理不尽な死を迎えた人が多かったです。

話がそれでしまいましたね。

どうにも生田大和という人は、歴史に弱いのに歴史物を書きたがる傾向があるようです。

出来事に対しての自分なりの凛とした考えがなければ歴史物を書く資格はありません。

石田先生もストーリーははちゃめちゃですけど、でも「日本が好き」って気持ちはすごく伝わって来る。そういう話を私達は見たいのです。

 ジャガービート 

斎藤吉正は「星組はどんなめちゃくちゃなうるさいショーでも、ド派手な衣装でも何とか形にして、きゃあきゃあ言わせてくれるだろう」という安心感を持って「ジャガービート」を書いたと思います。

もし、これが花組や宙組で上演されたら「うるさいだけでつまんない」ショーになっていただろうと確信します。

どこまでも体育会系で自己アピールに長けた星組だからこそ成立したと思います。

「マジ?マジック」の歌が皆が同じフレーズを歌いつつも、それぞれ個性があって全然違う曲に見えたりしましたし、退団者にも優しいショーで見ていて安心しました。

映画館ではわからなかった・・すごい照明の数々!うわ~~すごって感じでしたし、映画館ではアップにして貰えない、暁千星のスクワットやってるの?っていうシーンをしっかり見る事が出来て嬉しかったです。

礼真琴は何でも出来る人ですし、派手な衣装を粋に着こなす。

瀬央ゆりあはまさに「陽」の人で、暗い場面からいきなり「マジ?」って出て来る所は圧巻。

暁千星はここでは「陰」で、妖しい魅力とダンスで惑わす。

舞空瞳は今回は「可愛い」役に徹しているのですが、ごめん、あまり似合っているとは。こういうのはちゃぴが似合うよね。ねねも。

極美慎と天飛華音は暁千星の背中を見始めている感じ。二人の切磋琢磨は微笑ましい。

そして横顔が夢輝のあに似ている稀惺かずとも、随分目立つようになりました。

そこに立っているだけで気負いを感じないところが大物何だなあと。

あまりに残念なのが綺城ひか理の組替え。

いや~~星組に来た時はこんな気持ちには絶対ならないと思っていたのに、そのハリのある声と背丈と、悪役も良い役もこなせるバイプレイヤーぶりに惹かれました。

特に今回のギオルギ王は大好きなキャラだなと。

花組に行っても、目立ち続けるんですよ!!

我が家の姫が「有沙瞳の胸の谷間がまぶしすぎて」と言ってました。

確かにそうで、実際に見ると色気が半端ないです。

でもこれならロココのわっかのドレスがかなり似合いますよね

大人の魅力でヅカ男子をメロメロにして下さいませ。

また極美慎と有沙瞳の「怪しい姉弟」(BY姫)コンビもかなりうまくいってますね。

小桜ほのかと極美が組むと完璧にカレカノなんですけどね。

 

私は「ナルキッソス」のシーンが一番好きです。

ダンス力高い二人の禁断のシーンが、とにかく目に刺さる。そして怒りの有沙瞳の怖いこと。

極美慎至福の時・・・のようです。

アリトートと極美ルドルフのキスシーンを見たい。すごく長いの・・・小池先生!

ということでたった1回ではありますが、今年初めての生観劇を堪能させて頂きました。

 

が!劇場出たら途端に「明日からどうしよう」が始まっちゃった。

若い方々の華やかなスカートや可愛いブラウスに「いいなあ」と年甲斐もなく思うおばあさまでした。

おまけ

ぼくとんすけだよ。ありちゃんとお写真撮ったの。いいでしょ。

隣りはタークだよ。よろしくね。

 

 


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3 コメント

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私も・・ (スザンナ)
2023-01-30 08:28:34
瀬央さんの腕の中で息絶える礼さん・・にウルウルは来ても(甘いかな?;^_^A)
役柄としては消化不良?納得できませんでした。

二重に裏切者となったディミトリ~
何故トビイシで民衆の中にでも隠れない?とか~~
並木さんの原作にも問題が有るんだと思います。

しかしながら思い返してみると・・
私、今まで生田作品に感情移入できた事が無いかも。

ジャガービート、音と光の洪水で~~~
田舎のオバちゃん(私)には理解できませんでした。
もう少し暗転やユックリした音楽が欲しい!

大劇場の配信見てクソみそ言いながら東京に観に行く
なんと「正統的宝塚ファン」なんでしょう!(;^ω^)
Unknown (すみれいろの花の乙女)
2023-01-30 15:28:44
ふぶきさん、「明日からどうしようって落ち込みます」ってどういう意味ですか?

・こんなに楽しかったものが終わってしまって残念
・観劇終わって明日から何を支えにくらしていけばいいのか
・チケット代かかりすぎて今月の家計費が心配
・宝塚このままでいいのだろうか心配

落ち込むにもいろいろあるんだと思いますけど。。。
Unknown (ゆうこ)
2023-01-31 06:59:38
宝塚迄行けないので、しかもやってくれる映画館も無いんです(苦笑)
仕方ないから昨日はLegendsofButterfly見てきました。感想は良かった(笑)宝塚の芝居とショーと両方とも良かったと感じるときにも似てましたね。
東映が70周年記念として20億円かけて作ったそうです。つまんない人には詰まんないのかも?
でも私には、東映の床山さん、殺陣師さん、衣装係さん、小道具さん、美術さんの汗と涙と努力の結晶の様な作品に見えました。
脚本はどうする家康の方。三丁目の夕陽とかコンフィデンスマンも書いてます。キムタクさん流石に謡の練習までは出来なかったようで、敦盛はさらりと。でも所々にちりばめたマクベスや邯鄲の様なシーンが美しかったです。
多分日本映画のなかではアカデミー賞確実(笑)かもしれません。劇団新幹線もそうですけど、基本は実はシェークスピア何ですが、今回もそんな印象を持ちました。

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