今年度入試応募者数と来年度入試応募者予想 | 中学受験国語研究ブログ

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とある大手塾で4年連続ナンバーワンの評価をいただいておりました。中学受験生、その保護者あるいは教育関係者に役立つ情報を提供します。

一、コロナ禍においては

1、中学校、小学校、塾では休校などで授業時間数が減少した→学力不安

2、各種模試の中止、自宅受験化が相次いだこと。また、学校説明会、文化祭中止→志望校選択の不安

3,新型コロナ感染不安

4、コロナ禍による経済不安

などがあった。

したがって、中学入試では①応募者減②安全志向③遠方受験(試し受験)の回避などが予想された。

 

二、では実際はどうか?

 ①応募者減は、トータル的にはほとんどなかった。中学受験率は前年と同様の14.3%。2月1日受験生数は約4万400人、私国立中受験生は約5万人であった。

 他方で②はあった。以下、その点についてみた後、四谷大塚の合不合判定テストの資料である昨年同時期比較の志願者増減を記録したものだ。これにもとづき来年度入試はどうなるのか予想してみよう。

 

三、男子の動向

1, 確かに②安全志向、すなわち超難関校である開成中(1266名→1243名)、麻布中(1016名→881名)、武蔵中(601名→584名)と男子御三家は総崩れとなった。一方で、海城(1815名→1829名)、駒場東邦(605名→645名)、芝1回(488名→491名)と増加しているのは、これらが御三家断念組の受け皿になったのかもしれない。

2,では、本年度入試においてはどのような予想ができるだろう。

昨年同時期比較の志願者増減によると、本年度入試において大きく志願者が増えた駒場東邦中の志願者が大きく減っている(-31)。駒東は来年度は緩くなるのか。

だが、同じく志願者が増えた海城(+48)、芝(+11)などは現在のところ志願者がさらに増えそうな情勢にある。海城、芝はコロナとは関係なく学校の内容が評価されているのであろう。

ところが、本年度応募者が減った開成も減っている(-15)。開成はことによると応募者はさらに減り、易化するかもしれない。

一方で武蔵(+54)、麻布(+21)の応募者は回復傾向にある。

 

四、女子御三家はJG(798名→723名)、雙葉(419名→385名)、豊島岡(2879名→2819名)と減った。一方で鷗友が応募者を増加させている(1118名→1327名)。これらも②の安全志向、つまり超難関校が志願者が減らし、鴎友がその受け皿となったとも考えられる。

ただ、最難関校である桜蔭(555名→581名)と、共学校最難関校である渋谷教育学園渋谷は(1159名→1176名)応募者を増加させていることは注目に値する。

2,では、昨年同時期比較の志願者増減から、来年度の応募者を予想してみよう。

JG(+27)、豊島岡(+4 1次と3次計))は今年は志願者が増えそうである。しかし、鷗友は本年度の反動からか、応募者を減らしそうである(-15)。

だが、雙葉(-10)、などはさらに応募者を減らしそうな勢いである。雙葉は易化するかもしれない。

一方で渋々は+70(2次、3次計)とその人気に陰りは見えない。

 

五、次に③の試し受験の回避について

1,③の試し受験の回避についてはその傾向はみられた。

栄東(11857名→10240名)、浦和明の星(2511名→2323名)、市川(3231名→2884名)、渋谷幕張(2741名→2221名)、東邦大東邦(3053名→2684名)へと減少している。

2,昨年同時期比較の志願者増減表からは試し受験は復活しそうである。浦和明の星(+48)、東邦大東邦(+48)、市川(+4)などにその予兆がみられる。

 

六、さて、四谷大塚の合不合判定テストにはさらに面白い資料がある。それは第一志望者数の増減である。

1、男子では第一志望者ランキングは①早稲田(330名)②武蔵(278名)③開成(250名 しかし昨年よりは27名減っている。来年度入試では開成は狙い目となるか?)④早稲田実業(234名)⑤慶應普通部(231名)と続く。

一方で前年度との比較で第一志望者が増えている率のベスト5は①日大藤沢(392.3%)②成蹊(169.6%)③日大豊山(167.9%)④中大横浜(165.9%)⑤慶応中等部(156.9%)となっている。

 太字に注目してほしい。附属高、半進学校の人気が目立つ。

2、女子では①女子学院(261名)②吉祥女子(221名)③鷗友学園(189名)④豊島岡(152名)⑤桜蔭(137名)となっている。

前年度との比較で第一志望者が増えている率のベスト5は①青陵(269.2%)②開智日本橋(233.3%)③山脇(196.2%)④白百合(166.7%)⑤田園調布(157.1%)となっている。

 男子と異なり附属高、半進学校がほとんどないというのが面白い。大学入試の観点からみれば、大学入試を回避したい男子、大学入試に挑戦的な女子と従来と異なるイメージが浮かび上がる。

 

 

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