ふと気が付けば、入院して、全力で病んでいたあの頃から丸8年が経っていました。
あたかも自分が健常者であるかのような顔をして普通に日常を送り、意識しなければ自分が病気であることを忘れてしまいそうなくらい。
月日の流れは人を強くしてくれるようです。
最後に再発してしまったのが、2016年の3月でした。
ネオーラル服用を始めて3年ちょい。
体調も問題なかった、2015年の10月の終わり、満を持してステロイドを切りました。
冬を越し、もうすぐ春ですね、という3月に入ってすぐ。
久しぶりに見たあわあわ、若干のだるさとむくみ。
数日後に控えた定期健診のため、ひたすら疲れないよう過ごしたのもむなしく、あっさりタンパク3+で。
ステロイドは振り出し30mg/dayに戻りました。
あれから3年と4ヶ月。
ステロイドは5mg/day、ネオーラルが先月よりなくなり、現状特に問題なく過ごしています。
この3年ちょいの間。
ライフイベントとしては、かなり大きな変化がありました。
2年前に大学院を出て、ついに就職。
8年前、入院中に書いていた、食品メーカーで開発をしたいという夢を実現し、3年目を迎えました。
業界、職種とも、比較的人気の花形ポジションで、なおかつ我が社は早い段階から開発業務に携われることもあり、日々、かなり忙しく過ごしています。
正直、しんどいです。
当たり前です。
お金をもらって、働いているのだから。
病気の体で。
元気な人でもしんどいんだから、当たり前です。
でも、入院していたあの時。
再発したあの時。
毎回毎回、後ろを向いて、どうせわたしは病気だからと捻くれていた頃からすると、今のわたしは輝いていると、そう思っています。
体力が落ちて、顔が丸くなって、ネフローゼの症状だけじゃない、いろんな症状がでてきて。
それに対して、毎回卑屈になって、毎回自分と周りを恨んで。
でも、何も変わらなかった。
引きこもっても、卑屈になっても、誰も助けてなんてくれなかった。
当たり前だ。
病気の人間に差し伸べる余裕なんて、この、慌ただしい世界の中には、ない。
ならば、自分で道は作り出せばいい。
いつまでもウジウジしていても、現状はなにも解決しない。
そう思って、病気のことは隠して就職をしました。
全力で自分の体調を把握して、絶対に再発させまいと。
決して元気なわけではないのです。
休みの日に15時間以上寝続けないと体力がもたないくらい、疲れやすいです。
ステロイド依存性で、ステロイドさえ飲んでいれば再発することはなさそうだから再発しないギリギリの量飲み続けていく方針のおかげで、ムーンフェイスがデフォになりました。
すぐ貧血を起こすようにもなりました。
筋力低下が激しくて、階段上がるのすらきつかったりします。
それでも。
なにもしないという選択肢をとればとるほど、結局自分は病気の皮を被っていつまでも捻くれ続けるだけだと、気付いたから。
わたしは、普通に生きています。
病気であることを忘れてしまうくらい、普通に。
みかん