取り組む姿勢の大切さ | 自由で柔軟&自然で美しい姿勢の探究 Zen&パルテノン・スタイル

取り組む姿勢の大切さ

広岡達郎(元プロ野球選手、監督)の言葉(ネットで引用されていたもの)から。

どうしたらうまくなるのだろうと、悩みに悩みましてね。人の技をいろいろ見て盗むのですが、最初はかっこいいプレーを、うまいなと思ってひたすらまねをしていました。
 
でもかっこいい人の物まねを一所懸命するんだけど、なぜうまいのかが見抜けなかった。
ただかっこいいなあ、うまいなあで終わっていたんです。

ものすごく一所懸命なんですね。
今度は(その選手を見て注目したことは)かっこいいなあじゃなかった。

「なんでこんな遊びのシーズンオフに、あんなに一所懸命やるんだろう。こいつ、よっぽど下手なんだな」と思ったんです。

それから二、三日たっても、(その選手は)やはりいつもと同じ姿で一所懸命やっていました。

たそのとき、ふと

「待てよ、俺はあそこまで一所懸命やっていないのではないか」と気づいたんです。

あの心境でやればいいのかなと思って、そっくりそのまま一所懸命さを前面に出してやったら、一発ですよ。
球が躍(おど)ろうが何しようが、そこに球があるから捕れればいいじゃないかという感じで、何でも捕れるようになった。

そのとき初めて格好じゃない、野球に取り組む姿勢が大切なんだということがわかった。

それはもう一瞬でした。
四年間悩み苦しんだことが、その姿勢に変わった途端に、ウソみたいに解決したんです。

明日もできればいいがなあと思って同じようにやったらできて、その次の日もできた。

ああ、この気持ちさえあればいいんだと思って、同じ姿勢を持ち続けていたら、そのうちにスランプを脱出することができたんです。

よくコーチが選手に、何事も積極的にやれよ、と意味もわからずに言っているけれど、ぼくは選手に

「積極的にものを考えたら血液は濁らないが、消極的な観念だと血液が濁る。そうしたら不健康になる。簡単なことだろう」

と説明する。

以上、引用終わり。

ものすごく参考になる言葉です。

自分が、「待てよ、俺、一生懸命やらずに、格好だけ繕おうとしてたな」
と、自分のこれまでの姿勢の間違いに気づき、
ただただ一生懸命やろうとする姿勢になるとき、
格好の問題でなく、「取り組む姿勢」の問題だと気づくと思います。

坐禅の姿勢も、実はこの問題です。
(が、私は数十年にわたり、身体技法だの呼吸法だの瞑想法だの、特殊な技術の習得と伝達にだけ目がいっていて、この根本の姿勢の問題には全く無頓着でした。あぁ。)