にしし ふぁくとりー:西村文宏 個人サイト

Presented by Nishishi via Movable Type. Last Updated: 2022/12/01. 10:47:44.

水回り修理の依頼先を探そうとしたら、水道工事事業者がWebサイトをほとんど持っていない問題があった

自社サイトのある水道工事事業者が1桁%くらいしかなかった

台所と浴室の水回りをちょっと修理する必要が出てきたので、修理してくれる水道工事業者を探しました。緊急度はそこまで高くはないんですけども、でもパッキン交換とかで済むようなレベルの軽度でもない感じで。(結局は、修理というか、新しい水栓やホースに交換する工事を依頼しました。)

今の時代、Webサイトの制作を請け負う会社は山ほどありますし、Web利用者数もめちゃくちゃ多いので、もはやWebサイトを持っていない会社なんてほとんどないんじゃないか……などと思ってしまいがちですけども、全然そんなことはないのだなと再認識しました。

市が指定する水道工事事業者の一覧(社名と住所と電話番号だけが掲載されているリスト)を上から順番にググってみたのですけども、自社サイトがある会社の方が少ないです。「方が少ない」というか、全体の数%(1桁台)くらいしか自社サイトを持っていませんでした。┌(:3」└)┐
Webを持っていない会社、多すぎ!!

……一体どうやって営業しているのでしょうか??
もっとも、自社サイトがなくても、業界企業紹介まとめサイトみたいなサービスとか、iタウンページみたいなサービスで情報がヒットしますから、まったくWeb上に微塵も情報がない……というわけではありませんが。

でも、複数の会社を比較して依頼先を検討しようという場合、「自社サイトがある会社」と「自社サイトがなくて業種別企業一覧サイトとかにしか載っていない会社」とでは、依頼先として採用される可能性が天と地ほど異なるのではないかと思うのですけども。
だって、「何の情報も事前に手に入らない会社」に電話していきなり依頼とか、します……?
他に選択肢がないならともかく、あるわけですし。

▼Webサイトがないと怪しく感じられる時代だが

地方自治体(市とか)指定の水道工事事業者って、たぶん一般消費者向けに宣伝する必要性がないのでしょうかね……。
水道設備は経年劣化で問題が起きていくものですし、直さずに生活し続けるのは困難な上に、住宅はたくさん存在するわけですから、何も宣伝しなくても地域住民から勝手に依頼が入ってくるのでしょうか。ただ、競合他社との顧客獲得競争はないのかな……? という気はしますけども。もしかして、たいていの人は深く考えずに「自宅から最も近い業者」に依頼するんでしょうか?

私が数年前にWeb製作を担当したとあるNPO組織(もう20年以上の活動実績があるNPO)があるんですが、Webを開設することにした理由が、「なぜ、あんなNPOが市の施設に入居させてもらえるのか。Webも存在しないような怪しい集団なのに」という陰口を聞いた結果、「今の時代にはWebくらいないといかんな……」と判断したのだと聞きました。^^;
Webが存在しないと、どんな会社(組織)なのか、どんな人が居るのか、そこで何をしているのか、等々の情報が事前にはさっぱり分からないので、怪しく感じるんですよね。(^_^;)

▼高額請求の悪質業者問題がよく報道されているので

水道設備系の工事(台所とか風呂とかトイレとかの水回り)って悪質業者による問題もよく報道されているので、よほど「ここなら大丈夫そう」だと思われないと依頼されないと思うんですけども。
自宅の郵便受けにはよく「水道トラブル即応」的な広告マグネットがよく放り込まれていますが、悪質業者によるトラブルがわりとあるっぽいのでそういうのはゴミ箱に直行しています。

例えば、神戸市は「水まわりの修理・工事トラブル 悪質業者に注意!」のようにWebで注意を促しています。(神戸市だと、そもそも市がフリーダイヤルで業者を紹介するサービス(上下水道の修繕窓口)を提供しているんですね……。これは良いサービスですね。大きな市でないとそういうサービスの提供は難しそうですが。)

水道工事事業者は、各自治体(市とか)が指定する制度がありますから、そういうところの業者を選択しておけば、そうそうおかしなことはしないだろう……、と思いました。
市が指定しているからといって、どんな担保があるのか良くは分かりませんが。でもさすがに、市が指定している業者で悪質なことがあれば、市に苦情が行くなりしてリストからは外されるのではないかな、と思いますから、その辺を期待して私は市の水道工事事業者リストから選ぶことにしました。(先の神戸市のページでも、自力で業者を選ぶ場合は「市の指定工事店」へ依頼するよう書かれています。)

▼Webもなく、株式会社でもなく、電話は090/080から……?

市の水道工事事業者は、一覧が市役所のウェブサイトに掲載されています。たぶん今の時代ならどこの自治体でもWebで公開しているのではないかと思います。少なくともうちの近隣の市は皆そうでした。
なので、そのリスト(結構長いです)から調べたのですが……。

市の指定水道工事事業者でも、名称に「株式会社」とか「有限会社」とかが含まれておらず、電話番号は080とか090から始まっていて、住所がマンションの1室のような会社(法人かどうか分かりませんが)もありました。
別に規模が小さいことを問題にしたいわけではなく、会社組織であることが重要と言いたいわけでもないのですけども、その形態でWebすらないのですよ……。(^_^;;;

Webもなくて、住所がマンションの1室で、法人かどうかも分からない名称で、携帯電話だけで受け付けている事業者に、果たして依頼って行くんでしょうか……?(他に選択肢がないならともかく、近隣にも指定事業者がそこそこあるのにです。)
謎です。

業務内容的に「指定水道工事事業者」の指定が必要だけども、一般の顧客を取る気はない、みたいな事業形態もあるんでしょうか??

▼これから会社を興すなら、ググラビリティも考慮した社名に!

ちょっと話は逸れますけども、
市の指定水道事業者リストに掲載されているローカル企業名で(その会社のサイトを探すために)ひたすらググっていて思ったのですが、世の中の創業者はみんなもっとググラビリティを考えて社名を付けた方が良いのでは!?!?

いや、20年以上前からあるような企業なら仕方ないのですけども。なんかここ5~6年で設立されたような会社でも、「よくある名字」+「業種名」だけで構成される社名だったりして、ググっても「東京にある同名会社」とかしか上位に出て来なかったりしていました。
例えば、スズキ水道整備(株)みたいな感じで。(この社名は今テキトーに考えただけですが。)
もっと難なく検索で1位を取れるようなユニークな社名を付けておかないと……!

自社Webサイトがあっても、アップデートもされておらず活用もされていない問題もあった

話を戻しますが、
指定されている事業者のうち、「自社のウェブサイトを持っている会社」がわずか1桁%くらいしかない上に、「情報がアップデートされている会社」となるともうほとんどありませんでした。こんなにWebを活用されない業界もあったんだなと、むしろ感心してしまいました。(もっと人口が多くて競争の激しい都会ならまた話は違うのかもしれませんけども。)

1件目に、良さそうな感じの自社サイトを持つ、規模の大き(そう)な会社にWeb上の問い合わせフォームから連絡を入れてみたのですけども、「いやー、うちは下水中心なんで、上水はやってないんですよー」みたいな返事が電話で来ました。┌(:3」└)┐
いや、Webサイトには図説付きで「台所の水栓からの水漏れ云々」とか「トイレの水漏れ云々」とか、思いっきり上水の依頼受付中みたいに書いてあったのですが……?
まあ、Webからの連絡に電話で返事をしてくる時点で、Webは活用されていないのだろうな……、とは分かりましたけども。
せめて受け付けている業務内容くらいはアップデートしてくれ……

それ以外には、例えば、

  • 「自社サイトはあるものの、問い合わせ可能な連絡先情報が電話番号のみ」という会社もありましたし、
  • Wayback Machineで調べてみると「自社サイトの初回開設以後、1度も更新されていない(ように見える)」という会社もありました。(^_^;;;
  • 一応は「自社サイト」ではあるものの、内容は「1ページだけのランディングページ」が全て、みたいなサイトもありました。

しかし、上記のどの場合でも、自社サイトが存在しないよりは遙かにマシです。
水道関係の企業って、「自社サイトがある」というだけで「あった!」と驚かれる業界なんですね……。
できればもうちょっとWebを活用して欲しいですが。_(┐「ε:)_

自社サイトを持っていない会社って、「必要性は感じているが費用面や手間の問題から作っていない」のか、そもそも「必要性を感じていない」のか、理由は何なのでしょう?

結局、依頼した先は

結局、「自社サイトは(簡易的ながらも)存在するが、電話でしか連絡を受け付けていない会社」に電話で依頼しました。
「自社サイトがあること」という絞り込み条件を決めた時点で90%以上の指定業者は対象外になるわけですが(笑)、さらに「Webから(またはメールで)問い合わせができる」という絞り込み条件を加えただけで該当社が極めて少なくなってしまって現実的ではありませんでした。
仕方がないのでその追加条件は諦めて、

  • ➊ 簡易的でも良いから自社サイトで「どんな会社なのか(何の依頼を受け付けているのか)」の情報発信がある。
  • ➋ 会社の規模と歴史がそこそこある(少なくとも社員1人だけで設立1年目とかではなさそう)。※注
  • ➌ 所在地が遠すぎない。

……というような点を勘案して決定しました。

※注:上記の➋に関しては、Webでしっかり情報発信が行われていて(ちゃんと更新されていて)信頼できそうだったら別に不問でも良いと思っているのです。が、Webがないか簡易的にしか存在しない状態では➋の条件を加えないと不安です。
なので、事業規模の小さい会社こそ、積極的なWeb活用が必須だと思うのですけどもね……。

▼担当者は良かった

というわけで、若干の不安を感じつつ平日の昼前に電話で連絡を入れたのですが。
実際に自宅に確認に来て下さった担当者(その後の修理も担当)は良い人でした。

水回りの修理を依頼したのが初めてなので他と比較はできませんけども、(水栓や排水やらの)何が問題でどう直す必要があるのかの確認は的確でしたし、明確な見積書も受け取りましたし、後日の工事もちゃんと遂行されました。請求額は見積書通りでしたし。
結果的には、この会社を選択して良かったな、という印象は受けました。

▼連絡手段が電話だけだと非効率ではないのかな……?

ただ、担当者さん自体はとても良い人なのでそこに文句はないのですけども、会社として連絡手段が電話しか用意されていないので、連絡を取る(待つ)のが大変で困ります。いつ電話が掛かってくるか分からないので待ち構えていないといけないですし。「今から工事に行きますけど居ます?」みたいな、まさに今する必要のある話は確かに電話でも良いですが、見積もりとか見積もりに関する質疑とかはメールみたいな非同期連絡手段にしてくれないものでしょうかね……。その方が、先方だって仕事の効率は上がると思うのですけども。(突然電話で問い合わせられることがなくなるわけですから。)

電話連絡しかできないと、お互いのタイミングが合わなかったときには(先方だってそんなに頻繁にかけてくる余裕はないので)その回の連絡は何時間後かに先送りされることになります。それが繰り返されると、ずるずると遅くなっていくことになるわけで。メール等の非同期手段で連絡ができるなら、各々が好きなタイミングで送ってしまえばそれで済むので、お互いのタイムロスがなくなるのですけども。

一番驚いたのは

というわけで、自宅の水道周りの修理を依頼したという話でした。

いや、違うか。
自社サイトを持っていない企業ってまだまだたくさん存在するのね、と知って驚いたという話でした。^^;

まあ、企業等のWeb製作を請け負う仕事をしている身としては、顧客になり得る会社がまだまだたくさん存在するということで、それはそれで良いことなのかもしれませんけども……?
いや、そういう企業に「うちにもWebが必要だな」と思わせられなければ仕事が発生しないわけですが。^^;

みんな、自社サイト作ってくれ!

コメント

分かります。私も最近家族の車の修理(フロントガラスへの飛び石)を依頼したいので大まかな価格帯を調べて欲しいと頼まれとりあえず検索してみたものの、おそらく水道業界よりはウェブサイトはあるのですが、それでも価格帯も含めて情報がとても少なかったです。
結局GoogleMapの口コミ等を見てある程度数を絞ってからひたすら電話で確認するというアナログな作業になりました。
返答も実際に作業される方(整備士さん)からの直電だったりしたので、そこをメールにすると慣れてなくて時間がかかって大変な方が多いのかなとも思いました。
あと、顧客によってはなかなか必要な返信が貰えなかったりするんでしょうかね?(メールに気づいてなかった的な…)

投稿者 コロンビア : 2022年11月29日 11:37

コロンビアさん、こんにちは! いらっしゃいませ。あのコロンビアさんでしょうかね?(どんな質問だ)
フロントガラスに石が飛んでくるとはなかなか大変でしたね。スクラビングバブルカーでしょうか。
いや、コロンビアさんの車ではなくてご家族の車の話でしたね。^^;
自動車整備関連もWeb化は進んでいないのですねえ。たしかに、自動車の整備も法的な義務ですから、あんまり宣伝しなくても客の方から寄ってくる業界なのかもしれませんけども。そういえば私が車の整備を依頼しているところも、長らく「自社サイトはあるものの問い合わせは基本的には電話中心」というところでした。最近はようやく予約だけはネット対応もしてくれるようになりましたが。
整備士さんも世代交代が進めばむしろメールやチャットの方が楽……という人も増えてくるかもしれませんが、本人の意思だけで切り替えはできないでしょうから、「メールやチャットの方が楽」という人が会社の責任者になってようやく変わってくる……みたいな感じでしょうかね……。
あとたしかに、お客さんの側がなかなか返信くれない、という問題はありそうですね。「客→会社」方向の催促と違って、「会社→客」の催促はしにくいでしょうから困りやすそうですし。なるほど。

投稿者 にしし : 2022年12月01日 10:47

コメント数: 2件

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にしし(西村文宏)

にししでございます。本書いたり記事書いたりしてます。あと萌えたり。著書5冊発売中です(Web製作系4冊+小説1冊)。著書や記事は「西村文宏」名義。記事は主にAll Aboutで連載。本の最新刊は2011年3月に発売されたライトノベルでございますよ。

Twitter:にしし/西村文宏
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