昨日今日と朝はなんとなく頭痛っぽい、
っていうのは寒さと高血圧の絡みか
と不安も抱えつつの、
グランドシネマサンシャイン池袋
 
イニシェリン島の精霊
 
 
1923年、アイルランドの離島、
対岸では内戦のさなかで
時折砲弾の音も聞こえるが
ここイニシェリン島はのどかだ
 
午後の2時になれば
男たちはパブに集まる
今日もパードリックは
親友のコルムを誘いにいく
 
ところが家にいるのに
コルムは知らん顔、
出てくる気配もない
 
仕方なく先に行くよと
パブに向かったパードリックだが
なにかで怒らせたかと気が気ではない
 
遅れてきたコルムに尋ねるが
彼はただ、
お前が嫌になった、
と突き放す
 
釈然としないまま日を過ごし、
また気を取り直して歩み寄るが
コルムの態度は変わらない
 
どころか、
しつこく絡むと
自分の指を切り落とす、
と脅して口をつぐむ
 
コルムはバイオリン弾きでもあり、
自分で作曲もしているのだから
指を切り落とすという勢いに
周囲もパードリックも
コルムの本気度を知る
 
それでも諦めきれない
パードリックだが
果たして解決はみられるのか…
 
観ようによっては、
これはサスペンスでもあり、
実際ホラーではないかとも思う
いや、最近ホラーと言われて
観たものの、そうでもないじゃん、
ってのに比べたら、
はるかにホラーなんだよ、マジで
 
これ以降、
ちょっとネタバレ近くまで行くと思う、
ので要注意でよろしくなんだけど
 
コルムの主張は割と早くにわかる、
ただただ彼には、
パードリックがつまらない、
退屈な男と付き合うヒマはない、
ってことなんだ
 
で、言われた方は冗談じゃない、
俺はそんなにつまらない男なのか、
くよくよと落ち込むと
兄と違って聡明な妹が、
そんなことないわ、
兄さんはいい人よ、
と慰める
 
いい人だよな、
そうありたいと願っていたし…
 
しかし一方のコルムもいい人で、
パードリックが怪我をすれば
諍いは置いといて助けおこす
 
どちらも悪人ではないのに、
が、堪忍袋、ってのがあるとしたら
その限界を繊細に扱った作品とも言える
 
コルムの言うところの、
退屈な人間とは付き合いきれない、
ってのは、冷たいようでもあるが
実はすごくわかるんだな
 
かれこれ20年も前か、
小さな事務所での仕事をしてた際、
一回りくらい上の女性と知り合った
その人がとんでもなくミーハーで、
いい人なんだけど、つまんない…
よく誘われて食事に行ったりもしたし、
長女のバイオリンの発表会に
来てくれたこともあったほど
 
なのに申し訳ないけれど、
その人の話に何も興味が持てない、
っていうのは人生初の経験だった
 
仕事はとうに変わっていたし
引っ越しや離婚を機に、
メールに返事もせず
連絡をやめてしまって
失礼なことをしたとは思うけれど、
他にどうすればよかったかもわからない
 
そうした経験から言えば、
コルムの気持ちはよくわかる
それが小さな島でのことなら
なおのこと難しい話だろう
 
だとすると、
パードリックの悲劇は一体??
善良で悪気のない彼は
どうすれば良いのか、
退屈な人間に罪はあるのか
 
いやぁ、深い話であって、
それぞれの行動が怖い
やっぱこれ、ホラーだからね、
心して観た方がいい
 
もちろん、
さらりと観てしまえば、
それはそれで成り立つ作品だけど、
ホラー映画と思って観れば
また格別かもよ????
 
で、血圧はちゃんとしっかり
下がっていたのでありましたとさ
 
 

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