花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ミストといえば

2024年04月26日 | 環境システム科
水耕温室でミスト栽培に取り組んでいるFLORA HUNTERS。
この日も手分けしながら生育調査を行っています。
植物をミストで栽培するという発想は以前からありました。
個人で遊んでいる人もいます。しかし実用化はされていません。
そのため施設園芸や温室で「ミスト」と検索すると
出てくる装置は、右側のような扇風機。
もちろん風を送るものですが、ファンの先に
自動車のウォッシャーノズルのようなものが付いていて
そこから細かい霧であるミストを出す装置なのです。
風に乗ったミストは温室内に拡散して蒸発。
つまり施設栽培でミストというと、気化熱を利用して
温室の気温を下げるために使われるものばかりなのです。
したがってFLORAメンバーが、手分けしていろいろ検索しても
なかなか欲しい情報に辿りつきません。
ありそうでなさそうなミスト栽培です。
さて今日は地元TV局による野菜班とFLORAの取材があります。
先日のTBSに続き2度目のTV取材。連休前のもうひと頑張りです。
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いったい何か起きていたのだろう

2024年04月26日 | 学校
ご存知、クリスマスローズです。
先日まで職員室前の細長い「望岳の庭」で
きれいに咲いていましたが、今は色が少しあせてきました。
それでも縁起物といわれるように花びらが落ちることはありません。
なぜなら花弁のように見えている部分は、実は「ガク片」。
色こそあせてきますが、決して散ることはないのです。
さてFLORAがこの花の栽培に取り組んだのは2009年。
理由は園芸科学科草花班であったのが理由ですが
それ以上に当時の日本はクリスマスローズの大ブームだったからです。
播種から開花するまで約3年。
コチョウラン並みに月日がかかるので、ひと鉢の価格は数千円。
珍しい花などは数万円で販売され、それでも皆さん買われていました。
そこでFLORAは種子から育て、ひと鉢500円で名農祭で販売。
地域の皆さんが喜んで求められ、FLORAはその売り上げで
研究材料を購入していたものです。
しかし環境システム科に移籍する頃にはブームは終焉しました。
その昔、江戸でもサクラソウやアサガオなどが大ブームになり
庶民が珍しい花を競い合ったといいますが
今考えるとこのクリスマスローズも同じ。
クリスマスローズというきれいなネーミングが
ヒットした理由のひとつといいますが、平成の時代、人々の中で
いったい何が起きたのでしょう。花はトレンドに左右されるもの。
嵐のように訪れ、去っていきます。
それだけに草花農家や育種家には一歩先の時代を見通す力が必要です。
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力を借りたい

2024年04月25日 | 研究
Mac Airのキーボードの上にあるのはガス収集器。
この先にガラス製の検知管を取り付けて、
酸素や二酸化炭素などの濃度を測定する装置です。
TEAM FLORA PHOTONICSが結成された2009年、
同時に白いリンゴ研究に着手したApple girlsが
袋の中の二酸化炭素濃度を測定しようと使って以来、
今までずっと倉庫で眠っていました。
なぜなら測定は検知管の変色。数値は読めるのですが
基本アナログなので、正式なデータが取れません。
そんな理由から、しばらく使っていませんでした。
今回、ミスト栽培チームは容器内の酸素濃度を測定したかったのですが
酸素濃度測定器は二酸化炭素の測定器に比べとても高価なもの。
1回だけの測定に何万円も出せないので困っていたところ
昔、この装置を使ったことを思い出し、引っ張り出したというわけです。
旧友に会えるのはとても嬉しく懐かしいのもの。
またFLORAに力を貸してください。
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あれから50年

2024年04月25日 | 学校
春なのに紅葉。
校舎から第3農場に続く名農名物「もみじのトンネル」です。
今年は名農創立80周年。傘寿という節目の都になります。
そのため5月に記念植樹、11月には式典が開かれる予定です。
さて、ご存知の通り、名農はかつて前川原農場、
つまり第1農場に建っていました。
度重なる水害を避けるため、現在の高台に移転したのは昭和47年。
ところが移転当時は造成したばかりで校地には緑がなく
砂埃が舞い、周辺の方々にもご迷惑をかけていたといいます。
その対策として始めた緑化活動。そのおかげで
現在は森の中に建つ美しい学校になったのです。
計算してみると移転してから50年以上。
この美しいもみじのトンネルも50年経っているのかもしれません。
毎年見る景色ですが、春の新緑のイメージを覆す
鮮やかな色合いにはいつもびっくりします。
実は第1農場には同じ樹種の大木があります。
このトンネルは大先輩方のいたずら心ある樹木のチョイスかもしれませんが
本校舎の思い出として移植したものかもしれません。
理由はよくわかりませんが、今も後輩たちを楽しませています。
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Water-cooled cultivation

2024年04月24日 | 研究
さあ3年生が取り組む水冷水耕栽培がいよいよ始まりました。
簡単にいうと底を切ったペットボトルを逆さに設置し、水中で栽培するシステム。
暑い日に胸までプールに入っているような栽培法です。
これはプールにエアレーションを取り付け、水をゆっくり動かす区。
この他に観賞魚用のクーラーを取り付けて、直接冷やす方法も試し、
普通の養液栽培とどのように生育やエネルギーを調べています。
水は空気の800倍も熱を蓄える力があります。
つまり少々の熱を吸収しても温度が上がりにくいのです。
名農にはいろいろなガラス温室があります。
寒い北国でも栽培できるので重宝してきましたが、今は逆。
クーラーなど冷やす装置がないので、夏場は40℃超え。
暑いのが大好きなトマトでも40℃が限界です。
そのため学校設定科目「起業チャレンジ」などは
危険なこともあり、夏の栽培を休止。
夏休みが終わるまで空き家にしています。
もちろんFLORAが本拠地にしているこの馴化温室も同じ。
だからこそ水で乗り切ろうというアイデアが生まれました。
でも生育するための養液はどうなっているのでしょう。
次回またご紹介します。
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