山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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アメーバブログにて超短編小説を発表しています。
「目次(超短編)」から全作品を読んでいただけます。
短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

自作の超短編小説を公開しております。
目次です。※作品数が増えてきたので十作ずつに分けました。
  ↓
目次(超短編小説)

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 男と女が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。

 「時々、疑問に思うのだけど、どうして君はよく旅行に行きたくなるの?僕はどこか遠くに行きたいという欲求をほとんど感じないのだけど」

 「職場と自宅の往復しかしていない毎日を送っていると世界が狭いと感じてくるのよ。別に、今の生活に不満を持っているわけではないわよ。むしろ、このような毎日がずっと続いてくれたら嬉しいと私はいつも思っているわ。でも、それが永遠に続くわけではないでしょう?だから、この日常の外側にも世界があると確認しておきたくなるのよ」

 「そうか。でも、君が旅行で出掛ける場所なんて日常とあまり変わらないような場所ばかりだろう?」

 「ええ、そうね。私は私達の平穏な日常生活の外側にある世界は誰かの幸せな平穏な生活であると確認したいと思っているのよ。だから、危険な紛争地帯や無人の荒野なんかには絶対に行きたくないわ。実際は今日も世界のどこかで誰かが互いに殺し合っているのでしょうけど、今の日常がいつか終わるとしても私は悲惨な状況に追い込まれたくないのよ」