日本には季節や行事などを表す
美しい言葉がたくさんありますね。
茶杓の銘などに使いたい言葉を
ご紹介します。
今後も少しづつ更新していきます。
旧暦五月の異名:皐月
早苗を植える月の意味
★夏近し(なつちかし)
★夏隣(なつとなり)
上の二つは、もうすぐ春の終わりの頃、
空の色や、強くなってきた陽ざし
風の匂いに夏が近いことを感じる頃
★夏来る(なつきたる)
★夏は来ぬ(なつはきぬ)
夏がきた、の意
立夏
★夏兆す(なつきざす)
★夏めく(なつめく)
夏らしくなること
★八十八夜(はちじゅうはちや)
立春から数えて88日目を八十八夜という
農作業の種まきや田植えの準備、
茶摘みをする基準にしていた
夏の準備をはじめる目安
【地理・天文】
★薫風(くんぷう)
★風薫る(かぜかおる)
青葉が茂った木々の間を
吹き抜けていく
さわやかな初夏の風
★青嵐(あおあらし/せいらん)
青葉の頃に吹くやや強い風
葉を揺らす音が聞こえてきそうです
★麦嵐(むぎあらし)
麦は初夏に収穫を迎えますが
その頃に吹く爽やかな風
青々とした麦が風に揺れている様子は
気持ちよさそうですね
★颯々(さつさつ)
風が吹く音。風が吹く様子をいう
★青葉雨(あおばあめ)
初夏に降る雨のこと。
この雨が新緑をよりつややかに見せる様子
★卯波・卯浪(うなみ)
初夏、卯の花が咲くころに海に立つ波
この季節は波が立ちやすいそうです
【行事・生活】
★鯉幟(こいのぼり)
★五月鯉(さつきごい)
五月五日の端午の節句に
男の子の健康と出世を願って立てるもの
★菖蒲の節会(あやめのせちえ)
端午の節会の異称
★矢車
矢羽根を放射状につけ
風を受けてクルクルと回るもの
鯉のぼりの竿の先につけられている
★吹流し
風を受けてはためく筒状の布
風の強さや向きを確認するもの
鯉のぼりの一番上につけている
★菖蒲太刀(しょうぶだち)
菖蒲の葉を束ねて作った刀が原型で
後に男子の初節句に飾る刀
★菖蒲鬘(あやめのかずら)
邪気をはらうとされる菖蒲で作った飾りを
髪につけること
★軒菖蒲(のきしょうぶ)
菖蒲の葉と蓬(よもぎ)を軒に飾ること
邪気を払うと力があるとされている
★薬玉(くすだま)
蓬や菖蒲などで球型を作り
中に香りの良い
じゃ香や沈香など香料を入れたもの
五色の紐を垂れ下げ
御簾や壁に掛けて邪気払いの飾り
★競馬(くらべうま)
平安時代に宮中で行われた馬の競走
端午の節会に宮中武徳殿で
行われたのが最初だそうです
以後は春日、賀茂など
神社の祭儀として引継がれている
★流鏑馬(やぶさめ)
疾走する馬上から
的に鏑矢(かぶらや)を射る武術・神事
★武者揃え(むしゃそろえ)
軍勢が揃うこと
勢ぞろい
★三社祭
浅草神社の祭礼
★初鰹(はうがつお)
初夏の味覚
初夏にかけ、太平洋岸を北上するかつお
【動植物】
★若葉(わかば)
★青葉(あおば)
★青楓(あおかえで)
★萌木(もえぎ)
若芽の萌え出した木
★草笛(くさぶえ)
草の葉っぱや木の葉などを
口にあてて鳴らすもの
夏の季語
★藤波(ふじなみ)
藤の花房が風に揺れる様子を
波に見立てた
★卯の花垣(うのはながき)
卯の花の垣根という意味
卯の花は初夏に咲く、
空木(うつぎ)の白い小花のこと
夏の到来をつける花とされる
垣根によく植えられていた
★富貴草(ふうきぐさ)
★深見草(ふかみそう)
牡丹の異名
★初杜鵑(はつほととぎす)
今年はじめての杜鵑の鳴き声
初夏を告げるとして
鳴き声を待ち焦がれ愛でられた
昔はその初音を一早く聞こうとして
今か今かと待ちわびて
夜明かししたという
和歌も多く詠まれている
★山時鳥(やまほととぎす)
ほととぎすの別称
山から聞こえるホトトギスの声
参考)
目には青葉 山時鳥 初松魚(はつがつお)
山口素堂の俳句
初夏に江戸の人々が最も好んだもの
★一声(いっせい)
夏を告げるホトトギスの第一声
静寂のなかに鳥の一声が聞こえると
より静寂が広がりますね
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