misty green and blue

Life is like an onion...

EVANGELION

2021-07-04 | cinema

庵野秀明
私が彼の名を知ったのは、たまたま目にしたNHKドキュメンタリー『プロフェッショナル 仕事の流儀』がきっかけだった
2017年から4年間に亘り、リメイク作品『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』― 全4部作の第4作 (完結編)『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の制作現場の様子が伝えられ、痛々しいほど真摯に制作に没頭する庵野が印象的だった

幼少時よりアニメや特撮に夢中、とりわけ『宇宙戦艦ヤマト』『ウルトラマン』『機動戦士ガンダム』からの影響が大きく、細部にこだわったメカ造型や大胆な映像演出が得意
その突出した描写力を買われ、劇場アニメ『風の谷のナウシカ』では巨神兵の原画担当に抜擢、2006年5月にはアニメ制作会社・株式会社カラーを設立
1995年には庵野の代表作となるアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を放送、大ヒットし、数多の賞を受賞

『新世紀エヴァンゲリオン』は未見だが、庵野に感銘を受けた私は映画館で完結編を是非観たいと思った


親の愛を知らずに育ち、周囲に振り回されることを拒み、勉学と音楽に没頭する日々を送っていたゲンドウは、ある日ユイと出会った
自身を受け入れてくれた彼女に強く依存、彼女との間にシンジを授かるも関わらないことが贖罪と信じて別離を選択、失った彼女と再会することに執着、その目的を果たすべく画策したのが虚構と現実とが渾然となる架空の理想世界「EVA」の遂行・実現にあった
一方、幼少時に母親を亡くし、家族の絆や愛情に飢え、自分の存在価値・居場所を求め続けていたナイーヴかつ内向的な少年・シンジは、捨てられた父親に反発し苦手とするも勇気を振り絞り、父親と‘相見える時’を決意した
他者を気遣うほどに成長したシンジの中にユイの姿を見い出したゲンドウは、自身の誤りに気付き、やがて彼の計画も頓挫する


すれ違い親子の対話、そして和解 ―
それが、この作品のテーマだと思った (6/29)


神と人間
アダムとイヴ (エヴァ)
13 (忌み数)と使徒
聖書をモチーフとしつつも、完全であることをむしろ望んでいない結末

カセットテーププレイヤー
素朴な駅舎
長閑な田園風景
ふと心が和む、どこか懐かしい昭和の色濃い情景 ―


『ヱヴァンゲリヲン』
それは、庵野秀明の理想でもあったのだろう

  
  
  完全なものは好きになれない
  自分にとっては何かが壊れ、欠けていることが普通

  庵野秀明


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