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  陶磁火道具 赤膚焼(1)
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赤膚焼は現在、奈良県奈良市から大和郡山市に窯場が点在するのですが、その歴史は桃山時代にまで遡り、当時大和郡山城主だった豊臣秀長五条村赤膚山に開窯させたとされています。
江戸時代後期には当時の藩主柳沢保光の保護のもとに奥田木白小堀政一等を擁して栄えたようですが、徐々に衰退して、現在は奈良県の伝統工芸に指定された奈良市に4窯、大和郡山市に2窯が製作販売しているとの事です。
私の所蔵作品はごく僅かで、今回は身元のはっきりしてい作品3点を紹介します。

 [黒釉紙裾 短冊透瓶掛 ( C228×H200mm ) ]

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短冊の透を刻み、黒釉薬で仕上げ裾に飾和紙を巻いた黒釉紙裾短冊透瓶掛です、「赤膚山」の銘のみなので古瀬堯三窯の作品でしょう、意匠は京焼に多く見られるものです、昭和時代初期とされています。

 [ 赤膚土浮文平鉢瓶掛 (  C338×H132mm ) ]
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赤膚焼の本来の色である赤味を帯びた土の上に乳白色の釉薬を掛け、一部に生地の色で文様とした赤膚土浮文平鉢瓶掛です、「赤膚焼」と「楽南」の刻銘が入っています、年代は昭和時代初期とされています。

 [ 白釉土編透火屋手焙 (  C221×H198mm ) ]
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「信貴 (しぎ) の文字と紋は、谷酒造が醸造していた清酒の銘柄だと思われる白釉土編透火屋手焙です、松永久秀が山城を築いたことで知られている、信貴山に因んだ銘柄だと思われますが、作品は「赤膚楽斉」の銘から尾西楽斉の秀作で酒蔵の贈答品とは思えません、年代は昭和時代中期とされています。