JBPressによれば、ウクライナを穀物輸出大国にしたのは実は中国だという。2012年頃から中国がウクライナで農業開発プロジェクトを始めるために30億ドルを融資し、肥料工場の建設などに着手。

2年後の2014年にはウクライナ産トウモロコシの輸入が増え、それまでの米国産トウモロコシの輸入量を抜いた。2021年時点では米中関係緩和の件も踏まえて7割を米国産に切り替えたが、それでも2位はウクライナで30%弱となる。

つまり中国の食糧事情は米国とウクライナに100%左右されると言える。

その意味でロシアのウクライナ侵攻が長期化したことは、中国にとって誤算だったと言える。中国としてはロシアの傀儡政権が早期に樹立されて、政権もトウモロコシの輸出も安定化することが理想だった。

結果中国が何十億ドルもかけて整備した穀物庫はロシア軍によって荒らされ、輸出の権限もロシアが握ることになった。中国の生殺与奪権をロシアが奪ったようなものだ。

JBPressの筆者はこの件を理由に「習近平主席のキーウ電撃訪問もあり得る。そうすれば岸田首相の面子は丸潰れ」とよく分からない結び方をしているが、どう考えても面子を潰されたのは習近平主席の方だしキーウ訪問があるなら独裁者プトラーの面子を潰すことになる。

コメント欄では「停戦したくてジリジリしてるのはプーチンの方」「中国はロシアとの首脳会談で何も得られなかった。ロシア寄りの姿勢だけが目立った。ウクライナからも前向きな回答は得られないはず」「中国がもし仲介をしてくれるなら、日本にとってはむしろありがたい」と記事の論調に関する疑問の声で埋まった。精緻な分析を実施しても、それにより導き出される結論のピントがずれていると全て台無しになる。(黒井)

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