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美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

『野口謙蔵 生誕120年展』 滋賀県立美術館

2022-02-11 | 展覧会

久しぶりに、ブログをアップします。長らく更新しない中、ご覧いただいた皆様には心より感謝いたします!今後は、note にアップしていこうと思います。当ブログの記事も編集して掲載いたしますので、そちらもぜひ、よろしくお願いいたします!

野口謙蔵をご存じですか?

明治末から昭和にかけて活躍した洋画家で、滋賀県蒲生の地で、終生近江の風景を描きました。私がこの画家の作品に出会ったのは滋賀県立近代美術館(現:滋賀県立美術館)のコレクション展。時折り1〜2点展示されていたのですが、洋画というには、とても不思議な画風で、ハッと惹きつけられたものです。

その野口謙蔵さんの作品を、滋賀県立美術館の所蔵品を中心に、一堂に観ることのできる展覧会が、現在開催されています。待ち望んでいた展覧会です!

野口謙蔵生誕120年展 - 滋賀県立美術館

野口謙蔵さんは、滋賀県蒲生郡(現:東近江市)に生まれました。商家の文化的気風の中で育った謙蔵さんは画家を志し、東京美術学校西洋画科に進学します。卒業後は、海外を志向することもなく、すぐに郷里に戻り制作に取り組みました。帝展に入選するなどした初期の大作は、空の青さが印象的な明るさに満ちた作品です。構図や人物もしっかり骨太に描かれ、田舎の牧歌的な雰囲気が感じられます。

それから次第に独特の世界を作り上げていくようになります。風景全面がピンクに染まっていたり、家の柱が歪んでいたり、草木が緑を乱舞させながら、のたくっていたり…。

画家の眼に映った近江の風景が、画家の身体を通りぬけると、こんな表現になるんだ…!と思うと不思議でなりません。色彩の曇りのない美しさには目を奪われ、表現には心を掴まれる、そんな絵画なのです。

私の一番のお気に入りの《ヒヨドリ》という作品は、とってもかわいくて生命感にあふれているんだけど、ハガキにもなっていなくて残念。過去の美術館のブログに掲載されているので、ぜひご覧ください!

常設展示「滋賀の洋画」の見どころ紹介(2)

今回、29点の絵画を一堂に観ることができたのは、とても貴重で嬉しかったのですが、これだけしかないと思うと寂しいな〜。

43才で早逝されたのと、学校時代の作品はすべて自ら廃棄したとのことで、現存する作品は少ないようです。でも、いただいた略年譜を見ていると、もう少しいろいろな作品もあるようなので、ぜひ、機会があれば、もっと大規模な展覧会を開催し、他地域にも巡回して、野口謙蔵さんの作品の魅力を、多くの方に知ってもらいたいです!

展覧会は、2月20日(日)まで。

また、滋賀県立美術館では、ただいま、企画展『人間の才能 生みだすことと生きること』を開催中。こちらは3月27日(日)まで。

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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶり! (アンクル)
2022-02-12 12:25:40
待ってましたよ。
当方もブログは滞りがちで、もっぱらフェイスブック
です・・・
Unknown (art-around)
2022-02-12 22:30:36
お元気ですか?コメントありがとうございます!コロナ、大変ですね…。映画もほとんど見に行けてません。また美味しいもの、食べに行きたいですねー。

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