ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の話他、幕末〜明治維新の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮などの話も。

新刊「山鹿口・地獄峠・不完全攻略法」

2024年04月25日 | お知らせ
5/12(関西コミティア)合わせ新刊が進んでいます。

タイトルは「山鹿口・地獄峠・不完全攻略法」
ギャグ4コマとエッセイの歴史旅行記、
「雲よ、伝へて!」のキャラが多数登場の副読本です。

本編では描けなかった村田三介さんもご紹介。
内容は入稿してからまた!


それと、梓書院さんの方で
昭和版画の吉田博を描かせてもらいました。
こちらもまた後ほど。

(八っちゃんが担当さんにウケたw)

とりあえず今原稿に集中しています;

5月26日は大阪のコミックシティにも出る予定です。
東京は8月のコミティアには参加予定です。
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山鹿口の西南戦争錦絵の謎

2024年04月10日 | 文学・歴史・美術および書評
山鹿市立博物館に行ってきまして
ここには山鹿口の戦の錦絵が展示してあります。

なぜかNDLの方でも山鹿口のは全てを公開していないのです。
山鹿で展示されていた分で、NDLから
こちらの画像のみをお借りします


賊兵激戦の図、というこちら
メインで描かれているのは薩摩軍
畳のバリアで官軍を防いでいるようです。

画工は山崎年信。
月岡芳年の弟子です。

しかし、左隅の画工名には「山嵜徳三郎」とありまして。
なぜ年信の名前を使わなかったのか?

山崎年信は後に高知の「土陽新聞」に描いたりしているので
思想としては民権派なのだと思います。
師匠芳年の下をある事件がきっかけになって出奔したようですが
詳細は不明です。


もう1枚の絵はNDLに無いんで…
(これどこに問い合わせたら公開できるのか?なんですが)
安達吟光という画家の絵でした。
吟光は結構有名でして
風刺パロディ漫画も得意。それで逮捕されています。

錦絵絵師の生活は今と変わることなく
とにかく売れ筋は何でも描かないと生活できない。錦絵1枚の値段はかけそば1杯よりは安いのが普通でした。
指定通りで工賃低い(日本の伝統芸だわ)
だからか、サブカル絵師達はいわゆる「画家」と違い割となんでも描いてます。

安達さんの方も、安達平七の名前です。
そして、安達吟光も
宮武外骨と組むくらいですから、民権派です。

漫画(錦絵)と山鹿と明治デモクラシー。
繋がっててちょっと嬉しいかも?


当時、新聞記事は明治政府の検閲で本名で出すこと
とされていたので
錦絵というよりは報道、新聞の扱いだったのでしょう。

ところでその内容はというと
やっぱり報道としてはあまりに「歴史創作」が入っています。
見て描いてないし、フィクションですけど
多くの庶民が信じてしまったらヤバいと思わせるほどのリアリティ
って事ですよね。

こういった錦絵は
鳥獣戯画のように「漫画」のルーツでなくて
「コミック」のルーツと言っていいかも。
大変興味深いです。
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5/26 コミックシティ大阪に出展します

2024年04月09日 | お知らせ
5月26日の予定、被るんではと思ってましたが
どうも同人業界は申し込みや連絡が早いようで…
もう待ってられない、そっちはどうにかなるってことで
コミックシティ大阪、申し込みました。

今やるべき事がちょっと多くてグルグルしてます;
と、とりあえず元気でいたい…

夏の東京のコミティアには出たいです。

ところで同人誌業界の値上がり事情。
昔、ゲームジャンルで出ていた時は
まだ地方開催の「オンリー」が多くて
これの参加費は3500円くらいでした。
SNSがなかった時代です。

その当時のコミックシティ参加費が5500円だったかな
今は1000円上がって6500円
コミティアもそのくらいですか。

時代は変わって、今は電子書籍もSNSも
通販書店も充実してきましたが(中抜くけど)
一方で、紙媒体だけの活動は非常にお金がかかるものになりました。
同人誌を作るのに「まずパソコンと良い液晶タブレットを買う」から始まるなんて
私が同人誌始めた頃は、計算用紙に落書きでトンボ入れて「便箋作ったー」
なんて世界でしたからな…
今や便箋/郵便も使わない時代。
(でも便箋作るのなんか楽しかったですね!あれ)

本のサイズも昔はB5が主流で、今はA5なのですね。

交通費宿泊費と印刷代その他
オリジナル同人誌なんてのは、なかなか時間と費用がかかる悪趣味ですが
自由にやれるのでホント、ぼちぼちです。
同人誌はマイペースで行かないと闇落ちします。


印刷出さなくても自家製コピー本でもフリーペーパーでもいいし
その昔は自宅にレーザープリンターなんて無かった…
ポスター印刷なんかバカ高かった…

と思うと、気楽になった点もたくさんあります。

あと、開催予定の
こちらもやっていかねばです!

よろしくお願いします。

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佐賀城本丸歴史館の「江藤新平展」

2024年04月06日 | 文学・歴史・美術および書評
念願の「佐賀」に行ってきました!
 (ここのブログ、今週スマホから画像投稿ができなくなってたんですよ)

法事のついでに行ってすまん父。
父も歴史好きだったからOKだろう。


熊本から佐賀って「隣県」とか舐めちゃいかんです。
よく考えたら、自分が九州で行ってない唯一の県が佐賀でした。
本当に…遠い。広いんだ九州大陸;
しかも電車本数無いので…結局時短の為に新幹線に乗ってしまいました。
(JRの作戦勝ちだ)

来ちゃった佐賀城。



お目当ては江藤新平展

いきなりボランティアガイドの人が現れ
「江藤新平見てたら城の説明終わらんから飛ばしましょう」
と言われ
「いえ、私江藤新平だけのために来たんで!」
と言ってお断りしたら「そんな人もおる」
って言われました。
あかんのかい!


江藤さんは推しの推しです。

熊本協同隊隊長の平川惟一の推し。
彼は佐賀の乱に参加しようとしたらもう終わってた
というので引き返すんですが。
処刑後も「江藤さんを殺すことはなかった」と言ってたという。

その平川、熊本時習館から佐賀の弘道館に
藩費で「留学」しています。

佐賀の弘道館というのは厳しくて有名で
テストで落第すると
家禄を減らされます。

死活問題です。ていうか
「この家はお前にかかってる」とか言われるんだぞ
死ぬ気で勉強するよ…


江藤新平もまた、地元の争いを止めようとして
説得しに戻ったんですね。
火に油だからやめろと大隈さんも板垣さんも止めた。

江藤新平が士族を率いて反乱を起こしたわけじゃない。
なら教科書で習ったのは何だったのやら;
しかし、平川の言動とか追ってるうちに
江藤新平も普通に覚えられているような「賊徒」や
危ない革命の首謀者ではないんだなと。

明治のシステムの基盤を作ったマルチな秀才
貧しい中、苦労して弘道館で学び
西洋の文化をいち早く取り入れていた鍋島閑叟に見出された人
そんな人が単なる「賊徒」なわけなかろうが!
いや、なかった、本当。

月曜日しか日程取れなくて
大隈重信とか佐野常民とか記念館、開いてなかった!
けど佐賀城本丸歴史館、開けてくれててありがとうございます!
入場無料…だった。あり得ない。あり得ない展示の良さ
太っ腹すぎる。


駅前に銅像あって
佐野の隣にちょっとだけ座っちゃいました。

佐賀は何も無いとかじゃなくて
「消された」んでしょうね…


それと古賀忠雄先生の彫刻もしっかり撮影。
ちゃんと取材してきたゾ!


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私、青木繁を描くことになりそう!!

2024年04月02日 | お知らせ
青木繁は以前ここのブログでもやりまして

わざわざ見に行くくらいにはファンでして;

梓書院さんで、こちらも大好きな昭和版画の吉田博を描くので
「久留米といえば青木繁」と話をしたら
「まだ他の方描かれてませんのでどうですか」ということで

わあああ、どうしよう!私ついに繁を!!描くのか?!いいのか?
まじか〜〜緊張してきた…

ほんと描きたいのが多くて;

山鹿と佐賀に行った分とか
「雲よ、伝へて!」の最終話もだし

とにかく頑張ろう;
精一杯やろうと思います。
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山鹿と佐賀に行ってました

2024年04月02日 | 文学・歴史・美術および書評
父の一周忌法要でした。
実家の墓所が熊本地震でやられた後放置、しかも中は満杯だったので
南阿蘇のお寺さんで合同墓地やってる所に新しくお願いしました。

南阿蘇遠かったですが

なんと
佐川官兵衛の没地のすぐ近くという
偶然。
車で遠っただけだけど。


法事前日30日に熊本入りして
友人と熊本協同隊の山鹿方面、吉次峠〜横平山、七本あたりをつぶさに周りました。

これは次回シリーズと別に
「続・田原坂不完全攻略法」でまとめる予定です。
でもまだまだ不完全なんですよ。あはは。

佐賀で江藤新平展やってたので、延泊して行ってきました。

フランスの法に学んだ江藤新平
福澤諭吉は英国寄りで儒教を捨てる案だったんですが
佐賀は逆に儒教のモラルをベースに
人権民権の法に動くあたり興味深いです。
普仏戦争とパリ・コミューンがあったから当時は避けられたと思いますが
令和の今、江藤新平の再評価と共に
考えられてもいいかもしれません。

自分的には
昨年末に体調崩してから落ち込む事ありましたが

ずっと行きたかった平川惟一の没地にも行けて
篠原国幹の桜も満開で見れて

思い残す事がない
どころか、思い残したい事ばかり…

とりあえず目先の案件やんないとですが
すっかり元気出ました。

新刊頑張ります!


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「マンガ 九州偉人・文化ものがたり」を描かせてもらってます

2024年03月19日 | 文学・歴史・美術および書評
福岡の梓書院さんの方でやっておられる
「マンガ九州偉人・文化ものがたり」というのを描かせてもらってまして

佐賀県には「石井」と「古賀」は多い…
今月はまた古賀。「古賀逸策」です;


古賀逸策は
「水晶振動子」R1カットR2カットというのを発明した人
と、言われてもなんか馴染み薄いっすよね…

うち弟が東京工業大学卒で、古賀逸策も東京工業大学の人らしいんですが
私はこういうのサッパリわからないのでw
そこでバカでもわかる電気の本みたいな(小学生向けではないのか)
のも借りて、ちょっと勉強しておりました。

あはは;


公開はだいぶ先になるということですが。
新たなリストもいただきました。
(うわ、推しがいるどうしよう)
「私が描いて良いものか」とかなっちゃいますが
それ新選組の案件の時も言ってたから
ええいままよ、って感じです。

これと別に
生物化学の方で免疫細胞とかのを描いたりしてます。


絵柄の落差が激しい…
科学な春なのでした。



そして
今日は田原坂陥落の日。

新刊に向けても準備しています。
なんか最近、同人誌なのに
いつも「締切、イベント合わせ」をやってしまい
あまり自分ではよくないな!と思ってます。
マイペースで満足いくようにやりたいのですが。
やんなきゃだわさ



そうそう
ここのところ訃報が続いて
いのまたむつみ先生まで亡くなられてしまい
ファンには辛いです!!
ご冥福をお祈りしてばかりだなあ…


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宮崎八郎の漫画の手直し

2024年03月11日 | お知らせ
描くかもでなくて
宮崎八郎の分
もう冒頭2p送ってしまいました。

基本的に雲よ、伝へて!「其の三」の
浪子の回想を再編集な感じです(伝は出てこないからね)
あああもう!どうしても熊本協同隊を全国に知らしめたい!
(愛だった)

というわけで
本編シリーズ最終回の方も進んでます。
集中したいのと一泊できそうにないので
5/26はコミティアでなくて、大阪のシティに出る予定です!!
(手書きで何か持っていきたいです)


さて…
鳥山明先生が亡くなってしまい
いやもう
ずっとドラクエやってきたし、ショックでした。
少年ジャンプの漫画セミナーでいただいた
複製原画まだ持ってますもんね。



神の1人と思っています。
ご冥福をお祈りしました。
直後TARAKOさんも亡くなってびっくり…

でもですよ
アカデミー賞を日本のアニメと特撮が取ったりして
サブカルチャー、「サブ」では無くなりましたね。
第9芸術なので
堂々と研究してもいい。
もちろん描いても叱られない。

良。

私が小学校のときは担任が
「漫画を読むやつはバカだが、描くやつはバカどころか犯罪者」
みたいに言って、全員が私に注視したことありました。

高校の時も、漫研はずっと部活を認めてもらえず
図書館で描いてたら割と歳いった先生が激怒したことあって
「どうして漫画を描いたらダメなんだろう」
「どうして漫画を描くのは犯罪だと言われるんだ」
と不思議でした。

それこそ、あまり居心地のいい家庭ではなかったせいか
漫画を描くと「なんだか体の調子が良くなる」
と思っていたので…(ストレスを発散してたんだな)^^;

とにかく、漫画を読んでも描いても誰にも怒られない!
最近の人にはわからないだろうなあ、これ。
アニメもな…。宮崎勤事件の時はオタクは叩かれまくった。
私はもうアニパロで描いてたんですが
読者さんから鉛筆書きで手紙が来て
「母にアニパロコミックスを奪われ、買うのを止められました」
とか。

「やっと息できる時代になったぜ!」ですわ。
ゲームもそうなってくれ。なった?


まあ世の中、上手い人も天才もわんさかいるので
比較したらヤバいんですけど
でも好きな人が多いのは、嫌いな人や許さない人が多いのより
数万倍素晴らしいんですよ!
これが「平和」ってことですよ!!


そんな文化を培って下さった先輩方、感謝します。
そして
今まだ現役の
漫画家、アニメーター、声優さん、ゲーム製作者さん、同人誌作家さんその他

どうかお身体だけは大事に。

私も腰痛を治すよ!
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宮崎八郎の物語特別版を描くかもです

2024年03月06日 | お知らせ
熊本協同隊、民権党。

熊本荒尾の出身にして、革命家宮崎滔天の実兄
ルソーに傾倒し、西南戦争では中江兆民がその参戦を止めに来た
というエピソードがある、
「評論新聞」ジャーナリスト宮崎八郎。

その最期は、八代。
懐に入れた「民約論(社会契約論)」を薩摩の辺見十郎太に渡し
薩摩軍を逃す為に官軍を食い止め、戦死という
「少年ジャンプ」の定番ばりの活躍を見せた男。

「西郷と共に死のう」という、常に死に場所を求める
薩摩軍とは趣が違っていて
「とりあえず西郷に勝たせといて、後で政権を奪えばいい」とか言ってたので
嫌う人からは嫌われるのでは?と思いますが

民権党の連中は諸隊解散の8月お盆まで
死より生を選ぶという、当時のサムライとしては
やっぱりちょっと変わってて、今時感すらあります。

そんな彼らが好きで
隊長の平川惟一を主人公にした
「三月の銀の藪椿」という小説も書きましたが

宮崎八郎できちんと伝記モノを描きたいなあと
現在、案件として話が進んでいます。
きちんと全部描くのかは、とりあえずは
今のシリーズ終わってからになると思いますが。

他も、「雲よ、伝へて!」が田原坂までなので
出てない人いっぱいいますよね;
其の九に詰め込むのは、木堂さんや福地さんの話もあるので
キャパオーバーですので
またいずれ別で出したいです!

描きたいものがいっぱいだ…
それにしても
歴史楽しいなあ!

「田原坂46」のサイトの方も
活動5年目なので、キャラクター表をちょっとずつ更新したり
追加したりしていきます。

より面白く!なるよう努めてまいりますので
どうかよろしく^^


(画像は八郎でなくウチの平川隊長)

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人斬りの条件

2024年03月05日 | 文学・歴史・美術および書評
幕末の4大人斬りと言えば

・田中新兵衛
・河上彦斎
・岡田以蔵
・中村半次郎

て、なってますよね。

でもこれちょっと個人的に「異議あり!」です。


田中新兵衛はまず
士族出身ではない
…あ、別に身分差別する気じゃないですけど

姉小路公知(あねがこうじきんとも)暗殺事件の現場に
刀が落ちていた。新兵衛の刀だった。
しかし事前に新兵衛は刀を盗まれていた。
奉行所で尋問される際に確認のため渡されたその刀で
そのまま切腹という最期ですが


「人斬りは人斬りなんだから
自分斬っちゃダメだろ

です!

それと中村半次郎。桐野利秋

赤松小三郎殺害の犯人?とされてはいますが
複数人でやったらしいので直接斬ったのかどうか
自刃などはしませんが
いついつまでも赤松の件で悪夢にうなされたりするというのは
違うんではと。

人斬りの条件としてこうあってほしいのは(どんなんや)

・全く反省しない。悪くないと思ってるので反省しようがない

・善悪の区別つかない。道徳より大事なものがあると思っている

・絶対に自殺はしない。殺しても死なない程度には強い

そうすると新兵衛と半次郎アウトはです。

作家の津本陽氏は
4大人斬りには、中村半次郎でなく
佐々木只三郎(清河八郎、龍馬と中岡を斬った見廻組の人)
を挙げてます。


海外はどうなんだろうなあ。詳しくないですが。

毒殺犯系アサシンは人斬りとは言わないわな。

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