アップルが電子書籍単体のアプリを認めない傾向にあるという問題がある。この記事をご覧になって欲しい。

アップルの審査却下でアプリ型電子書籍の混迷
http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201105100187.html

だが、已然として電子書籍のアプリは出ている。結論をいうと、アップルは電子書籍のアプリを出さなければいけない。電子書籍アプリを停止するということは、アップルの息の根を止める。

問題の本質は、「何を以てして電子書籍と呼ぶか」という根源的なところに行き着く。電子書籍が現在進行形であることは論を待たない。現在、何を以て電子書籍と呼ぶかの答えはない。故に、アップルは電子書籍アプリを停止することはできない。なぜなら、電子書籍と呼ばれる物に実態がないからである。

敢えて、電子書籍とはなにか、を定義するなら、「これは電子書籍である」と断言されたものである。言ったもの勝ちである。例えばこれをご覧になって欲しい。

http://blog.mediafactory.co.jp/mfbunkoj/?p=6167

メディアファクトリー、緋弾のアリアの電子書籍である。ちゃんと、APPストアのブックにカテゴライズされている。

さて、これは電子書籍であろうか? たしかに、小説もコミックもある。しかし、それは販促の一環であるように思える。緋弾のアリアという作品を多角的に販売するアプリ、と位置づけた方が、電子書籍というよりも首肯できまいか。

ぼくはこの納得しがたい感覚こそが、これからの電子書籍の可能性でなかろうかと考える。ibooksで読めるような作品だけが電子書籍だとしたら、アップルに未来はない。それは、アップルがイタいほど分かってるはずだから、APPストアからブックがなくなることは断じてない。



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