採光規制見直しに思うこと
昨日、建築士の定期講習に行ってきました。
その折、令和5年に行われた建築基準法の改正点が説明されました。
その中に、
「住宅の居室にかかる採光規制の合理化」
という項目がありました。
建築基準法の条項の中に、「採光基準」というものがあります。この条項は、リビングとかご寝室とかの居室であれば、その居室面積の1/7以上の有効な採光がとれる窓面積がないとダメというもので、「居室には太陽の光が入るようにつくりなさい」という意図のもとにできた法律です。
その規制がどう変わったかといいますと、
「採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対する割合を1/7以上とし、国土交通大臣が定める基準に従い、照明設備の設置等の措置が講じられているものにあっては、1/10以上とする」
となりました。
簡単に言いますと、「しかるべき照明を設置すれば、窓は小さくてもいいよ」ということです。
この改正の意図はなんでしょうか?
建築士の仕事を楽にするためでしょうか?
違います。
この改正は、住宅の省エネルギー化を進めるためのものなのです。
居室内の熱が外へ逃げていく主な部分は窓です。
窓が小さい方が、建物から熱が逃げにくく、建物の省エネルギー化には有利なのです。
国土交通省は、「省エネルギー住宅であれば、太陽の光はあまり入らなくてもいいよ」というのです。
皆様は、この法律の改正をどう思われますでしょうか?
株式会社小野建築設計 藤田和彦