週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

書評「友だちをやめた二人」

2019年08月10日 | ☆文学のこと☆


      「友だちをやめた二人」
       著:今井福子  絵:いつか
    文研出版 2019.8.30初版


「縁側の猫が伸びして祖母の味」不埒


 メール、SNS全盛の時代。

 時折、家に届く葉書や封書は嬉しいもの。

 今井さんから届いた封筒を開けると、真新しい一冊が入っていた。

 毎日小学生新聞の連載が形になったものらしい。

 タイトルが意味深だなと感じつつ、ページを捲った。

 七海と結衣。

 幼馴染でいながら、クラスでのグループは別だ。

 活発ではっきりと物言う結衣に対し、引っ込み思案な自分は正反対の性格と信じる七海。 

 七海の祖母を媒介に、お互いに似た者同士と気づくまでの、七海と結衣の葛藤、そして人間味が丁寧に紡がれている。

 ストーリー性に引っ張られる自分にはできない、人を描くと言うことを、

 とてもしっくりと理解できる改作だった。

 友だち以上、親友未満。

 傷つくことを恐れてしまう傾向は、昔より手軽に繋がれるSNS時代だからこそ強いのかもしれない。

 一歩前に踏み出す勇気。打ち明けた後の関係性の変化。

 十分おっさんになった今でも、本音を、勇気を振り絞る瞬間は怖い。

 心の内を解き放てた時の心細さと爽快さを、つい最近も味わった。

 いくつになっても人間とは弱いものだとおもう。

 同人に入会し、書き始めてから9年になる。

 そろそろ形になるよう動かないと。

 今井さん、素敵なご本をありがとうございました。 

 次回浅草で呑みましょ!

 海光哲拝 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (魔女っ子マッチ)
2019-08-14 20:41:52
もう9年になるんですね。
うれしいです! (down_town_sayo)
2019-08-25 11:45:16
綺麗な字体のうれしいお手紙ありがとうございました。
ブログで紹介して頂き、感謝です!
傷つき、落ち込み、でもわたしはわたし。わたし以上でも、わたし以下でもないのだと言う持論だけで、ここまできて、今、ずっと心の友と思っていた方に、又背中を押して、否、抱いていただきました(笑)。
足腰の立つうちに一献を!
ありがとうございました。
9年目、初出版の時は飛んでいきます!
あっという間でしたね (海)
2019-08-25 16:25:29
魔女さん

そう、光陰矢の如しとはまさにこのこと。
JYさんが10年書き続け、辛抱された末に、花開いてる。
遅々としか書いていないあっしは、途方に暮れやす。
魔女さんは、あっちこっちで努力されているから、そろそろかな。
応援しています。

海拝
Unknown (海)
2019-08-25 16:32:53
down_town_sayoさん

筆者のHさんですよねw
あっしもHさんの嬉しい便りに、勇気をもらってます。ようやく、描くべきものがぼんやりと見えてきた気がします。納得の一作ができた暁には、ご一緒に呑んでやってくだせえ。
残りわずかな夏を、どうかご満喫くださいまし。
こちらこそありがとうございました。
では、いずれどこかで。

海拝

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