巫女さんと言えば、お守りなどを授与していたり、ご祈祷でお神楽を舞っていたりというイメージがあると思いますが…
実際は結構内職もします。
見た目も聞いた感じも非常~に地味ですが、重要度は高い大切なお仕事です。
神宮大麻(通称お伊勢さん。天照大神さんのお札です)を薄袋に入れたり、ご祈祷の際に参拝者さんにお渡しするお守りやお札のセット(撤餞といいます)を作ったり、紋菓という砂糖菓子を袋詰めしたり、節分豆や紅白餅の箱詰めしたり、紙垂(しで、と読みます。鏡餅なんかにも飾る切れ込みをいれた紙を四角くずらして折ったものです)を作ったり、お種銭の袋折りから5円玉入れなど…このような作業は全て調製と呼びます(漢字に注意!調整ではないですよ)。
そして、うちの神社での大変度が半端ないものは、
線香巻き
線香巻きは文字通り線香を7本一束(中心に1本、周りに6本のお花型)にして細く切った半紙で巻くというものです。半紙ももちろん裁断機とはさみを駆使してザクザクサクサク作ります。
やってみないとわかりにくいと思うのですが線香は簡単に折れやすく最初はこれでもかって程折れまくります…しかし慣れてくると!職人技が身につきます。笑
数えなくても手の感覚で瞬時に7本線香を取りお花型スタンバイ、人差し指にのりをつけ半紙を貼り付け、2本の線香に引っかけてくるりと巻いて固定。ミラクルに素早くできるようになり、何か悟った気分になります。笑
これを正職員巫女2人で一箱12束(一束は70本くらい?)入り300箱を完成させていかねばなりません。大体1~2ヶ月は合間に事務もするものの、この作業をしながらの社頭対応になります。毎年3月~4月に始めることから、線香の香りは春の香りです。
同じ作業を一定のクオリティでこなす根気と集中力が必須です。正職員として奉職するまでまはまさか巫女さんになって内職をするとは思っていませんでしたが。
ちなみに大きい数にも驚かなくなります。線香の300箱、祓物用人形の700体、大祓用人形セットの1000組、夏祭案内状の封入からラベル貼り2500通、お種銭10000枚…もう達成感と無我の境地です。
その合間の社頭対応、電話対応はもちろん感じよくしなければいけないので、作業モードと対応モードの切り替えもスムーズになりました。集中して早く丁寧に作業を進めなければ次々別の作業がきます。しかしだからと言って参拝者さんを蔑ろにするのは本末転倒です。
内職ひとつにとっても深いなぁと思います…が、本当は線香巻きなど業者頼みできるものは頼んでほしいという本音もあったりします。笑
どなたか巻いた線香を格安で卸している業者さん知りませんか??
◆しゅな◆
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今回はお祭りなどではない普段の巫女の1日のお仕事の流れをご紹介します。
但し、これはあくまでも私の勤める神社の場合です。
一口に“営業”と言っても会社の提供するサービスや規模、社風が違えばお仕事内容は違いますよね。それと同じでやはり神社によっても奉仕内容は少しずつ違うのです。
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8時55分
装束に着替え社務所へ
9時00分~
朝拝(大祓詞、敬神生活の綱領を暗誦。本殿→摂社2社にお参り)
9時15分~
授与品(お守りやお札などのことをこう言います)の補充、授与品箱掃除、窓拭き(うちでは画的にありがちな境内の掃除は巫女の担当ではありません。。残念ながら。笑)
10時30分~
社頭対応(お守りなどの授与、ご祈祷の受け付け、由緒など質問のお答え、常連さんとは雑談も…参拝者さんが気持ちよく神社にお参りするためのサポート全てです)
事務(驚かれる方もいるのですが、今の時代なので勿論パソコンも触ります)
作業(これはアツく語りたいので内容はまたの機会に。内職のプロになれました。笑)
12時00分~
昼食(30分交代)
13時00分~
社頭対応、事務や作業の続き
15時00分~
日計(授与品の初穂料や祈祷料の計算、帳簿へ記入、日誌の作成など )
16時00分~
水回り掃除
16時20分~
社頭対応、事務や作業の続き
日によっては祭典で使う雅楽の練習や教養のために神社関連の読書も。
17時00分
おつかれさまでした。
ほぼ定時であがれます、というかあがります!笑
残業代はつかないので…
17時10分
あっさり退社or宿直の神職さんと閉門まで雑談したりも。
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何もない1日はこのような流れです。
私の勤める神社は普段のご祈祷の際はお神楽奉納がないので基本的に社務所にいます。
事務は支払いの手続きや、郵送授与や礼状の発送、助務巫女さん募集ポスターの作成からシフト作成など意外と多岐に渡ります。これも神社によるでしょうが、パソコンが使えたり字が綺麗だったりデザインが出来たりとマルチに色々なことが出来れば良いに越したことはないと思います(必須ではないですよ。必須なのはやっぱり気持ちです!)。
そのため友人に「どんな仕事してるの?」と訊かれたらこう答えます。
「端的に言うと、コスプレ事務員(笑顔で)」
もちろん奉職中は巫女として見られることを意識して立ち振る舞いますが、今の具体的な仕事内容といえばコスプレ事務員が一番しっくりくるという残念さ。。苦笑
日常的にお神楽奉納があればいいのにな…と思う今日この頃です。
読んでくださったあなたが今日も素敵な一日をおくれますように…◆シュナ◆
さて、今回は私が正職員の巫女としてご奉仕することになった経緯についてお話します。
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某四年生大学の4年時在学中に助務(神社ではアルバイトのことを助務や助勤と言います)として年始の巫女奉仕を始めました。もちろん志望動機は装束と雰囲気への憧れでした(面接のお話についてはまたいずれひとつの記事としてupしたいと思います)。
その春、進路をニートとして大学を卒業。一応就活はして内定も頂いたものの蹴り、最終的には一度ニートになりたくてそのまま卒業したのです…理由は巫女と直接関係ないのでここでは割愛しますね。
その後1ヶ月に満たないニート生活に飽き、フリーターとして働き始めます。現在も実家暮らしですが、この環境のおかげで今生存できています。両親には感謝してもしつくせません。
因みにフリーター時代のお仕事は、イベントコンパニオン(いわゆるキャンギャル。この視点から学んだことは巫女にもいかせています。これも詳しくはいずれ)と小論文の採点でした。
そしてまた次の年始、助務奉仕のお声掛けを頂きました。そのとき当時奉職中の巫女さんが辞めるとのことで正職員に空きができる、その後任を募集しているという話を耳にしていました。この時点では少し興味がある程度でした。
助務奉仕中、たまたま宮司さんの奥様とお話する機会があり、雑談をしていて現在フリーターであることもお話しました。すると奉仕が終わって数日後、宮司さんから電話で正職員を募集しているがどうか、とお話を頂きました。
雇用条件ははっきりいって良いとは言えません。賃金を見たらかなり低いですし、繁忙期は連勤や長時間勤務必須となります。
しかし、助務巫女奉仕をしていて巫女という仕事が楽しく自分に向いていると思ったことと、親のどこでもいいから正社員就職しなさい攻撃に参ってきたことから就職を前向きに考え出しました。
最後は全く知らない世界に飛び込む機会をこのタイミングで得たのだから、これはやってみるべきなのよ!と興味が膨らんでくるとすんなり進路を決定できました。
この意志を宮司さんにお伝えし、面談という名の雑談お茶会を経て、晴れて正職員巫女としての就職が実現したのでした。
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…と、私の場合はこのような経緯で巫女を本職とするに至りました。
かなり稀なケースだと思いますので参考になるかは不明ですが。。
因みに一般的には高校や短大の新卒で就職するケースや、神職資格も持つ女性神主が巫女として奉仕するケースが多いようです。
この経緯から役立つ情報としては、【ご縁はどこにあるかわからない】ということ、【そのご縁の魅力的を吟味し大切にする】ということ、【決断したら素直にご縁を確かなものにしていく】という一般的論のような恋愛のようなことぐらいです。苦笑…
それでも正しい巫女のなり方なんてないのよ、という証明にはなると思いますので良しとさせて頂きます!
ここまで読んで下さったあなたに、ありがとうございます。
またご縁があればよろしくお願い申しあげます。
◆syuna◆