「投資に興味はあるけど、なんだか怖くて一歩が踏み出せない…」
そんなふうに感じていませんか?
実は、人は「将来のために備えること」よりも、「今、手元からお金が減ること」に大きなストレスを感じやすいのだそうです。
だからこそ、なかなか貯金や投資を始められない…これはあなただけではありません。
セイラー教授の実験:投資ができない人の背中をそっと押す工夫
アメリカで、こんな興味深い実験が行われました。
考えたのは、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授。
彼が取り組んだのは、ある製造業の従業員が加入している確定拠出年金制度。
この従業員たちは、当初年収の約3%しか老後資金に拠出していませんでした。
そこで専門家が「もう少し将来のために、あと5%上乗せしませんか?」と提案します。
でも、多くの人が「そんな余裕ない!」と反対しました。
そこで次の工夫です。
**今すぐではなく、「将来の昇給に合わせて、少しずつ拠出額を増やしていく」**という約束をしたのです。
その結果――
3年半で4回の昇給を経た後、彼らの平均貯蓄率は14%近くにまでアップしていました。
しかもこれは、最初から5%の上乗せに応じた人たちよりも高い数字でした。
「明日はもっと貯めよう」――投資のきっかけは小さくてOK
この実験は「セーブ・モア・トゥモロー(明日はもっと貯めよう)」と呼ばれています。
この結果が教えてくれるのは、
「ほんの少しのきっかけ」や「工夫」で、人は未来の行動を変えられるということ。
行動経済学では、こうした背中をそっと押す工夫を「ナッジ(nudge)」と呼びます。
迷っているあなたへ:今日からできる一歩を踏み出そう
「いきなり大きな金額を投資しなきゃ」と思うと、どうしても怖くなってしまうものです。
でも、最初の一歩はほんの少しでもOKなんです。
・毎月1,000円から投資信託を始める
・つみたてNISA口座を開設してみる
・家計を見直して「未来の自分用の財布」を作る
――こうした行動が、未来を変えるきっかけになります。
「明日はもっと貯めよう」
あなたも、今日からその一歩を踏み出してみませんか?