三間飛車 十段戦 中原誠-福崎文吾 棋譜検討(▲銀冠△三間飛車穴熊) | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

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福崎穴熊勝局集第5弾。

【棋譜DB】
十段戦 中原誠-福崎文吾

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先手:中原誠
後手:福崎文吾

▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △4四歩    ▲4八銀    △3二飛
▲6八玉    △4二銀    ▲7八玉    △6二玉    ▲2五歩    △3三角
▲5八金右  △7二玉    ▲5六歩    △8二玉    ▲9六歩    △9二香
▲7七角    △9一玉    ▲8八玉    △5四歩    ▲7八銀    △5三銀
▲6六歩    △5二金左  ▲6七金    △6四歩    ▲5七銀    △8二銀
▲8六歩    △6三金    ▲8七銀    △4五歩    ▲7八金
(下図)

▲銀冠△三間飛車穴熊。

中原先生っていうと、やっぱり銀冠が強いイメージはある。
勝局集だから紹介しないけど、福崎先生も苦戦してたからなぁ。

ちなみに、1986年の将棋で、
中原名人-福崎七段、という時代ですね。

上図以下
△4四銀    ▲8五歩    △7一金    ▲9五歩    △4二飛    ▲3六歩(下図)

基礎知識として、△5五歩▲同 歩△同 銀は成立しない。
▲2四歩△同 歩▲3五歩で困るからだ。

上図以下
△7四歩    ▲1六歩    △7三金    ▲9八玉    △4三飛(下図)

△4三飛は次に△5五歩と仕掛ける準備。
以下▲同 歩△同 銀▲2四歩△同 歩▲3五歩なら、
△同 歩▲3四歩△4二角▲6五歩△5三飛で捌ける。
途中▲3四歩のところで▲2六飛もよくある手法だが、
△4六歩▲同 歩△6五歩で攻めが続きそうだ。

上図以下
▲4八飛    △5五歩    ▲同 歩    △同 銀    ▲5六歩    △4四銀
▲8六角
(下図)

△5三銀~△5四銀の立て直しに対し、
▲7七桂~▲6五歩の対抗策を作った駒組だが、
次の手が厳しかった。

上図以下△8四歩(下図)

機敏な着想。
▲同 歩なら△8五歩▲9七角△5三銀とし、
次に△8四金から玉頭に殺到できる。
この時、△4三飛型が将来の△8三飛を見込んでいる。

上図以下
▲9六銀    △8五歩    ▲同 銀    △4二角    ▲8四歩    △8三歩
▲同歩成    △同 銀    ▲7七桂    △8二金    ▲8八玉    △8四歩
▲9六銀    △7二金引
(下図)

玉頭の勢力を奪っては、後手が指しやすくなった。

この局面から▲2四歩も有力だけど、感触が変ですかね。以下
△同 歩▲2二歩△3三桂▲2一歩成△3五歩▲同 歩△2五桂・・・
難しいけど、後手の駒を捌かせてると感じる人が多いかなぁ。

上図以下
▲2八飛    △5五歩    ▲同 歩    △同 銀    ▲5六歩    △4六歩
▲5五歩    △4七歩成  ▲5六銀    △4六と    ▲5四銀
(下図)

▲2八飛△5五歩を誘う勝負手だったと思うんです。
4筋は突破されるけど▲5四銀と反撃して、
確かに先手も戦えそうに見えます。

そう、次の手が無ければー・・・

上図以下△6五歩(下図)

あまりにもピッタリな突き出し。
▲4三銀成△8六角も▲4二角成△同 飛も後手優勢。

上図以下
▲7五歩    △5六と    ▲4三銀不成△6七と    ▲同 金    △6六歩
▲同 金    △7五角
(下図)

本譜はアヤを求めて▲7五歩だったけど、
上図のように△7五角と捌くキッカケにもなった。
あえて△6六歩▲同 金を入れてから△7五角っていうのが憎いよね。

上図以下
▲同 金    △同 歩    ▲7三歩    △同金直    ▲6五桂    △7四金
▲7三歩    △6五金    ▲6一飛    △7六金
(下図)

▲7三歩と叩かせた反動で寄せに出る表現が美しく、
上図は後手勝勢。

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