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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー27話

2022-12-10 14:40:33 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


崔高等学校の学生との喧嘩で直也は叔父の言った「命をかけるな」という言葉を直也は「心の暴走」と共に忘れてしまいます。叔父は喧嘩を許しています。今の直也にはまだ気づくことができないことを知っているからです。春樹の部屋を直也の部屋にしたのは時間をかけて自分を見つけられるよう、その時間を短縮するという考えもあったようです。
「よく覚えておけよ、喧嘩上等なら、命かけてみろよ、なぁ、おまえらもよ、やるなら殺す覚悟しろや」
直也は大きな声でまわりを取り囲む他校(松陰高等学校、崔高等学校)の学生達に叫んでいました。その姿を見た生徒たちは無言のまま立ちすくむか、その場から立ち去るかどちらかです。声をかけてくる学生たちは誰もいません。傍にいてくれたのは真一だけでした。3つの高校では些細な喧嘩なら見逃してきたが直也に殴られた崔校の1人は5人の仲間達によって病院へ運ばれ顔面打撲してヶ月の入院となりました。直也は病院へは行かず右手は自分でいつものように処置をします。中学時青少年期のボクシングジムで教えてもらったことで病院へは行かずにすんだのです。警察も一時は動きましたが3つの高校の理事長からの話し合いを持ち学校側で処分を決定することになります。尊王寺学園には「親子の集う会」いわゆるPTAに近いものですが学校側と親子の集う会の話し合いがはじまりました。教師たちや親子の集う会ででた結果は、学か留年の処分が提示され理事長へその内容が伝わります。理事長の出した内容は、あることから提示された内容とことなるものでした。一週間自宅待機後の直也は2週間の停学処分になり真一含め崔校の学生達は一週間の停学処分になりました。この頃は出席日数もあるが6週間を超える停学処分で留年となります。2週間の停学処分ですが自宅待機期間を含めると直也の処分は4週間になります。直也にはギリギリのイエローカードが出され、もう停学処分を受けることはできなません。暴力事件として扱われ普通の喧嘩でも暴力事件が発覚すると直也は退学になってしまいます。処分決定後に全学年臨時集会が3つの各校で開かれます。壇上で、どういう状況に至ったのか処分はどうなったのかを学生達に話す教頭先生でした。この集会が各校で春樹を知る学生達の心の扉を開けてしまい事故死した春樹の伝説を思い出させ言葉にすることがなくなっていた噂話が再び膨らみをまし大きくなっていきます。膨らみを増す原因になったのは「大島直也」の存在でした。一部の学生達は直也が春樹と従兄弟であることを知ってしまいます。2階の部屋に戻ると叔父夫婦の家に学校から連絡もりましたが叔父夫婦は怒る事も叱ることはありません。ただ直也は叔父さんに言われたことがあります。
「お前に春樹の部屋をそのまま貸したのか分かるか?ゆっくりでいいから良く考えてみろ停学処分の期間は学校へは行かなくてすむだろ、ちょうどいい休みだな無駄にするな」
直也の両親は中学時期に直也の変化を気にしていて叔父さんに相談をしていました。地元を離れること私立高校に入ることを許したのは叔父さんの保護士としてのアドバイスであったのです。尊王寺学園から両親に連絡がありましたが叔父と叔母のところには担任教師の金森が話し合いに来ていました。叔父は今直也がいかに生きていくかを決める時期で大切な時期でもあることや他の話しを金森に話しています。金森は学校へ戻ると叔父のそのままの話を教師や教頭と校長へ話します。校長は理事長へ報告すると理事長からは意外な指示がおりてきたのです。その指示とは教育方針を変えるということでした。根本的な考えは変えず接し方を変えるという簡単で難しいことでした。この指示は生徒たちを中心に学園が成り立っているという意味もありました。理事長の考え方は教師や保護者と保護士などの協力を得ることができたのです。見守り強化、コミュニケーションを少しずつ増やしていくこと、上からの目線で生徒を監視しないことなどが取り込まれました。身体は大人であったとしても、まだ心ができていない直也は自分のことだけで両親や叔父夫婦のことは全く考える余裕はありません。他の生徒も一緒です。表面的なもの内面的なものに注意をする必要があるのです。この処分決定には担任教師の金森の存在があったのです。金森や他の教師の中でも重すぎるのではないかと考えていた教師たちもいましたが殆どが退学処分であったのです。重すぎると考えていた教師たちは金森に相談します。金森は叔父と話し合った後に理事長の家に行き直也の中学生であったときの書面を見せ悲しみ苦しむ直也の気持ちや先入観や思いこみなど教師として考えるに値することを理事長に話し条件として再び同じことが起こり得た場合は金森も教師を辞めるということになっていたのです。学校は自由を与えていましたが社会的問題に対しては厳しい処分をしていた時期でもありました。金森は叔父へ報告し今後これからどう対処すべきかを話し合っていたのです。停学中の間には叔父は直也に会いに来る真一や典子には家に帰るよう話をしています。特に真一は毎日のように来ていました。とにかく何かを食べては店に残るようでしたが直也に会うことは出来ません。真一は、どうして会わせてもらえないかを聞いたりもしたのですが叔父と叔母は帰るよう伝えられるだけでした。
直也には今この時に必要であることは自分をとり戻すことができるかどうかであったのです。叔父は1週間は部屋へ食事を持っていくが2週目からは直也に店の手伝いをさせます。出前の全てが直也の仕事になっていきます。近くのビルにある会社への出前をしているうちに学校のこと過去のこと喧嘩の相手を入院させたことを忘れることができたのです。叔父は直也を信じ「忘れること」を、へとへとになるまでの出前で教えたかったのでしょう。何かに、のめり込むことで完全ではないが一時的に忘れる手段を教えていたのです。たった一度の喧嘩で叔父は亡くなった春樹と現在生きている直也の心の動きを感じていたようです。出前先での直也は普通の高校生のアルバイトという感じでラーメンや餃子などをテーブルへ置きお金をもらう。ただこれだけで会社の人は笑顔の直也に優しく声をかけてくれるだけではなく明日はこれでと次の日の注文をしてくれるようになっていきます。少し遅れると「待ってたよ」といって直也を待っててくれるのです。直也は、こんな自分でも待っててくれる人がいるのだと思いながら部屋へ戻り春樹と自分の写真を見ると涙があふれるときがあります。この時はまだ何がそうさせるのか直也にはわからなかったのです。叔父叔母の一人息子の春樹のことを直也は思い出します。小学校の頃の春樹の明るさや優しさ強さに直也は慕っていました。春樹という存在があったからこそ中学時代の直也があったことを考えるようになり叔父のあの言葉を思い浮かべます。
「どうして、お前に春樹の部屋を、そのまま貸したのかわかるか?」
いつも明るく信じられる春樹のようになりたかったと思っていたことを直也は思い出していたのです。この部屋にあるのは殆どが春樹のものばかり。ほんの少し直也のものがあるだけ。
特攻服にかけたドリームキャッチャーを見ながら春樹と一緒に撮った直也と春樹が2人だけの写真を見ながら、あの頃の自分の気持ちを思い出しています。そして仲間たち、市原久美子、加藤真一、宇治木大地、臼井和志、香川龍一、小幡由子、みんなの笑顔を思い浮かべ懐かしく思います。そんな時には懐かしく思うだけで直也の心に怒りや憎しみなどありません。
ただなぜか強く今思えるのは須藤典子のことでした。一緒にいれば声をかけてくるのはいいが話が止まらない考えごとしていてもとにかく「委員長」という典子の言葉が常に耳に残るようになります。それでも、その笑顔を見ると気のせいか気持ちが落ち着くような感じがするが、でも、とにかくうるさい他界した久美子のように思う直也でした。週2回の生徒会の集まりの帰りは典子と一緒に歩き駅のホームは左右にわかれ下り車線で直也を見て笑顔を見せる子供のような典子です。直也は朝方まで仕込みの仕事をする叔父に声をかけ話を聞いてもらうようになります。今まで自分の心を変えようとしなかった直也ですが叔父の直也に見せる姿勢は信じられるものになっていたのです。自分の過去そして今の自分のことを正直に話をしていきます。時間がある限り。
「やっとわかったか?お前には、慕われるだけのものを持ってるんだぞ、馬鹿たれ!」
叔父は直也が相談してくるのを、ずっと待っていてくれたのです。直也の話しを聞くと叔父は自分の過去の話をしてくれました。
「ところで、特攻服にかけてあるものはなんだ?」
叔父は直也に聞きます。直也は過去のことで大切なものだということを話をします。
「そうか、それで直也のまわりは、つながってるのかも知れないな。春樹は喜んでたぞ」
「えっ?喜んでたってどういうこと?」
「確かお前の実家に法事で行った時だった誰かはわからんが、お守りもらったといってたな」
「久美子、クーコ?」
「クーコだ、そうそう、クーコって言ってた」
「やっぱりそうだったんだ、お前は何かをするために産まれてきたんだな、13年の命は」
久美子をクーコと呼ぶのは2人だけ春樹にもドリームキャッチャーを渡していたのを直也は知ります。毎日のように直也に会いに来ては帰される真一でした。たまに会いにくる副委員長の須藤典子、この2人のカバンにドリームキャッチャーが付けられてるのを叔父は気づいていました。ただ何の意味があるかまでは知らないようです。
「直也、一歩一歩、ゆっくりでいいから、地に足跡を付けて生きろ、過去は過去だ決して忘れず受け入れるようにと春樹がなくなったときに俺たち夫婦はそう思うようにしたんだ。だからこうして頑張って店開いてるんだ。誰にも責任はないんだ。怨む相手もな」
この叔父の言葉で直也は救われたような気がして何かを感じはじめます。ただただ逃れたいという気持ちで怒りと憎しみしか持てなかった事を直也に叔父は何かを気づかせるきっかけを持たせたのです。


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