FUJISUZUKO

六月二日に
台風二号と言われると

何とはなしに　
例年よりも早い速度で
秋が訪れたかのような気になって

そもそも　台風　という季節は
何時が似合うのか

似合う　だなんて　
おこがましい存在なのか

おこがましいのならば　
過ぎ去ってはくれないものか

台風の目ならば　
落ち着いて過ごせるものなのか

惑いながら進む道は　
風が強くて

前日だというのに　折りたたみ傘は
キノコになりまくる

風で引っくり返る傘の形が　キノコに似ているから
そう呼ばれるようになったのよ　だなんて

一々説明しないと通じない　
ジェネレーション・ギャップ

ギャップは嬉しいものでは無かったか

存在が嬉しいのならば　
何でも許されるものなのかと
また考える

思考回路と雨粒の連弾

ジャーン！
アスタリスク
嗚呼ちがった　クレッシェンド

デクレッシェンド？
ジ・エンド？

雨が降れば　地が固まるんだ　
ひび割れた土地への
恵みの一粒ならば

両手を挙げて　もろ　嬉しがる振りも　
してあげられそうなのだ　けれども

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行方


東海　近畿　四国　中国に　線状降水帯か
なんて文字が　画面を踊る　気象ニュース

昨日は　既に　相模原を流れる川も　
茶色く濁っておりまして

嗚呼　そうか　
昨夜　雨が降ったからだねえ　なんて

隙間風の隙間に干した
布団の行方を　気にしている

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再来


赤と青を　混ぜたら紫
本当は　漆黒みたいに

塗りつぶしたダークな感じが　好きなのだけれども
背景も床も　選べる種類は　限られていて

もっと　シンプルに生きたいんだよなあ　なんて
一人ごちる

猫が見つめる　シャンペンタワー

「いるよね、シャンペンって　どんな文字を描くってよ
メーン　とか　剣道の試合かよ　メイン会場だろうがよ」

アナウンサーの表現に　
意義を呈しても

きっと誰にも聞こえない　
なんて　目をしばたかなくっても

ちゃあんと君には　
聞こえているんだ

ドボドボと溢れる七色の水は　
誰かの描くパレット

「違うよ、パレットに注がれた絵具だろう？
　描くのは絵だぜ？」

また君の「訂正」が入る
もしくは「進言」か

震源にだけは　ならないでくれよ　だなんて
昔やった　震源地ゲームを思い出す

「あれ、得意だったんだよなあ」

誰かを　騙しているみたいで
騙されるとか　試されるとか　嘘つかれるとか
一切合切シャットアウトしたい癖して

呟く声は　経路に呑み込まれ
「いいや、違うよ、毛色だ。」

ちょっと白い、そして黒い、腹の色を想像させる感じ
所謂グレーな存在だ

後ろの窯ではパンが焼ける

ピザじゃあないの？
「クルクル商人がいないからね」

今日　シフト　組んでなかったんだっけ？

大好きな　アサイーボールをタワーの隙間に流し込んで
パックリと開けたパンの隙間にはウインナーを差し込んで

上にはローズヒップの紅茶なんて如何

ネコの上部に苺を飾れば
忘れ去った春モードの再来

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何となく　酔っ払いたくて　ポン酒

カサカサと「甘さが欲しい」チョコ開ける

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