静岡県牧之原市(旧榛原郡榛原町)静波(しずなみ)の榛原公園(はいばらこうえん)は、龍眼山城跡(りゅうげんざんじょうあと)です。

龍眼山(標高76m)山頂付近に築かれた平山城で、遺構は曲輪・土塁・堀切。


戦国時代、小山城(榛原郡吉田町片岡)と滝堺城(牧之原市片浜)の中間につなぎの城として武田氏が築城したと推測されます。

龍眼山城跡
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 以前は、平安時代末期から室町時代中期にかけて約340年間、この地(遠江国蓁原郡勝田)を領有した豪族 勝間田(かつまた)氏の属城と考えられていました。

しかし、広い曲輪を持つ縄張りは戦国時代の城の特徴です。

室町時代末期(戦国時代)の元亀2年(1571年)、武田信玄が北東に小山城(吉田町片岡)、南西には滝堺城(牧之原市片浜)を築きました。

その中間にある勝間田川河口の川崎港を兵糧(食料)の運搬に使用しており、港を見下ろす場所に龍眼山城をつなぎの城として武田氏が築いたと考えられます。

探訪は自己責任で!!

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龍眼山城跡(榛原公園)の地図

アクセス
・東名高速道路 吉田ICの南
・榛原公園南側にある、牧之原市シルバー人材センター横の駐車場から登る。

案内図
 南側の駐車場から、階段を上って龍眼山城跡(山頂広場)を探訪。
公園北側から茶畑の中の細い農道を通って、山頂駐車場まで行くことも出来ます。
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一の曲輪(南の郭)
 トイレと展望台がある、榛原公園山頂広場。
アスレチック遊具などはありません。
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展望台
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展望台からの眺め
 海岸線を見下ろす場所にあります。
川崎港の防衛のため、龍眼山城を築いたという説が納得できます。
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土塁
 頂上広場の北側に、土塁が残存。
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堀切
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この先にある二の曲輪(北の郭)は、現在は茶園です。
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参考文献
・『静岡県文化財地図Ⅱ ―焼津市以西―』静岡県教育委員会 1989年3月1日
・『静岡県文化財地名表Ⅱ ―焼津市以西―』静岡県教育委員会 1989年3月1日
・『静岡県文化財調査報告書 第23集 静岡県の中世城館跡』静岡県教育委員会文化課 1981年3月1日