即興小説その3『タイトル:未定」 | 人生を変える小説 by 魔法のネコ

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その日の午後は、春のような陽気だった。二人はベンチに座って

軽食をとった。目の前には、指定されたビルについていた。

そのビルを眺めながら、佐藤はつぶやいた。


「さて、どうしたものか。」

「どうしたっていうんですか?やはりあのビルは危ないんですか?」

「ああ」

「ああって、そんなのんきな。具体的にどこがおかしいのか教えて

くださいよ」


「まず、玄関を見ろ、やたら狭いだろう。あれは外敵が逃にくく

しているだろう。そして近くにビルがない。さっき裏口も見たが、

出口が一つしかない。しかも怪しい奴らがうろうろしてやがる」

「そんな所に入るのはやめましょうよ。」里中はそっと聞いた。



「いいや、入るしかない。いざとなれば、例の青い袋のものを

使えよ。」

「でも、人数が多かったらどうするんです。この青い袋のもの

で対応出来なかったら。。。。こうなりゃ、入らないという

選択肢もありじゃないですか?」

「ずいぶん弱気じゃないか。秋の風邪でも引いたか?」



二人は日が暮れて、夜になってから玄関から中へ入り、

そのまま進む。不思議なことに

誰も彼らを邪魔することなく、無視している。

暗闇の中、わずかな月の光で、中へ進む。ようやく目的の指定の部屋へ

たどりついた。玄関には怪しげな男が三人いた。

佐藤はしゃべりはじめた。



「町田さんという人に会う約束をしたんだが」

3人の男は驚きもせず、待っていたという顔をしていた。

「どうぞ入ってください。お待ちしてました。」

中へ入ると、さらに薄暗くて、まるで迷路みたいになっていた。

佐藤は里中に話かけた。

「なんか嫌な予感がしてきた」



「何いってるんですが、俺があれほど行ったのに、もう遅いですよ!」

一番奥までいくと、部屋の中には、4人の人影があった。全員マントを

来ており、カラフルなマフラーをしている。顔が きちんと見えない。

佐藤は4人にむかって声をかけた。

「町田さんに会いにきたんだが」

「目の前にいる」真ん中の男が返事をした。