◆コロナ禍のイギリス11月レポート 一日4万人新規感染者、感染再拡大 ボッティング大田 朋子 | 絆ソムリエ ブログ

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リゾートオペレーション勤務にて、ゴルフ、プロスポーツ(J1大分トリニータ)、ブライダルに携わる。その経験を元に、「将来性のある起業女性を育成し、海外に輩出したい」と、『Co-creation』を立ち上げる。

・新型コロナ感染者、再拡大中

イギリスでは11月に入り再び新型コロナウィルスの感染が拡大、今月下旬は一日の感染者が4万人を超える日が続いている。筆者の周りでも11月半ばから身近なところで感染者が多発していて、8歳の娘が通う小学校ではある学年で担任とアシスタントの先生、そしてクラスの3分の2にあたる10人の生徒が感染したと連絡が入った。学校では一部のアクティビティーや放課後クラブは中止になり、他学年がまざらないように校庭を区切ったり、昼食の時間をずらすなどの対応がとられた。校内感染が起きたその週は「毎日コロナ検査をしてから通学するように」と「ラテラルフローテスト」が子どもたちに配られた。

 

「ラテラルフローテスト」は自宅で簡単にできるコロナ検査で、早期発見につながる目的でイギリス政府から無料で配布されている。これで陽性ならPCR検査を予約する流れだが、今月中旬からは筆者の家でも再び家族全員で頻繁にラテラルフローのコロナ検査をする日々が続いて入る。

 

息子が通う中学校でも、ラグビーの試合に参加していた生徒の一人が陽性だったことが試合後にわかり「各自ラテラルフローテストをするように」と要請の連絡があったかと思うと、翌週には数人の生徒の陽性が確認された。

というわけで再びコロナの脅威が身近に強く迫ってきた感がある。

 

・3回目ブースター接種、40代対象

11月末現在イギリスでは、新型コロナウイルスワクチンが接種できる年齢(12歳以上)の約89%は第一回目の接種を、約81%は2回目の接種を終えた。3回目のブースター接種率は28.5%、11月15日からは2回目接種から6か月経った40歳以上に追加接種の対象が拡大された。

 

3回目ワクチン接種の予約は2回目接種から5か月経ってからしかできないとのことで、2回目のワクチン接種からそろそろ5か月が経とうとしている筆者は、「12月に入ったらブースター接種予約をして冬の安心につなげよう」なんて思っていたが、その矢先11月最終週末にオミクロン株がイギリスでも発見されたことを受けてブースター接種の対象が全大人に拡大されると発表された。オミクロン株の出現で少し緩んでいたコロナへの意識がまた引き締まり、イギリスでもブースター接種が加速すると思われる。

 

・子どもたちのワクチン接種

自分のワクチン接種には「接種することで日常生活に戻れて、日本に帰国する際のリスクが減るなら」との論理で接種を迷わなかった筆者だが、子どもへの新型コロナワクチン接種には頭を悩ませている。イギリスでは9月20日から12歳から15歳の子どもへの接種が始まっていて、子どもが12歳になると学校から手紙が来て学校内で実施されているワクチン接種に予約できるようになっている。

 

もうすぐ12歳になる子どもを持つ親としては実に身近な問題で、保護者の間でもしばしば話題にのぼっている。「接種したいというわが子の意見を尊重して受けさせる」という親や、「自分たちは積極的に接種したが子どもへの影響は未知数が多すぎて懐疑的、しばらく様子をみたい」など意見はそれぞれ。

 

筆者がイギリスに引っ越してくる前に住んでいたスペインのママ友達たちと話していると、知っている12歳以上の子どもたちは皆すでに接種済みのようだが、「コロナの重症化を免れられるならと接種させたが、それによる長期的なリスクへの心配は今もあるし、実は何が正解かわからない。今の生活で接種なしでは怖いから受けさせただけ」と話していた。実を言うとわたしの思いもそんな感じで、「科学的根拠を集めて判断を」と言われても長期的なデータはまだないし、「接種をさせて重症化を防いだり学校生活の中断を避けられるメリット」と「副作用や長期的な不安というリスク」……、天秤にかけても判断するのが難しい。

 

ちなみに11月末時点で1回目の注射を受けた12~15歳の子供はイギリスでは15%、近隣のヨーロッパ諸国に比べると低い接種率だ。

 

・違いを尊重できる余裕を持ちたい

夏に18歳から24歳の若者にワクチン接種が進められたときには、「大学では1年半もの間オンラインだったからワクチン接種を終えて早く対面授業に戻りたい」、「祖父母や友達と早く会いたい」と接種会場に走った若者がいた一方で、「ワクチン接種が義務のような風潮には嫌悪を感じる、個人の状況や意思を尊重すべきだ。」とプラカードを掲げてデモをする若者たちの姿も見かけた。

 

各自の健康状態や抱えられる健康リスク、家族の健康状態も含め状況は人それぞれ違うからワクチン接種に対しての考え方も千差万別であって、考え方や対応の違いを尊重できる一人でいたいと最近強く思う。

 

 

この記事を執筆している11月末は27日にイギリスでも感染者が確認された「オミクロン株」拡大の懸念と警戒が高まっている。3週間後に見直すとの前置きで、イギリスでもマスク着用義務などの規制が追加された。去年の12月はクリスマス直前に突然規制が強化され、クリスマス後に3回目のロックダウンが始まったが、あの悪夢が二度とこないことを祈るばかりだ。

 


ボッティング大田 朋子 Tomoko Botting-Ota

ライター&プロジェクトプロデューサー

 

アメリカ→ドイツ→インド→メキシコ→アルゼンチン→(数か月ばかりの英国滞在)を経て、2011年秋スペインへ移住。

現在イギリス・カンタベリー在住。

 

メキシコでオーガニック商品の輸出会社立ち上げ+運営。

アルゼンチンのブエノスアイレスでマンガの国際著作権エージェント立ち上げスペイン語出版。

 ⇒プロフィールはこちら https://tomokoota.wordpress.com/about/

 

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