自分の仕事の使命に気づく瞬間① | 目の付け所から広報まで一気通貫で考えるPRコンサルタント 堀 美和子のブログ

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大切なのは「売り込む」のではなく「欲しくなってもらう」仕掛け。
だって人は、心が動かなければ行動しませんもの。
それはB to CでもB to Bでも同じ。
人間心理からストーリーマーケティング、新聞記者の経験もプラスして、あなたのビジネスを応援します。

阪神・淡路大震災の起こった月の最後に、

「人には、自分のやるべきこと、
 進むべき方向に気づく瞬間があるんだ」

と教えてくれた二人の方を、
お名前等を伏せて、
紹介させて頂きますね。

お一人目は、震災当時、
関西地方の信用金庫に勤めておられ、
今は経営コンサルタントをされてる方です。


その方がSNSに投稿されたタイトルは、

「【使命】と【誇り】
 (阪神淡路大震災でのできごと)」。




今日も“根っこを掘り出す”堀美和子のブログに
お越しくださり、ありがとうございます。
あなたに感謝ですっ!
 

 




その方が銀行員として

勤務されていた支店は、

なんとか無事だったものの、

「金融機関というのは、
 こんなときに何の役にも立たないのか」

と、悔しい思いをしておられたそうです。


そこに本社から
「ボランティア募集」の一報。




内容は、救援物資を
バイクで届けると同時に、

「現地で小銭を配る」、
「お金を貸す」という仕事でした。



携帯電話が今ほど
普及していなかった当時、
頼みの綱は公衆電話。




電話をかけられるようにと、
10円玉が50枚まとまった筒を
あちこちで野宿している人たちに
配っていかれたそうです。

しかし、なかなか
受け取ってもらえなかった、と。



そりゃそうですよね、
いきなり知らん人が来て、
「この小銭使ってください」って
警戒しますよね。(^^;)




お金を貸したり集めたりの苦労は
嫌ほど経験していたものの、


お金を配るのに苦労するとは、
夢にも思っていなかったそうです。




一方、支店では、

「5万円を上限に『住所』と『名前』と
 『何に使うのか』だけを聞いて、
 大丈夫だなと思った方には、
 借用書にサインと拇印をもらい、
 現金を渡す」という仕事を。




これ、金融機関としては
「信じられない」貸し方です。



でも、着の身着のままで、
自分が何者か証明するものなぞ
何も持っておられない人ばかり
ですから、考えてみれば当たり前。

「万一、そのお金が帰ってこなくとも
 しかたがない」という開き直りをもって、

多くの方からの浄財で賄われた
融資でした。


支店には毎日、

「親戚にお金を借りに行くための
 交通費が要る」

「着替えを買うために」等々と
多くの方が来られました。

その中に一人、60才くらいの女性が。


用途を聞くと、暫く黙った後、
「ドライアイスを買いたいのです」。



「え?ドライアイスですか。
 差し支えなければ何のために
 ドライアイスが必要なのか
 教えていただけますでしょうか」

と問うた後に出てきた答え、
あなたは想像できますか?



女性のお答えを、

投稿文のまま引用させて頂きます。

クローバー クローバー クローバー クローバー 引用ここから クローバー クローバー クローバー クローバー

実は、今回の地震で
家が倒壊してしまいました。

夫はその下敷きになって
亡くなってしまいました。

なんとか、遺体を掘り出すことが
できたのですが、
まだ周りも大変混乱していて、
その遺体をどうすることもできません。

このままおいておけば、
どんどん腐ってしまいます。

なんとか、
遺体をちゃんとできるようになるまで、
遺体が腐らないように
ドライアイスを買いたいのです。

クローバー クローバー クローバー クローバー 引用ここまで クローバー クローバー クローバー クローバー


(あちこちで家が倒壊しました。
 これは神戸市東灘区国道2号小路付近。
 阪神・淡路大震災「1.17の記録」、

 写真提供:神戸市より)


冷静に話を聞かなければ
いけない立場であったにもかかわらず、

聞きながら涙がボロボロと
こぼれていくのを止めることが
できなかったそうです。

 


すぐに上司に決済を仰ぎ、
お金を渡した、と。



何度もお礼を言いつつ銀行を
後にされる女性を見ながら、


「私はこのときにはじめて、
 人間として『人の役にたつ』
 という意味を

 知ったような気がします」。



「金融機関だからこそ被災者に
 提供できることがあるだろう」

といって、500円を配り、
戻ってこないかもしれない
5万円を貸すという決断をした
当時の理事長、

その指示の下、動いた大勢の行員。


非常時に、金融機関だからといって、
何もできないのではなく、

金融機関だからこその使命がある
ということを知ったこの方は、




やがて、どんな仕事にも使命があり、
その使命を果たすことが誇りにつながる
ということに気づかれたのです。



誰にでもそういう「天命」に
気づく瞬間がある。

気づいて踏み出せば、
必ず何かが変わっていく。



余談ですが、貸し出された総額3億円のうち、
なんと97%が返済されたそうです。

「人に対する『想い』というのは、
 必ず伝わるものだと、感涙しました」

と綴られていました。

 






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