あまり知られていないかもしれませんが、オーストラリアは医療ライフサイエンス分野においてアジア太平洋地域のトップだと言われています。医薬品や医療機器等の研究開発分野における成長は、世界的に注目されているそうです。
これは、高度の専門知識を持つ人材の育成や確保、レベルの高い高等教育、政府による研究開発に対する税制優遇処置や補助金、インフラ整備への投資などにより達成されて来たそうです。
特に臨床試験(治験)の実施地として注目を集めているそうで、医薬品に限らずバイオテクノロジーや医療機器などの分野でも、年間1000件を超える治験がオーストラリアで行われているそうです。
透明性の高い法規制や、国民が民族的に多様な国であるという特徴、英語環境であること、世界トップレベルのヘルスケアシステムが整えられているといったことも、研究開発を行う会社にとって魅力的な環境であると考えられている理由だそうです。
ヒトを対象とする研究や試験は、全て国際的な基準に準拠することが義務付けられており、研究計画書は「Human Research Ethics Committees (HRECs)」(ヒトを対象とした研究倫理審査委員会)でその倫理的及び科学的妥当性が評価されるそうです。
メルボルンでは、迅速に治験を行えるシステムと施設が整っているわけですが、それを実施するための法律や規則が厳しく定められていて、そこには透明性があるということなんです。
昨日の記事で、うちの息子が治験に被験者として参加しようとしていることを書いたのですが、それに対してご意見をいただきました。その方なら自分の息子さんを人体実験のようなものに参加させたりはしないというお話だったのですが、以前の私なら同じように考えたと思います。
義弟(うちの夫の弟)が若い頃に治験で収入を得ていた時期があるんです。これについては、私はとても批判的でした。将来どんな健康被害があるか分からないのにクレイジーなことをやっていると思っていましたが、今は少し考えが変わったんです。
うちの息子が治験に参加することを積極的に支援したりはしていないんですよ。ただ、今の私には治験を行う機関に対して以前とは違って信頼する気持ちがあるんです。
それは、うちの夫の伯母のジョーンを始めとして、医療や医薬品開発に関する知識があって治験の事情を知っている人達から話を聞いたおかげで、批判的だった考え方が変化したと言えるでしょう。
被験者にとっては報酬が目当てのアルバイトかもしれませんが、別の見方をすれば誰かの役に立つことでもあるんです。
新型コロナのパンデミックの時、多くの人々の命を救ったワクチンも、治験の被験者となった多くの人達がいたからこそ私達がその恩恵を受けられたわけですし。息子が1月に参加する予定だった「システィック・ファイブローシス」(Cystic Fibrosis)という難病の治療薬の治験については、結局は失格になって2日目に帰って来たんですが、伯母のジョーンは息子のことを褒めていました。
その病気の苦しさを知っているジョーンにとって、治療薬の開発に関わるということだけでも息子を称賛したい気持ちだったようです。そういう見方もあるということなんです。
治験に安全上の問題があれば臨床試験などさせてもらえるわけがないし、治験が行われるのはメルボルン有数の医療機関であるアルフレッド病院ですから治療体制は万全ですし、心配するようなことはまず起きないだろうと誰もが言いました。
それでも心配はありますからね、息子はかなり治験の内容について勉強してから、どの治験に参加するかを決めているようです。息子の目的は報酬なんですけどね。
まあとにかく、こういう理由で私は息子が治験に参加することに反対していないわけです。賛成もしていませんけど、本人がやろうと思っているんだから見守っているということです。
うちの夫はもっと積極的に支援していますよ。出来るものなら、自分が被験者として治験に参加したいと言っているくらいなんです。自ら進んでどこの誰とも知らない患者さんに自分の腎臓を提供したような人ですからね、治験には大いに興味があるんですよ。
しかし、多くの治験には年齢制限がありますし、夫は肥満ですし、毎日たくさんの薬を飲んでいるので被験者になる資格がありません。やりたくても無理なのでございます。
お帰りの前に1クリックを!

0 件のコメント:
コメントを投稿