観戦記2026 WBAライト級王座戦 ホルヘ・リナレスvsワシル・ロマチェンコ | 人生マイペンライ

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《本日のTV観賞》

 

いよいよ1週間後に(日本時間9月27日)WBOバンタム級王者のジョンリエル・カシメロがデューク・ミカーと3度目の防衛戦をする。

4月25日に決まっていた井上尚弥選手との3団体統一戦が、コロナウィルスの影響で伸びたのが残念すぎる・・・WBAスーパー&IBFバンタム級王者の井上選手も、10月31日にWBA3位&WBO1位のジェイソン・マロニーとの防衛戦をクリアーして2021年4月ぐらいには3団体統一戦を実現して欲しい!

その後は4団体統一に向かう井上選手だろうが、統一戦は簡単には決まらないだろうし階級を上げてスーパーバンタム級での4階階級制覇を目指すことになるのだろうか!?

拳の怪我が明けて、当時WBAフライ級王者のファン・カルロス・レベコへの挑戦を2014年12月にWBOスーパーフライ級王者の、当時世界最速のわずか8戦での2階級制覇を達成した井上選手だが 『観戦記1947』 その8戦目を塗り替えて、2016年6月にわずか7戦目でフェザー級&スーパーフェザー級の2階級制覇を‘ハイテク‘ワシル・ロマチェンコ!そしてロマチェンコは1年11ヶ月後の2018年5月に、デビュー12戦目で3階級目を狙う!

 

ワシル・アナトリヨビッチ・ロマチェンコは、1988年2月にまだソ連領だったウクライナ南部のビルホロド・ドニストロフスキーという町で生まれる(3年後にソビエト連邦からウクライナは独立)父親が元アマチュアのボクサーで、母親が体操のコーチ、姉が体操選手というアスリート一家で育つ。ロマチェンコは父の指導で、幼い頃からボクシングをして2004年には17歳以下を対象にしたU-17欧州大会で優勝~2006年にはジュニア五輪で優勝~2007年の世界選手権では、シニアのフェザー級決勝でロシアのアルベルト・セリモフに16:11で敗北し準優勝。

2008年の北京五輪ではフェザー級で金メダル、2009年の世界選手権でも金メダル、2011年の世界選手権も金メダル、2012年のロンドン五輪ではフェザー級が無かったのでライト級で金メダルを獲得。なんと!アマで396勝1敗の超人的な戦績でプロに転向。

 

2013年10月にデビューし、WBOフェザー級7位のホセ・ラミレスを4RにKO 『観戦記604』 わずか1戦で世界ランク入り~プロ2戦目で当時WBOフェザー級王者のオルランド・サリドに挑戦するが、サリドは計量オーバーで王座剥奪、頭から突っ込む、ホールディング、ローブローとベテランの味を出しまくられ 1-2 の判定負けで最短王座奪取記録更新ならず 『観戦記723』

しかし3戦目にゲーリー・ラッセルJrとのWBOフェザー級王座決定戦を2-0で勝利し、見事にプロ3戦目の最速タイ記録で王座栄冠 『観戦記817』 初防衛戦はマカオで、マニー・パッキャオvsクリス・アルジェリの前座で チョンラッターン・ビリヤンヨーに判定勝ち~2度目の防衛戦は、あのメイウェザーvsパッキャオの 『観戦記865』 前座でWBO1位のガマリエル・ロドリゲスを9RにKO 『観戦記886』 3度目の防衛戦は、1月にWBOフェザー級7位のロムロ・コアスチャに粘られるも10RにKO 『観戦記1035』 そして正確にはWBOフェザー級王座を保持したまま、プロ7戦目で2016年6月にWBOスーパーフェザー級王者のローマン・マルチネスに挑戦し圧倒的な強さで5RにKO勝ちして 『観戦記1236』 世界最速の7戦目での2階級制覇を達成!

 

2016年11月の初防衛戦で、2階級制覇を狙うニコラス・ウォータースを7R終了時にギブアップに追い込む 『観戦記1486』 ついに100$(約1億1000万)のファイトマネーを得る~2017年4月には、元WBA王者でWBO2位のジェイソン・ソーサを9R終了時にギブアップに追い込み2度目の防衛に成功 『観戦記1674』そして、わずか4ヶ月で3度目の防衛戦にWBO10位のミゲール・マリアガを迎え7R終了後にギブアップさせ3試合連続のロマチェンコ勝ち 『観戦記1792』12月の4度目の防衛戦には同じくオリンピック2連覇のWBAスーパーバンタム級王者のギジェルモ・リゴンドーを6R終了後にギブアップさせ4試合連続のロマチェンコ勝ち 『観戦記1898』

 

そして、2018年に入りいよいよライト級に上げて3階級目を狙う!挑戦するのはこちらも3階級制覇の‘ゴールデンボーイ‘ホルヘ・ルイス・リナレス・バレンシア!

 

ホルヘ・リナレスは父親がボクサーだったらしく、兄弟でボクシングを始めアマチュアでベネズエラのジュニア選手権を5連覇するなど151勝100RSC5敗の成績らしく早くから期待される~軽量級のチャンスを掴む為もあったのだろう?2002年に17歳で来日し、あのエドウィン・バレロとも凌ぎを削る~12月に、後楽園ホールで鄭炅秀をわずか1Rの45秒でKOし日本のボクシングファンに衝撃を与える~タイ人、フィリピン人に3連勝し2003年7月に、初の日本人選手サンダー伊藤選手を3RにTKOで降す~2004年1月には、元WBAフライ級王者のウーゴ・ソトとWBAフェデラテン・スーパーバンタム級王座を獲得~2004年8月には、WBAフェデラテンフェザー級王座 決定戦でレナン・アコスタを判定で降し栄冠~3勝3KO後の2005年5月に、WBAフェデセントロフェザー級王座決定戦でハビエル・ソテロを2RにKOして王座栄冠~その後も8連勝5KOで、2007年7月に元WBCスーパーバンタム級王者の古豪オスカー・ラリオスとWBCフェザー級暫定王者決定戦で10Rに連打でTKO勝ちしコーナーに駆け上がり 「やったー!」 と日本語で叫んだ姿に日本のボクシングファンは涙する

正規王者の池仁珍がK-1転向を表明した為に正規王者~12月に後のWBCフェザー級王者のガマリエル・ディアスを8Rに失神KOさせ初防衛に成功~2008年5月にフェイデル・ビロリアと2度目の防衛戦予定も、リナレスが右肩腱板損傷により試合をキャンセルし体重も苦しくなってきたのもあり王座を返上~2008年11月にパナマで、エドウィン・バレロが返上したWBCスーパーフェザー級王座を9位のワイルド・ガルシアと争い5RにTKO勝ちで2階級制覇~2009年6月に、ホサファト・ペレスを8RにTKOで降し初防衛に成功~10月に、久しぶりの日本のリングで2度目の防衛戦をファン・カルロス・サルガドの挑戦を受けるも1Rに2度のダウ ンを奪われTKO負けで初黒星を喫し王座陥落~2010年3月に地元ベネズエラで、ドミニカ共和国のフランシスコ・ロレンソに2-0の判定勝ちで再起する~7月には、シドニー五輪銀メダリストのロッキー・フアレスとのWBAフェデラテンライト級暫定王座決定戦を判定勝ちで王座栄冠~10月には国技館で元WBCスーパーフェザー級&元IBFライト級王者のヘスス・チャベスに4RにTKO勝ち~2011年5月にアドリアン・ベルドゥゴを7RにTKOで降し、いよいよ3階級制覇を目指し、10月にロスアンゼルスでWBCライト級1位のアントニオ・デマルコとWBCライト級王座決定戦で争うも11RにTKO負け 『観戦記8』

さらに2012年3月に、WBCライト級挑戦者決定戦でセルヒオ・トンプソンと争うも2RにTKO負け『観戦記170』素晴らしいスピードとテクニックもライト級では打たれ弱さを指摘されるも、ヘクトール・ベラスケス、デビッド・ロデラ、バーマン・サンチェスに3連勝2KO~2013年11月に、WBAライト級王者のリカルド・アブリルに挑戦して3階級制覇を目指す予定だったがアブリルの怪我により代替えノンタイトル戦で元WBCカリブ・スーパーライト級王者フランシスコ・コントレラスを1RでKOする 『観戦記629』 そして、2014年3月にWBCライト級王者オマール・フィゲロアへの次期挑戦者決定戦で荒川仁人選手とラスベガスのMGMガーデンアリーナで争い判定勝ちし挑戦権を獲得 『観戦記728』 しかし、フィゲロアが激戦続きで休養王者になり、12月にWBCライト級2位のハビエル・プリエトとWBCライト級王座決定戦を4RにKOして王座栄冠し3階級制覇!そして2015年5月には、イギリスに乗り込みWBC1位のケビン・ミッチェルの挑戦を受ける~5Rにダウンを奪われるも10Rに逆転のTKO勝ちし初防衛に成功 『観戦記952』

10月には、故郷ベネズエラでWBC10位のイバン・カノを2度のダウンを奪い5RにTKO勝ちで2度目の防衛に成功~そして、WBCからライト級1位のデヤン・ズラチカニンとの対戦指令が来るがリナレスが右拳を骨折したため中止・・・・リナレスは休養王者に認定される。そして、ズラチカニンはWBCライト級5位で元南米ライト級王者のフランクリン・ママニと王座決定戦を3RにTKO勝ちしてモンテネグロのボクサー初の世界王座を獲得。

そしてリナレスは、休養王者から復帰して正規王者との統一戦かと思えば・・・・・なんと!WBAライト級王者との統一戦に挑む!WBAライト級王者のアンソニー・クロラのホームである、ボクシング熱が燃えるイギリスのマンチェスターに乗り込み大熱戦も判定勝ちでWBCに続きWBA王座も獲得 『観戦記1397』 だが、WBCは訳が分からないダイヤモンド王座へ・・・・2016年9月にアンソニー・クロラとのダイレクトリマッチも、またも判定で降して 『観戦記1518』 WBA王座の初防衛に成功

 

さらに、2017年9月にまたもイギリスのWBAランキング1位ルーク・キャンベルとアメリカで対戦し2-1の判定勝ちをしてWBA2度目の防衛に成功 『観戦記1796』2018年1月には、WBA15位のメルシト・へスタを大差判定で降しWBA3度目の防衛に成功 『観戦記1937』

 

いよいよロマチェンコが3階級目を狙ってライト級に上げてきた!デビュー戦以外は総て世界戦という2度と現れないだろう奇跡を魅せ続けるロマチェンコに、デビューは同じフェザー級から3階級制覇したホルヘ・リナレスも初のマジソン・スクエア・ガーデンに登場となる究極のスピード対決!

 

2018年5月12日 WBAライト級王座戦 ホルヘ・リナレスvsワシル・ロマチェンコ

 

ホルヘ・リナレス 44勝27KO3敗 4度目の防衛戦

 

ワシル・ロマチェンコ 10勝8KO1敗 2階級制覇王者

 

1R、ロマチェンコは、それほど動かずに見る~リナレスは廻りながら上下に打っていく!

 

しかし、珍しく初回からロマチェンコも距離が詰めて入っていく!

 

2R、ロマチェンコが大きく右に廻る~リナレスは高速のコンビネーション!

 

リナレスが右を打ち降ろす~ボディー連打!ロマチェンコは廻りこんでかわしていきアッパー!

 

3R、さらに、変幻自在に動くロマチェンコ~リナレスも惑わされずに左を当てる

 

リナレスは、下がりながら誘いアッパー!ボディー!ロマチェンコの手数が増してくるが左アッパー!

 

4R、リナレスもガードをあげてプレスをかけるが、ロマチェンコは手数を増してガードの隙間にパンチを入れていく!

 

ロマチェンコのヒット数が多くなる~足の動きも増していくが、リナレスのカウンターも当たる距離!

 

5R、ロマチェンコが、圧倒的なプレスと手数でリナレスを追い込む!

 

リナレスも左右のボディーで止めにいくが、ロマチェンコは右に廻りながらガードの隙間を縫うようにパンチを入れていく

 

6R、さらに、ロマチェンコがペースを上げる~前に出ながら、滑るように廻りこみポンポン手を出す

 

リナレスはロープに詰まるが、回転の速い連打で押し返す!

 

しかし、ロマチェンコもここは力強よく打ち返し引かない!

 

ロマチェンコは、警戒しつつもガンガン詰める~リナレスは廻りながらカウンターの右!なんとロマチェンコがダウン!

 

ロマチェンコは立ち上がるがダメージはどうか!?残り時間は僅かで廻ってラウンド終了

 

7R、ロマチェンコは廻る~リナレスは一気に出ていきたいが、まだ警戒しているか!?

 

ロマチェンコは無理に攻めず、軽いパンチを当てながら動く

 

8R、再びロマチェンコが、ポンポン手を出しながらリナレスを追う~リナレスもよく見ながらワン・ツー!

 

しかし、ロマチェンコがより速く強く連打!リナレスは左目上をカットする

 

9R、リナレスから詰めてくっつこうとするも、廻りながら当てているのはロマチェンコ!

 

リナレスも前に出る~ロマチェンコはサイドに廻りながらボディー~さらにロマチェンコのボディー!リナレスは速いコンビネーションを返す!

 

10R、リナレスが強く出る~ロマチェンコも廻りながら返す!

 

リナレスがボディー連打!ロマチェンコも細かくガードの隙間から連打~左ボディー!

 

リナレスがついに崩れる!なんとか10カウントギリギリに立がるも終了!

 

見事に10RにTKO勝ちで、ワシル・ロマチェンコがWBAライト級王座を獲得し3階級制覇達成!12戦目での3階級制覇は井岡一翔選手の18戦を抜く新記録。ハンドスピードなどではリナレスも魅せて、ロマチェンコから初ダウンを奪う見せ場をつくったが・・・・ロマチェンコはダウンを 『少しリラックスしてしまった。(リナレスは)スピードを生かし、多くのカウンターを狙ってきたが私は自分のやりたい事が出来ていると思っていた。その考えは間違っていて、リナレスのパンチを貰ってしまった』 と話す。

動き全体の滑らかさとスピードに翻弄されて、リナレスでさえも簡単にサイドに廻られてしまい、最後はコンビネーションからサウスポーにとっては1番遠いレバーブローでフィニッシュ。

それでも9R終了時の採点は、86-84 84-86 85-85の3者3様のドローだったみたいで、リナレスも 『驚かされることはなかった。接戦だったし、興味深いファイトになった。ただ、最後のボディー打ちには驚かされた。まだ戦いを続けたかったが、レフェリーにストップされてしまった』 と、48戦目でやっと掴んだビックマッチで素晴らしい試合だったが6年2ヶ月振りの敗北。

 

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