観戦記2305 WBCライトヘビー級王座統一戦 アドニス・スティーブンソンvsオレクサンダー・グ | 人生マイペンライ

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《本日のTV観賞》

 

ロシアがウクライナ国境付近に10万人規模の軍を配備し、アメリカを中心とした欧米諸国が非難を強めて緊張が走っている。元々ウクライナはポーランド王国~ロシア帝国の支配下で、ベラルーシなどとソビエト連邦の構成国になった。ソビエト連邦が崩壊後はウクライナとして人口4000万人の独立国家だが、2014年のウクライナ騒乱ではヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領がロシアに亡命しウクライナが欧米寄りになりNATO(北太平洋条約機構)への加盟への動きも含み世界規模での問題となっている。

クリミヤ半島の紛争は歴史上簡単にはいかないが、格闘技界では重要な地域で‘ロシアンフック‘を得意とした「北の最終兵器」イゴール・ボブチャンチンはPRIDEでの活躍時ロシア国籍のように扱われていたが国籍はウクライナ。1998年10月のPRIDE初参戦前の1993年にはウクライナ代表として世界キックボクシングアマチュア選手権に出場している。

そして2013年にワシル・ロマチェンコ、オレクサンドル・ウシクがプロデビューしてからはウクライナと云えば華麗なステップワークでプロボクシングに革命を起こした。

そして、同じくウクライナ代表でオリンピックメダリストの‘ウクライナの爪‘と呼ばれるオレクサンドル・グボジークは1年遅れの2014年にデビューして華麗さもあるがゴツゴツとしたロシアっぽさもある。

 

1987年4月にウクライナのハルキフ出身 「ウクライナの爪」の異名を持つオレクサンダー・グボジーク(オレクサンドル・グウォジク) アマチュアで2009年、2010年、2011年度ウクライナのライトヘビー級王者。2009年の世界選手権では3回戦、2011年の世界選手権ではベスト8~2012年のロンドン五輪の準決勝で、アディリベク・ニアジムベトクに判定負けして銅メダルを獲得。

2013年のユニバーシアード・ライトヘビー級で、金メダルを獲得するなどアマチュア戦績220勝30敗でトップランク社と契約~マネージャーはワシル・ロマチェンコと同じエグリス・クリマス、アメリカのカルフォルニ州オックスフォードを拠点にプロ転向~2014年4月、マニー・パッキャオvsティモシー・ブラッドリーⅡ 『観戦記755』 のアンダーカードでデビューし、マイク・モントーヤを1RでKO勝ち~ハイペースで連勝を続け9連勝7KO無敗で、2016年4月にナジブ・ムハンマディを2RにKOしてNABF北米ライトヘビー級王座を獲得~7月に、アドニス・スティーブンソンのWBCライトヘビー級王座に挑戦経験のある 『観戦記986』 トミー・カーペンシーを6RにTKOで降し初防衛に成功~11月に3団体ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフに挑戦経験がある 『観戦記1227』 アイザック・チレンバを8R終了時にギブアップさせ2度目の防衛に成功 『観戦記1462』

 

2017年4月にユニエスキ・ゴンサレスを3RにTKOで降しNABA北米王座3度目&NABO北米ライトヘビー級王座を獲得~8月にもクレイグ・ベイカーを6RにTKOで降して、NABA北米王座4度目&NABO北米ライトヘビー級王座の初防衛に成功 『観戦記1798』

 

いよいよ世界挑戦か!?と思われたが、WBAはディミトリー・ビボルが指名挑戦のサリバン・バレラ 『観戦記2019』 IBF王者のアルツール・ベテルビエフは、プロモーションと裁判中。WBO王者のセルゲイ・コバレフは、4位のイゴール・ミカルキンと防衛戦 『観戦記2020』 WBCは、指名挑戦試合をしていなかったアドニス・スティーブンソンがバドゥ・ジャックと防衛戦になり・・・・何故かWBC暫定王座決定戦に出場し、WBC10位のメディ・アーマーを判定で降しWBCスーパーミドル級暫定王座を獲得 『観戦記2030』

 

そしてWBCの指令により、ついにWBC正規王者のアドニス・スティーブンソンと統一戦!

 

1977年9月に1977年9月に中央アメリカのハイチ生まれたアドニス・スティーブンソン(アドニス・ステベンソン)は、波乱の人生を歩んできたらしい苦労人で幼い時にカナダに移住~21歳の時に売春の斡旋と暴行罪で逮捕され4年間の服役~出所後の27歳からボクシングを始めて、早くもその年にはカナダケベック州のミドル級王座を獲得。2005年の世界選手権は1回戦負け~2006年のコモンウェルズゲームのミドル級で銀メダルを獲得~カナダ国内ベストアマチュア選手に選出される。

2006年9月にマイク・ファンクを1RでKOしデビューを飾ると9連勝(8KO)で、2007年12月にデビット・ワトソンとカナダスーパーミドル級王座決定戦で争い判定勝ちで栄冠~2008年4月には、デシャイフ・スミスとのWBC米大陸スーパーミドル級王座決定戦で5RにTKO勝ちで栄冠~8月には、アンソニー・ボンサンテを1RでKOし初防衛に成功~2009年9月にジャーメイン・マッキーと、WBCインターナショナルスーパーミドル級王座決定戦で対戦し5RにTKO勝ちで栄冠~しかし、2010年4月に、ダーネル・ボーンに2RにTKO負けで初黒星~しかし2011年4月に再起し、デレク・エドワーズを3RにKOしてNABA北米スーパーミドル級王座を獲得~2011年11月にも、NABAミドル級の防衛戦とNABO北米スーパーミドル級王座決定戦でアーロン・パイロJrを9RにTKO勝ちしNABAミドル級を防衛しNABOミドル級王座を獲得~2012年2月には、ヘスス・ゴンサレスを1RでKOしIBFインターコンチネンタルスーパーミドル級王座を獲得~4月にも、ノエ・ゴンサレスを2RにTKO勝ちでWBCミドル級シルバー王座を獲得~10月にはIBFスーパーミドル級挑戦者決定戦でドン・ジョージを1RでKOし挑戦権を獲得するが、2013年6月に35歳でチャド・ドーソンのWBCライトヘビー級王座に挑戦し1RでKOして王座獲得 『観戦記529』 初の世界王座挑戦で見事に栄冠する。

9月の初防衛戦は、元IBFライトヘビー級王座のタボリス・クラウドを7RTKOで初防衛に成功~11月の2度目の防衛戦は、後のWBCクルーザー級王者になる 『観戦記1366』 トニー・ベリューを6RにTKO勝ちし2度目の防衛に成功 『観戦記676』

 

2014年5月にアンドルー・フォンファラにダウンを奪われるも、判定で下し3度目の王座防衛に成功~12月の4度目の防衛戦では、ディミトリ・スホットスキーを5RにKO~2015年4月の5度目の防衛戦は、元WBCスーパーミドル級王者のサキオ・ビカに判定勝ち 『観戦記890』 2015年9月の6度目の防衛戦に、WBC9位のトニー・カーペンシーを3RにTKO勝ち 『観戦記986』 11月にWBCから、WBA&IBF&WBO王者のセルゲイ・コバレフと統一戦の指令が出る!2016年1月に防衛戦を勝利したコバレフにリング上から 『俺と試合をしろ"チキン"ソン』 と中指を立てられるが・・・・・2016年7月に、WBC8位のトーマス・ウィリアムスを4RにKOして7度目の防衛に成功 『観戦記1389』

 

指名挑戦者のエレイデル・アルバレスとの防衛戦をWBCに指令されるも、スティーブンソンは待ち料金を払い2017年6月にWBC6位のアンドレイ・フォンファラとの8度目の防衛戦を2RにTKO勝ち『観戦記1733』

 

エレイデル・アルバレスは、WBO王者のセルゲイ・コバレフ戦に向かい王座獲得 『観戦記2173』 2018年5月に、WBC1位で元WBCスーパーミドル級&元WBAライトヘビー級王者のバドゥ・ジャックと大激闘も判定ドローで防衛成功 『観戦記2065』

 

両陣営で入札が開催されるも、スティーブンソンのGYMボクシング&TGBプロモーションが落札してスティーブンソンの地元カナダのケベック州で開催される正規王者と暫定王者の統一戦!身長ではサウスポーのスティーブンソンが180cmでグボジークが188cmだが、リーチではスティーブンソン196cmグボジーク192cmの中でどんな闘いになるか!?

 

2018年12月1日 WBCライトヘビー級王座統一戦 アドニス・スティーブンソンvsオレクサンダー・グボジーク

 

アドニス・スティーブンソン 29勝24KO1敗1分 10度目の防衛戦

 

オレクサンダー・グボジーク 15勝12KO無敗 WBCライトヘビー級暫定王者

 

1R、お互いに、前手をぶつけ合い牽制しあう~グボジークが右!しかし、まだ遠いか!?

 

グボジークも、スティーブンソンの打ち終わりに右を狙う~しかし、スティーブンソンの飛び込みが鋭い!

 

2R、グボジークが左右に大きく廻る~入っていったところに、スティーブンソンの左!

 

グボジークは左に回り込むも、またしてもスティーブンソンの素早い左を貰う!

 

3R、ラウンド開始直後にスティーブンソンが左を振るも、打ち終わりにグボジークも右!

 

スティーブンソン倒れるが、レフリーはスリップの判定

 

再開後は、ダメージ無さそうなスティーブンソンが廻りながら攻める~グボジークは手数少ない

 

4R、やはり、このラウンドもスティーブンソンから攻めていき左を伸ばす~グボジークはバックステップでかわす

 

グボジークは左に廻るが、スティーブンソンは左の一辺倒~グボジークが廻り込みボディー!

 

5R、前に出ながら左を狙うスティーブンソンと、左に廻りながら右を狙うグボジーク

 

グボジークがスティーブンソンの打ち終わりを狙うが、スティーブンソンの左を避ける為に遠い

 

6R、まだまだ左右に廻るグボジークに、スティーブンソンはボディー~さらにグボジークは左に回り込む!

 

当てながら廻るグボジークに、あくまでも左ストレートで追いかけるスティーブンソン!

 

7R、グボジークが勝負に来ているか!?廻りながらも踏み込んでいく

 

スティーブンソンは左を振るのみで当たらない~グボジークは、大きく廻りながらもダイレクトの右!

 

8R、グボジークが出てきているのもあり、スティーブンソンが入り込んでレバー打ち!

 

グボジークはスピードを上げて、サイドに回り込んで右ストレートを何発も当てる!

 

9R、軽快に廻るグボジークに、スティーブンソンは俺はコレだと云わんばかりの左ストレートを連打!

 

グボジークも、体を振りながら仕掛けようとする~スティーブンソンは左を、グボジークは右を狙うも外れる

 

10R、やはり左ストレートを狙うスティーブンソンに、グボジークは運動量落ちずに廻る~スティーブンソンの打ち終わりに右!

 

グボジークが出ていくが、そうなるとスティーブンソンの左が当たる!グボジーク効いた!

 

スティーブンソンが極めにいくが、グボジークも必死にクリンチして時間を稼ぐ

 

11R、スティーブンソンは、前ラウンドてラッシュで疲れているか~グボジークがアウトを取って打ち込む!

 

スティーブンソンが打っていけば、グボジークは廻り込んで右!

 

スティーブンソンは追いきれない~グボジークが右!右!

 

スティーブンソン効いた~一気にグボジークが連打でロープに追い込む!

 

スティーブンソンは必死にクリンチ~しかし、スティーブンソン効いている!グボジークの右!

 

なんとか動こうとするスティーブンソンも、反応は出来ていなくグボジークの右!

 

動けないスティーブンソン~レフリーも覗き込むが、グボジークのワン・ツー!

 

グボジーク連打!スティーブンソンは必死にクリンチも、グボジーク振りほどいて右!危ない!

 

レフリーが止めに入る!崩れ落ちて動けないスティーブンソン!

 

戦慄の11RTKO勝ちで、オレクサンダー・グボジークが王座統一して記録上は初防衛に成功!10Rまでの採点は2-0でスティーブンソンがリードしていたらしいが、終盤はグボジークがアウトを取っての右ストレートのタイミングを掴んで衝撃的なラストシーンとなりスティーブンソンは意識不明となり病院へ緊急搬送される。脳への損傷で3週間昏睡状態だったらしいが回復し歩けるようになる 『僕は戻ってきました。アドニスは帰ってきたんです。神様が願いを聞いてくれたんです。帰宅したとき、僕は子どもたちの名前を呼びました。子どもたちは 『パパが覚えてる』 と言いましたよ。若者がボクシングを学びたいなら、僕がここにいますよ。彼らのための用意はできてます』 と、波乱の人生から立ち直り世界王者にまでなったスティーブンソンらしく指導者の道に意欲を見せた。

グボジークも 『俺は彼と彼の家族のことを考えてハッピーになるよ。今彼はもう100%健康な人のように見えるしね。だから俺は彼のことをハッピーに思ってるしもう何も動揺することはないよ。もちろん俺はあの全てのことに動揺したよ。もちろん俺は勝てて嬉しかった。あれは俺の人生最大の達成だからね。それと同時に俺の人生で最大の不幸な事故が起きたことでもあった。でもそのことについて完璧に罪悪感を持ってたわけではない。だってこれはボクシングで俺のせいではないからね。多くのことが起きるのには理由があるし彼の年齢もあったかもしれない。何が起きたのかわからなかったけど俺は動揺したよ。もちろん彼のことをすごく心配した。でも俺の勝ちを祝福することはできたよ。あれはタフだったね。彼に話しかけることはできなかったけどニュースを拾ってた。眠れなかったわけではないし死にそうにもなってないけど心に残ってたね。誰かの人生を破壊したり奪ったりするような人になりたくないからね。彼が回復して意識を取り戻して共通の人の話で彼が95%は普通の人と変わらないと聞いて嬉しかったね』 と話し、次戦はわずか4ヶ月弱の2019年3月にWBC8位のドゥドゥ・ヌグンブの挑戦を受ける。

 

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