観戦記2490 IBOライトヘビー級王座戦 アントニオ・ターバーvsバーナード・ホプキンス | 人生マイペンライ

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《本日のDVD観賞》

 

いまだに格闘家に「〇〇のロッキー」という呼び方をするぐらい映画のロッキーシリーズは日本でも絶大な名前だが、日本では「あしたのジョー」も、いまでもボクシング界の絶大なイメージと影響が残っている。あしたのジョーは、1967年12月から始まり1973年5月に終わる。映画ロッキー.1が公開されたのが1976年11月で、日本ではシルベスター・スタローンがあしたのジョーを観て感化された説があった。ロッキーは極貧時代のスタローンが、1975年のモハメド・アリvsチャック・ウェプナーのヘビー級王座戦を観て執筆したと云われている台本だがラストで判定敗け以外は似ていないが逸話としては面白い。

シルベスター・スタローンは母親がボクシングジムを経営していて、学生の時からボクシングの練習をしていたらしい。映画では映画らしい殴り合いが繰り広げられるが、2006年の「ロッキー・ザ・ファイナル」では現役のIBOライトヘビー級王者のアントニオ・ターバーが出演し無敵の王者メイソン・ディクソンを演じている。

ントニオ・ターバーは2005年10月に、あのロイ・ジョーンズJrに連勝してIBOライトヘビー級王座を防衛しキャリアハイの後に「ロッキー・ザ・ファイナル」の撮影に入った

 

1968年11月にアメリカのフロリダ州オーランドに生まれた‘Mgic Man‘アントニオ・デオン・ターバーは、1995年全米選手権~パンアメリカ選手権、ドイツのベルリンで行われた世界選手権で金メダルを獲得~1996年のアトランタ五輪ライトヘビー級で銅メダルを獲得。アマチュア戦績158勝8敗の素晴らしい戦績を残す。

1997年2月に27歳という遅さでデビューし、ホアキン・ガルシアに2RでTKO勝ち~さらに15連勝13KOして、2000年6月にエリック・ハーディングとIBFライトヘビー級王座挑戦者決定戦も判定敗け。2001年2月に再起して2連勝2KO~2002年1月に、レジ―・ジャクソンを2-1の判定で降しNABF北米&USBA全米ライトヘビー級王座を獲得するとともにIBFライトヘビー級王座挑戦権を獲得~7月に、エリック・ハーディングに5RでTKO勝ち~2003年4月にロイ・ジョーンズJrが返上した、WBC&IBFライトヘビー級王座決定戦でモンテル・グリフィンを判定で降し両王座を獲得。

IBF王座は返上するも、2003年11月にWBC王座の防衛とWBA&IBO王座決定戦でロイ・ジョーンズJrと対戦し判定敗けで王座陥落~2004年5月に、ロイ・ジョーンズJrとのリマッチを2RにTKO勝ちしてWBAスーパー&WBC&IBO王座を獲得。

WBAは返上し、IBF王者のグレンコフ・ジェイコブスとの対戦を12月に決めるもWBC王座は剥奪されジェイコブスもIBFを剥奪され・・・試合も1-2の判定敗けしIBO王座も失う~しかし、2005年6月にグレン・ジェイコブスとの再戦に判定勝ちしIBO王座を再栄冠~そして10月に、ロイ・ジョーンズとの再戦も判定勝ちしてIBO王座の初防衛に成功。

 

そして、「ロッキー・ザ・ファイナル」の撮影に参加するなどしたが、IBO2度目の防衛戦に向かえるのは再び大物の元4団体統一ミドル級王者のバーナード・ホプキンス!

 

1965年1月にアメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれた‘B―HOP‘バーナード・ホプキンスはアメリカのペンシルベニア州フィラデルフィア北部のスラム街に生れる。劣悪な生活環境の中で育つが、10歳でボクシングを始める~アマチュアで99戦95勝4敗の戦績を残しているらしいが、17歳の時に9つの罪に問われ懲役18年を言い渡され服役する~刑務所内にボクシングジムがありスモーキーことマイケル・ウィルソンからジムに誘われて刑務所内でボクシングをして才能を伸ばす~各地の刑務所より選抜された選手同士で試合が開催され、ポプキンスは強豪として刑務所間で知れ渡る存在となる~しかし模範囚だったのだろう、約5年で仮釈放されてそれからも刑務所内のジムに通って1988年10月にデビューするが、なんと0-2の判定負け。しかし、そこから20連勝16KOして1992年12月にウェイン・パウエルとのUSBA全米ミドル級王座決定戦を1RでKOして王座獲得~1993年2月に、ギルベルト・バプチストに判定勝ちして初防衛に成功。そして、5月にIBFミドル級王座決定戦で後にスーパーミドル級、ライトヘビー級で3団体統一ライトヘビー級王者になるロイ・ジョーンズJrに判定負けし王座獲得ならず。

 

再起戦で8月にロイ・リッチーを8RにKOして、USBA全米ミドル級王座の2度目の防衛に成功~11月にウェンドール・ホールを3RにTKOで降し3度目の防衛に成功~ノンタイト戦も挟み、1994年5月にもルペ・アキノを判定で降し4度目の防衛に成功~12月に、IBFミドル級王座決定戦でセグンド・メルガドと争うもドローで栄冠ならず~1995年4月に再度、セグンド・メルガドと決定戦をして7RにTKOで降し念願の世界王座を獲得~そこからは、まさに「死刑執行人」1996年1月にスティーブ・フランクを1RにKOして初防衛に成功~3月にジョー・リプシーを4RでKOし2度目の防衛に成功~7月にウィリアム・ボー・ジェームスを11RにTKOし3度目の防衛に成功~1997年4月にジョン・デビッド・ジャクソンを7RにTKOで降し4度目の防衛に成功~7月にグレンコフ・ジョンソンを11RにTKOで降し5度目の防衛に成功~11月にアンドリュー・カウンシルを判定で降し6度目の防衛に成功~1998年1月にサイモン・ブラウンを6RにTKOで降し7度目の防衛に成功~8月のロバート・アレンとは、クリンチで揉み合った時にレフリーが巻き込まれ再開ができなくなり4Rに無効試合になり8度目の防衛に成功~1999年2月に再戦となり、7RにTKOで降し9度目の防衛に成功~12月にはアントワン・エコーズを判定で降し10度目の防衛に成功~2000年5月にも、シド・バンダープールを判定で降し11度目の防衛に成功~12月にアントワン・エコーズとの再戦を10RにTKOで降し12度目の防衛に成功~2001年に入り、WBA王者&WBC王者&IBF王者に、ウェルター級&スーパーウェルター級の2階級制覇したフェリックス・トリニダートを加えたミドル級最強トーナメントが開催される!ポプキンスの1回戦は、WBCミドル級王者のキース・ホームズとの統一戦を判定勝利。IBF王座を13度目の防衛しWBC王座も獲得~9月の決勝ではWBA王者になったトリニダートを12RにTKOで降し、マービン・ハグラー以来のミドル級3団体統一王者に輝く(WBOミドル級王者は1989年から選定されたがまだこの時点での評価は低い)

2002年2月に、カール・ダニエルズを10Rで棄権に追い込みWBA初防衛(WBAはスーパー王者)WBC2度目、IBF15度目の防衛に成功~2003年3月にモラード・アッカールを8RにTKOで降しWBAスーパー2度目、WBC3度目、IBF16度目の防衛に成功~12月に、WBAレギュラー王者のウィリアム・ジョッピーを大差判定で降しWBAスーパー3度目、WBC4度目、IBF17度目の防衛に成功~2004年6月に、ロバート・アレンを大差判定で降しWBAスーパー4度目、WBC5度目、IBF18度目の防衛に成功~そして、2004年9月にWBOミドル級王者で6階級制覇王者のオスカー・デラ・ホーヤと4団体統一戦で対戦し(ミドル級160ポンドではなく158ポンド契約)9Rにボディーでデラ・ホーヤをKOしてWBAスーパー5度目、WBC6度目、IBF19度目の防衛に成功

 

2005年2月に、ハワード・イーストマンを大差判定勝ちしWBAスーパー6度目、WBC7度目、IBF20度目、WBO初防衛に成功~しかし、7月にジャーメイン・テイラーに1-2の判定負けで王座陥落~12月にダイレクトでのリマッチで王座奪還を狙うがまたも判定負け。そしてラストファイトの表明もありながら、2006年6月に一気に2階級上げてIBOライトヘビー級王座に挑戦!

 

2006年6月10日 IBOライトヘビー級王座戦 アントニオ・ターバーvsバーナード・ホプキンス

 

アントニオ・ターバー 24勝18KO3敗 2度目の防衛戦

 

バーナード・ホプキンス 46勝32KO4敗1分1無効試合 元4団体統一ミドル級王者

 

1R、ホプキンスが、いきなり嫌らしさ全快のクリンチワーク~そして、ターバーが打ってきても柔らかいディフェンス

 

ホプキンスは、廻りながらジックリ見る~手数は少ないも右!

 

2R、ホプキンスのノラリクラリを壊したいターバーが突っ込む!

 

ホプキンスは飛び込んで、打ったらクリンチ~廻りながらダイレクトの右!

 

揉み合いになるとホプキンスの土俵~クリンチから右!さらに追いかけ右!

 

3R、ターバーが出ていき手数多く打つも、ホプキンスは柔らかくかわす

 

ターバーが攻めてはいるが、ホプキンスはダイレクトの右を当ててはクリンチ

 

4R、ホプキンスの、廻りながらダイレクトの右からのクリンチにターバーは攻める事ができない~ターバーが詰めてくれば、ホプキンス大きく左フック!

 

ノラリクラリのホプキンスに、ターバーはコーナーに追い込み左!

 

ホプキンスは、ゆったりとしたリズムからダイレクトの右!

 

5R、廻りながら、絶妙なクリンチで省エネなホプキンス~飛び込んでの右!

 

攻めているのはターバーだが、左アッパーをかわしたホプキンスが右!

 

後方に吹っ飛んだターバーは、グローブはマットに着いてなく見えたが判定はダウン!

 

立ち上がったターバーに、ホプキンスは焦らないもダイレクトの右!ターバーはブロック

 

6R、ホプキンスの動きに、ターバーは手が出なくなる~ホプキンスがモーション無くダイレクトの右!

 

ホプキンスが出ていく~ターバー廻るが、ホプキンスが低く入って右!

 

7R、ターバーが強く出てくる~ホプキンスはコーナーに追い込まれるが、右ストレートで突っ込み左フック!

 

ホプキンスは攻め焦らず、距離をとりながらダイレクトの右!

 

8R、やはりターバーがプレスをかけてホプキンスをコーナーに追い込むが、ホプキンスは頭を傾けながらの右で抜けていく

 

ターバーは直ぐに追いかけ、ホプキンスをコーナーに追い込み連打!

 

9R、ラウンド開始直後から、ホプキンスはロープを背にするがカウンターの右!

 

それでもターバーは、身体ごと当たっていく~ホプキンスをロープに押し込み連打!

 

10R、ポイントはリードしているだろうホプキンスが、ロープづたいに廻りながら右で飛び込む!

 

ダイレクトの右を当てては抜けていくホプキンス~ターバーが手を止めると、ホプキンスが細かい連打で追い込む!

 

ターバーもムキになってうっていくが、ホプキンスは涼しい顔で抜けていく

 

11R、ターバーが連打でホプキンスを下げるも、ディフェンス固いホプキンスは打ち終わりを狙う!

 

さらにホプキンスが攻める~ターバーのパンチはノラリクラリかわしながら右!

 

12R、ホプキンスは打ち合わずに、ターバーのパンチを悠々とかわす

 

それでもホプキンスはカウンターの右~下がったターバーに右!

 

判定は、ジャッジ3者とも109-118の大差でバーナード・ホプキンスが王座奪取!

 

これぞ、ライトヘビー級でのバーナード・ホプキンスの試合が出来上がった試合となり41歳ながら第二の黄金期というか老獪ぶりに磨きがかかる。そしてホプキンスの次戦は、1年1ヶ月後の2007年7月にスーパーウェルター級で8年かけて4団体すべての王者になったロナルド・ライトと対戦。

王座を陥落したアントニオ・ターバーは、その後ホプキンスの返上した後のIBOライトヘビー級王座決定戦でエリビル・ムリキを判定で降し王座返り咲き。後のターバーはホプキンス戦について 『ホプキンスと言わねばならないでしょう。あの時は自分はベストコンディションではなかったので彼にパンチを当てるのが難しかった。映画の撮影で長いレイオフがあったのです。ホプキンスは全ての面で私を上回って凌駕しました。しかし試合をした気がしません。体験学習のような感じで私にとって最悪のパフォーマンスでした。』 ラストファイトは9年後の2015年8月に、元IBFクルーザーj級王者のスティーブ・カニンガムとドロー

 

★映画出演が勝負に影響がしたとも言われたが・・・ 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村