観戦記2955 WBC&WBAフライ級王座統一戦 寺地拳四朗vsユーリ阿久井政悟 | 人生マイペンライ

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今年の1月末に、元WBCバンタム級王者薬師寺保栄さんが女性に対する傷害の疑いで現行犯逮捕された。なんとも悲しい事件だが、名古屋のボクシング関係者などからは 「あまり驚かない」 との声が多い。世紀の対決となった辰吉丈一郎さんは、いまだにトレーニングをしていて・・・・次男が昨年末には、東洋太平洋王座に挑戦するほどになっている 『観戦記2902』 1994年12月の辰吉さんとの王座統一戦の視聴率は、関東で39.4%、関西で43.8%、東海地区で52.2%という、今では考えられない視聴率を叩きだした。日本人による世界王者対決だったが、薬師寺さんはWBCバンタム級王者で辰吉さんはWBCバンタム級暫定王者での統一戦だった。

初の日本人同士による他団体の世界王者同士の対決は、2012年6月のWBCミニマム級王者井岡一翔vsWBAミニマム級王者八重樫東 『観戦記210』 2度目が2022年1月の、WBAライトフライ級スーパー王者京口紘人vsWBCライトフライ級王者寺地拳四朗 『観戦記2481』

両方ともWBC王者が勝った統一戦だが、敗者の勝ちを下げるような闘いではなかった。4団体が日本でも認可され、バンタム級のように4団体の王者全てが日本人と言う凄まじい状況。その中で、2度目の王者同士の統一戦と言う日本ボクシングの歴史に残る対決を挑むのが、WBCフライ級王者の寺地拳四朗選手!

 

1992年1月に京都府城陽市に生まれた寺地拳四朗選手は、元日本ミドル級王者(3度防衛)で元東洋太平洋ライトヘビー級王者でもある(4度防衛)寺地永さんの長男。名前は、なんと漫画‘北斗の拳‘から本当にとったらしいから驚き!父は189cmの大きな体を誇るが、拳四朗選手は164.5cmと小柄。ボクシングも父いわく 『無理やりやらせた面もある』 らしいが、奈良朱雀高校時にはインターハイや国体に出場するなど才能を開花。高校3年時の2009年のインターハイでは、現WBOスーパーフライ級王者の井上尚哉選手に3Rにレフリーストップ負けをしている。

関西大学に進学し、大学4年時には国体で成年男子ライトフライ級優勝~やりたかったのは、競艇だったらしいが、2度受験に失敗。2014年8月に、父が経営するB.M.Bボクシングクラブから井岡一翔選手とも対戦経験がある 『観戦記205』 東洋太平洋ミニマム級11位のヘリ・アモルを相手にデビューし判定勝ち~10月にファウワナイ・ウォースラポーを2RにTKO、2015年3月に長嶺克則選手を7RにTKO、8月に大前貴史選手に4RにTKO、3連続KO勝利して10月にロリー・スマルポンとWBCライトフライ級ユース王座決定戦で争い判定勝利で栄冠。

12月には、日本ライトフライ級王者の堀川謙一選手に挑戦し判定勝利し栄冠~2016年4月には初防衛戦で角谷淳志選手を迎えるが1RにTKO勝ち~8月の2度目の防衛戦は大内淳雅選手と東洋太平洋ライトフライ級決定戦の2本のベルトが賭けられるも、大差判定勝ちで日本王座防衛と東洋太平洋王座も獲得!親子2代での日本&東洋太平洋王座の栄冠は日本初の偉業達成 ~12月には、東洋太平洋王座の初防衛戦でレスター・アブタンを3RにTKO勝利。2017年4月に日本王座3度目の防衛戦が予定されるが、5月にガニガン・ロペスへの世界王座挑戦が決まり王座返上。そして、村田選手とアッサン・エンダムのWBAミドル級王座決定戦があった 『観戦記1314』 5月20日のアンダーカードでガニガン・ロペスのWBCライトフライ級王座に挑戦し2-0の判定勝ちし世界初挑戦で見事に栄冠 『観戦記1329』

 

10月に、元王者でWBC1位のペドロ・ゲバラに判定勝ちして初防衛に成功 『観戦記1399』 わずか2ヶ月後の12月に2度目の防衛戦で、WBC11位のヒルベルト・ペドロサを4RにTKO勝ち 『観戦記1412』 2018年5月の3度目の防衛戦で雪辱に燃える前王者のガニガン・ロペスをわずか2RにボディーでKO 『観戦記1468』 4度目の防衛戦は、10月に元IBFライトフライ級王者のミラン・メリンドを7RにTKOで降す 『観戦記1590』 2018年12月には、WBC7位のサウル・フアレスを大差判定で降し5度目の防衛に成功 『観戦記1651』 4年4ヶ月で15試合してきた拳四朗選手には最長の6ヶ月半空いて2019年7月に6度目の防衛戦でWBC1位、フィリピンのジョナサン・タコニンを地元に近い大阪で4RにTKOで降す 『観戦記1769』 12月には、WBC14位のランディ・ペタルコリンを4RにTKOに降して7度目の防衛に成功 『観戦記1875』 泥酔騒ぎなども起こし3ヶ月間ライセンス停止などもあったが、拳四朗選手が日本王者時代にはすれ違った久田選手と2021年4月に8度目の防衛戦で対戦し判定勝ちで8度目の防衛に成功 『観戦記2164』 そして、9月にWBC1位の矢吹正道選手の挑戦を地元の京都で受けるも10RにTKO負けし王座陥落 『観戦記2238』

引退も考えた拳四朗選手だったが、矢吹選手のバッティングが問題となりWBCから再戦指令が出る!2022年3月に、ダイレクトリマッチで矢吹正道選手のWBCライトフライ級王座に挑戦し3RにTKO勝ちし王座奪還 『観戦記2343』

 

11月には、WBAライトフライ級スーパー王者の京口紘人選手との統一戦を7RにTKOで降しWBC王座初防衛とWBAスーパー王座獲得 『観戦記2481』

 

2023年4月には、WBOライトフライ級王者のジョナサン・ゴンザレスと3団体統一戦の予定もゴンザレスが肺炎にかかり中止・・・・急遽代役としてWBAフライ級2位のアンソニー・オラスクアガを9RにTKOで降しWBC王座2度目&WBAスーパー王座初防衛に成功 『観戦記2574』再度、WBO王者ジョナサン・ゴンザレスに向かいたいところだがWBCから指名試合が指令される~2023年9月に、WBC1位のヘッキー・ブドラーを9RにTKOで降しWBC3度目、WBAスーパー王座2度目の防衛に成功 『観戦記2663』 2024年1月に、WBA1位&WBC2位のカルロス・カニサレスを2-0の判定で降しWBAスーパー3度目&WBC4度目の防衛に成功 『観戦記2733』

ライトフライ級王座を返上し、10月にテストマッチ無しで元WBCフライ級王者のクリストファー・ロサレスとWBCフライ級王座決定戦を11RにTKOで降し2階級制覇達成 『観戦記2877』

 

そして2年4ヶ月振り、日本人初の日本人他団体王者同士2度目の統一戦で闘う王者はWBCフライ級王者ユーリ阿久井政吾選手!

 

1995年9月に岡山県倉敷市で生まれたユーリ阿久井政悟選手こと阿久井政悟選手は、父親が所属する倉敷守安ジムのプロ1号選手の阿久井一彦さんで母方の叔父は日本王座に挑戦した赤沢貴之さん。アマチュアでは倉敷翠松高校では国体のベスト8に進出し、リングネームは勇利アルバチャコフに似ていることから付けられたらしい。

2014年4月に神戸でデビューして、末吉悠生選手に判定勝ち~9月には西日本新人王決勝で、武藤通隆選手に判定勝ちして西日本フライ級新人王に輝く~11月には中日本新人王の萩堂盛太選手と西軍代表を争いドローも、優勢敗けで新人王敗退~7月に、菖蒲瑠香選手に1RでTKO勝ち~9月にも、香美の子岡村ケントキッド選手に1RでKO勝ちして2015年度西日本新人王獲得~11月に、大城信博選手に判定勝ち~12月の全日本新人王決勝でも、細谷大希選手に判定勝ちして全日本新人王に輝く。さらに2連勝2KOして、2016年12月に新人王同士の対決となった大野兼資選手を1RにTKOで降す~さらに2連勝2KOするも、2017年8月に中谷潤人選手との日本フライ級ユース王座決定戦で6RTKO敗け~2018年4月に、後のWBCライトフライ級王者になる矢吹正道選手に1RでTKO勝ち~10月に、WBAフライ級11位のジェセイバー・アプシードと対戦も8RにTKO敗け~2019年4月に、湊義生選手に1RでTKO勝ち~10月に、日本フライ級王座決定戦で小坂駿選手を1RにTKOで降し日本王座獲得。2020年10月に、日本1位の藤北誠也選手に判定勝ちして初防衛に成功~2021年7月に、日本7位の桑原拓選手に10RでTKO勝ちして2度目の防衛に成功。そして、2024年1月にWBA1位指名挑戦者としてWBAフライ級王者アルテム・ダラキアンに挑戦し判定勝ちで王座栄冠 『観戦記2730』

 

2024年5月に、WBA3位の桑原拓選手を大差判定で降し初防衛に成功 『観戦記2790』

 

10月にも、WBA15位のタナンチャイ・チャルンパックを2-1の判定で降し2度目の防衛に成功 『観戦記2875』

 

井上尚弥選手の王者同士の統一戦5戦5勝という、とんでもない偉業と同年代なのが悔しいほどの寺地拳四朗選手の2度目の日本人同士による王者同士の王座統一戦!知名度と実績では劣るユーリ阿久井選手は2敗をしているが、あの八重樫東さんも井岡一翔選手との統一戦前に2敗をしていたが敗けてなお評価を上げた。拳四朗選手が1勝1敗の矢吹選手を、ユーリ阿久井選手は1RでTKOに降しているだけにアップセットを起こすか!?

 

2025年3月13日 WBC&WBAフライ級王座統一戦 寺地拳四朗vsユーリ阿久井政悟

 

寺地拳四朗 24勝15KO1敗 初防衛戦

 

ユーリ阿久井政悟 21勝11KO2敗1分 3度目の防衛戦

 

1R、拳四朗選手は様子を見る~阿久井選手がガードの上を打ちながら、綺麗に左を伸ばしていく

 

阿久井選手が、右ストレートはボディーへ~ジャブの差し合いで、珍しく拳四朗選手が負けている

 

2R、拳四朗選手が、速い踏み込みでジャブを当てる~ワン・ツー!

 

出て来る阿久井選手に、拳四朗選手は下がりながらもワン・ツーを捩じ込む!

 

3R、阿久井選手が上下に打っていく~拳四朗選手は廻りながらアッパー!

 

阿久井選手も右を叩きつける~打ち合いの中でも右!拳四朗選手の顎が上がる!

 

4R、拳四朗選手が出ていき手数多い~阿久井選手は打ち終わりに右を狙い、拳四朗選手が下がればボディー!

 

ここは。阿久井選手も引けない~身体で押し返しボディー!

 

5R、リング中央で打ち合う~拳四朗選手のジャブを、阿久井選手はダッキングでかわし右!

 

阿久井選手が身体を付けて押していき打つが、拳四朗選手もボディーワークで逃がしながら右!

 

6R、阿久井選手が、愚直に前に出て打っていく~真っ直ぐ下がった拳四朗選手を追いかけワン・ツー!

 

頭を付けた打ち合いだと、阿久井選手が有利か!?手数で押していく

 

7R、リング中央での打ち合いが続く~パンチのバリエーションで拳四朗も、阿久井選手もワン・ツーを綺麗に当てる

 

しかし、コンビネーションの多彩さで拳四朗選手のパンチが当たる

 

8R、中間距離で打ち合う~阿久井選手のジャブに、拳四朗選手が右クロス!ワン・ツー!

 

阿久井選手が出てくると、拳四朗選手は足を使う~阿久井選手は追いかけワン・ツー!

 

9R、セコンドからの指示もあり、足を使いながら拳四朗選手らしいジャブを入れる

 

阿久井選手は、手数落ちずに追いかける~ワン・ツーで入るも、拳四朗選手はカウンターを狙う

 

10R、拳四朗選手が細かくジャブを入れるが、阿久井選手は止まらず出ていきボディー

 

拳四朗選手のジャブがバシバシ入り、阿久井選手の右目が腫れてくる~それでも阿久井選手は、拳四朗選手を追いかけ打ちまくる

 

阿久井選手が、凄まじい気迫で拳四朗選手を追う~拳四朗選手も返すが、阿久井選手が左フック!

 

11R、ゴングと同時に阿久井選手が出ていく~拳四朗選手は、ステップを踏みながら左で止める

 

それでも阿久井選手は止まらない~廻る拳四朗選手を追いかけ右ストレート!

 

12R、最終ラウンドでも、拳四朗選手が軽快にジャブを当てる~阿久井選手は真っ直ぐ出ていきワン・ツー!

 

阿久井選手が打ちまくる~拳四朗選手も右アッパー~ワン・ツー!

 

阿久井選手は効いてしまった!拳四朗選手が一気にラッシュ!

 

阿久井選手はクリンチで逃れる~阿久井選手も返そうとはするが、拳四朗選手アッパーが度々入る!

 

フラついた阿久井選手に、拳四朗選手を極めにいく!

 

なんとか立ってはいるが、打たれる阿久井選手にレフリーは走って止めに入る!

 

見事に寺地拳四朗選手が、最終ラウンドにTKO勝ち!2階級でWBA&WBC王者になるという偉業を達成した寺地拳四朗選手は 『スーパーフライ級でBAM(ジェシー・ロドリゲス)と闘いたい』 とリング上でアピール。そして、井岡一翔選手の名前も出したみたいだが、スーパーフライ級でノンタイトル戦で実現するとは思いづらいふが・・・・観てみたい!

採点表を見ると、ジャッジ3者が拳四朗選手に10点を付けたのは、2R、7R、9R。ジャッジ3者が阿久井選手に10点を付けたのは、1R、3R、5R。6Rまでは、59-55、58-54、57-57で阿久井選手が2-0でリードしていたが、7Rからは拳四朗選手は打ち合いに応じて多彩なパンチで阿久井選手にダメージを蓄積させた。元WBAスーパーフライ級王者の飯田覚士さんは拳四朗選手に対し 『一見パンチをもらっているように見えます。でもすべて受け殺しているんですよね。もちろんヘッドスリップもやっているんですが、フットワークのバックステップが動き自体は小さくとも実に利いている。相手のパンチに対して、前足でグッと反応して後ろに引きながらパンチを受けている感じなんです。どうしてもアゴが上がってしまうので、見た目はよくないにしても受け流せるだけのしなやかさがある。これは他のボクサーには真似できない拳四朗選手のテクニックです。一方の阿久井選手は前に出ていく分、パンチを受け流しづらい。その差が後半になって出てきました』 と話す。

拳四朗選手は、一度勝利しているWBOフライ級王者のアンソニー・オラスクアガには興味ないんだろうなぁ~。IBFフライ級王者はアンヘル・アヤラだが、4日後の3月29日にIBFライトフライ級王者で拳四朗選手と1勝1敗の矢吹正道選手が挑戦するが・・・・・

 

★拳四朗選手の入場時に「議論のある1敗」はJBC職員が言う言葉か!? 格闘技blogランキングをクリック格闘技 ブログランキングへにほんブログ村 格闘技ブログへにほんブログ村