リーパー | 硝子の月 ― 11月の夜想曲 ―

硝子の月 ― 11月の夜想曲 ―

星屑のリズムにのせた 眠れぬ夜空に奏でる想い

ホテル療養と入院の 二択しかないですが
ホテル療養にして病状が悪化したら入院というのがいいと思います
とそう言われた

なんかやばいな と異変を感じで PCRを受けたら陽性で
保健所のひとを含めて 区の職員はとても親切だったが
声をガラガラにしてまで喋り続けなければならなかった

ホテル療養は 行く時は車が迎えにきてくれるが
出る時は勝手に帰ってください というシステムらしい

38.8度の熱に魘されながら テレビを見るのも辛い
そう言えば 昔 PCRを受けるのではなく
やったことがあることを思い出す  からだのだるさが半端ない

あれ そもそもPCRって DNAを増幅させる技術のはずだから
RNAウィルスを検知するって 無理があるよな
だから 偽陽性とでてくるんだろうな とか そう思う

このまま ここにいたら ヤバいと思った
ここで毎食3回エレベーターに乗ってくる人は
全員 陽性のひとだから

もし偽陽性のひとがここに入ったら 確実に陽性になる環境だ
僕も含めてゾンビで その状況に放り込まれる人間は
確実に ゾンビになる仕組みだ

ゾンビの数が見るたびに増えてくるから 不安を感じる
ここには 看護師さんしかいないけど
下手な医者の方がよっぽど役に立たないことをぼくは知ってる

色んなひとが苦しんでいる中で
ひどく油断したせいで そうなっている人は自業自得で
そんなひとほど 無症状だったりすから 腹立たしい

なんか 自粛自粛って言っておいて 自分らができなかったら
とりあえずは 都の職員が・・ って謝っておけばいいんだね
会食で陽性に ってニュースを見るたび お前らが自粛しろと思う


飲食店だけが 目の敵にされているようにも思うんだけど
我慢しているひとに もっと我慢しろって聞こえるような会見は
最早 ただのパフォーマンスだ

他人事だと思っているんだろうけど なったらなったで
恐怖を感じると思う まあ あなた方は
どうせ特別待遇なんだろうから 一般市民とは違う処遇で
何一つ認知できずに 今後も適正な判断ができないんだろうけどね

どうせ死にかかった命だから 頭に来たら殺してみろよ
とにかく PCRで儲けているひとがいることだけは 確かだ

ただ PCRで検査をすることには ぼくは反対する
最寄りの駅はわかりますか と聞かれ
37度を多少超える熱を感じながら 素直に わかります と答えた

ゾンビが 最寄りの駅に向かう  変異種にかかる前には出られた
まあ よかったとしよう  まだ 息苦しさは感じるけれど

せいぜい民を上手く騙すといいよ くそリーパーが!

 

息苦しい 息苦しい 息苦しい・・  これが お前らにわかるか

ホテルは半ば追い出されたけど 逆に ぼくはそれを感謝している

とにかく息苦しいのに ここには医者がひとりもいない

 

とにかく すべてが 間違っている

3食の弁当を取りにくるために エレベーターにゾンビが乗ってくる

満員とまでは言わないけれど 充分な距離はとれてもいない

 

あそこには医者はいない 優しい看護師さんがいただけだ

その看護師さんにでさえも 事務処理的なことをし得るような

マニュアルを与えたのは いったい誰なんだろうか と

 

都知事にそう問い詰めたい  とにかくぼくは こんなにも息苦しい

お前らのやってることが間違っていることに いい加減に気付け!

 

ぼくは疑陽性のひとが ここに もしも入ってしまったら?

ということが 気がかりで仕方がない

まあ ぼくがどれだけ苦しんでみても 都知事様には関係がないか

 

と ゾンビが笑って 電車に乗る  あと2週間くらいは陽性だけど

息苦しさに 咳き込みながら 追い出されたな とそう思う

 

でも ホントにいいのかな 電車になんかに 乗っても・・