緊急経済対策は詐欺 | 朝倉新哉の研究室

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真水って何?

 

いつだったか、安倍内閣が経済対策を発表したとき、

三橋貴明さんが、ブログで、”真水”という言葉を使っていました。

今回のコロナ対策で、

政府がどのくらい支出をするのか、 その中で、”真水”はどのくらいになるのか、

気になったので、調べてみました。

 

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真水(まみず)とは

経済対策のうち、実際に経済生産を押し上げる効果のある予算のこと。

様々な定義が存在し正確な定義は存在しないが、

一般的に政府が直接的な支出を行う部分を言う。

融資枠の拡大など利用されるかわからないものは真水に含まれない。

経済対策においては「事業規模〇兆円、そのうち真水○兆円」と定義される。

・給付金や減税は真水に含まれる。

・公共事業のうち用地費は真水に含まれない(土地取引は経済生産に計上しないため)。

・公共事業のうち人件費や材料費は真水に含まれる。

・大学・研究機関への研究費も真水に含まれる。

・返済不要の奨学金も真水に含まれる。

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ウィキペディアから引用。

 

野村證券のサイトでは、このように書かれていました。

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政府が経済対策を発表すると、「事業規模10兆円」という風にその対策全体の大きさが示される。

しかし、その金額が全部経済成長率の押し上げに直接効果があるとは限らない。

「GDP(付加価値)を直接増やす効果のある対策」を測る概念のことを「真水」と呼ぶ。

「真水」に厳密な定義はない。

「真水」の代表的なものは

公共事業費のうち、用地取得費(事業費の15%程度)を除いた部分である

(用地取得は土地の移転が起こるだけで

 付加価値の増加にならないので、含めないことになっている)。

災害復旧費や減税は、「真水」に含められると考えられている。

反対に「真水」に含まれないものとして、

住宅公庫など政府系金融機関の融資枠拡大や株式買い上げの費用などが挙げられる。

「真水」に含まれない対策であっても、

時宜を得たものであれば景気刺激効果がないわけではない。

また減税のように「真水」に含めることができるものでも、

すべて貯蓄に回ってしまえば景気刺激効果は期待できない。

「真水」という言葉に過度にとらわれず、

景気対策として適切かどうか、ひとつひとつ評価していく姿勢が必要である。

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https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ma/mamizu.htmlから引用。

 

”真水”に厳密な定義はありませんが、GDPを直接押し上げる政府の支出、

という意味で使うことにします。

 

今回の経済対策が、”事業規模”で108兆円であることが、テレビなどで報じられています。

この”事業規模”という言葉がくせ者なのです。

事業規模というのは、はっきり言ってごまかしです。

安倍総理は、リーマンショックの時を上回る対策にする、

と言っています。

リーマンショックの時は、事業規模56兆円、”真水”15兆円でした。

事業規模では、上回っていますが、”真水”が15兆円以下だったりしたら、

まさにごまかしです。

リーマンショックを上回ると言いながら、事実上、下回っているのですから。

 

 

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安倍首相 緊急経済対策 財政支出は39兆円 与党に協力要請

 

2020年4月7日 9時49分

 

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、

事業規模が総額108兆円程度となる緊急経済対策について、

安倍総理大臣は

財政支出が39兆円に上ることを明らかにしたうえで、

与党の幹部らに対し、実施に向けた協力を求めました。

7日開かれた政府与党政策懇談会で、

政府は、

収入が減少した世帯への現金30万円の給付などを盛り込み、

事業規模が過去最大の総額108兆円程度となる緊急経済対策を示しました。

この中で、安倍総理大臣は、

「この経済対策では、国民の命と生活を守り抜くことを最大の目的とし、

 前例にとらわれることなく、財政、金融、税制といった  

 あらゆる政策手段を総動員することによって思い切った措置を講じている」

と述べました。

そのうえで、

「これまでにない強力な資金繰り支援、

 本邦初となる総額26兆円の税・社会保険料の大胆な猶予制度、

 さらには6兆円を上回る現金給付などにより、世界的に見ても最大級の経済対策となった」

と述べ、

財政支出が39兆円に上ることを明らかにし、

与党の幹部らに対し、対策の実施に向けた協力を求めました。

 

菅官房長官「補正予算案の早期成立目指す」

 

菅官房長官は、

閣議のあとの記者会見で、緊急経済対策について

「財政投融資を含め、国と地方から直接支出される財政支出は39兆円となっている。

 新型コロナウイルスの甚大な影響で、

 内外の経済は近年で最大の危機に直面しており、  

 ありとあらゆる政策を総動員して、まずは感染拡大を防ぎ、経済を回復させていくために、

 リーマンショックの時を上回る過去最大規模の経済対策を策定した」

と述べました。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012371821000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_008

から抜粋して引用。

(赤字強調はブログ主による)

 

”財政支出が39兆円”と言ってますから、真水が39兆円なのかな?と。

39兆円なら、まあまあか。

今年度予算は、102兆6580億円だから、39兆円が真水なら、

今年1年で、政府は、141兆6580億円使うってことなのか?

と思いましたが、その期待は裏切られたようです。

 

 

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国債 16兆円余追加発行へ

政府 緊急経済対策の財源確保で

 

2020年4月7日 10時48分

 

事業規模が108兆円にのぼる緊急経済対策を実行するため、

政府は

追加の歳出が総額で16兆8057億円に上る今年度の補正予算案を固めました。

年度の当初に補正予算案を編成するのは異例で、

必要な財源は全額、国債で賄う方針です。

政府は、

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、

金融機関の融資や納税などの猶予の額なども含めた

事業規模が過去最大の総額108兆円程度となる緊急経済対策を

7日決定する方針で、 これを実行するための今年度の補正予算案を固めました。

それによりますと、追加の歳出は総額で16兆8057億円となります。

主な政策をみますと、

感染拡大の防止や医療体制の整備、治療薬の開発などに1兆8097億円、

収入の減少などの影響を受けた世帯や中小企業などへの現金の給付や、

企業の資金繰り対策などに10兆6308億円をあてます。

また、感染拡大が収束したあとを見据え、

旅行や宿泊、飲食代金の割り引きなど、消費喚起に向けた対策に1兆8482億円を盛り込んでいます。

このほか臨時の支出に備えて、

感染症対策に特化した予備費を創設するため1兆5000億円を計上します。

年度の当初に補正予算案を編成するのは異例で、

必要な財源は全額、追加の国債の発行に頼ることになり、

その額は16兆8057億円にのぼります。

内訳は赤字国債が14兆4767億円、建設国債が2兆3290億円としています。

これにより、当初予算と合わせた今年度の国債発行額は49兆円余りに達します。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012371811000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_009

から引用。

(赤字強調はブログ主による)

 

すごいごまかしですね。

事業規模108兆円と言いながら、真水は、たった16兆8057億円ですよ。

リーマンショックの時は、真水15兆ですから、確かに上回ってますよ。

”事業規模108兆円”と聞けば、

おお!すごい!やっぱり安倍さんはすごい!

なんて思う人も、かなりいるんでしょうね。

しかし、だまされないでください。

これはごまかしです。

”事業規模”と言って金額を大きく見せるだけではありません。

最初の引用記事で、安倍総理が、財政支出が39兆円だと言っていますが、

今年度予算102兆6580億円に対して、

39兆円が真水なら、141兆6580億円ですが、

財政支出39兆円も真水ではなく、本当の真水は、16兆8057億円であり、

政府が実際に使うお金は、

102兆6580億+16兆8057億で、119兆4637億円なのです。

二重のごまかしをやってるわけです。

詐欺ですね。

 

経済対策は、これぐらいのことをやらなきゃだめですよ。

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自民党の世耕弘成参院幹事長は、

新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急経済対策として、

リーマンショック後に策定した対策では「全く足りない」と指摘。

消費の落ち込みで失われる国内総生産(GDP)分を

「すべて真水で埋め戻す」規模の財政出動が必要との認識を示した。

世耕氏は30日のブルームバーグのインタビューで、

外出自粛要請などで「GDPが消滅している」とした上で、

経済への影響は「リーマンショックをはるかに上回るインパクトが出てきている」 と述べた。

経済対策としては、

「GDPが5%消えるのであれば25兆円以上、

 もし10%消えているのであれば50兆円真水を入れるべきだ」

と訴えた。

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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-30/Q7ZF7FT1UM0X01

から引用。

 

自民党の議員ひとりひとりに聞けば、こういういいことを言う人もいますが、

政府の政策になると、骨抜きになるんですよね。

最大のガンはやっぱり財務省なんでしょうね。

 

 

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