書かねば〜と思ってたのが、まだ読破していない『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』by塩野七生。
読んだ時に「あっ」て思った件を記しておかねば〜。
その件を要約するアル。
神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ二世はイスラム世界のスルタン・アル・カミールと講和してイェルサレムをキリスト教徒に取り戻した。
イェルサレムの3分の2がキリスト教徒側に戻り、さらにはキリストが最後の晩餐をしたと言われる町へ巡礼者が訪問する件もOKを取り付けた。
だけやなく、ベイルートからヤッファ(現在のテルアビブ)の地中海沿岸都市とそれを結ぶ道路をキリスト教徒側の物として認めさせた。
しかし、イスラム教徒側のみならずキリスト教徒側からの猛烈な反発が湧き上がった。
イスラム教徒の「なぜにそんなに割譲するんぢゃ」であったのに対し。優位になったはずのキリスト教徒の猛烈な反発とは「なぜに異教徒と講和するんぢゃ」「ぶっ殺して取り返せ」に発する。
(゚Д゚)ハァ?てなるやんね…。
イスラム側の「損した」感は十分理解できるけど。
キリスト教徒の言い分は「異教徒と交渉するとは何事! 言語道断!」なのよ。
いや…外交力で無血でもらうもんもろたらそれでええやん?て思うのは、今の時代の人間。
などと合理的に考えられる人間ばかりやないよ、とうちはすぐさま思った。
その理由は少し後回しとするにして、まずね、そもそも異教徒という単語に先に注目しとこう
夫に説明する時、異教徒って英語でどう言うんやろ〜と調べたら heathen pagan heretic という3つが見つかった。
これね、グーグル検索結果では柔らかく書いてあるけど、うちの好きなわかりやすいLongman辞書ではいずれも明らかに「キリスト教徒以外を蛮族として見下す臭」を含む言葉なんよ。
Longmanは淡々と言葉を説明するだけのものやから、Longmanが差別的思考を持ってるわけやない。ポリコレに配慮しない正しい説明をしてるだけのこと。
つまり、キリスト教徒にとって異教徒とは、日本人が使う異教徒という言葉よりもっとキツイ精神的拒絶を含む存在という歴史があるとわかる。
まぁ、日本人が耶蘇って言うたらちょっと警戒ニュアンスを含む単語ではあるわな
白人の歴史では、異教徒という自分とは考え方の異なる者達を徹底的に拒絶したキリスト教徒のバックボーンがあることになる。
が、同時にこやつらは異教徒ムスリムの製造する西洋より優れた物品を「オリエントの品」っちゅーて尊重し高額で取引しとったんよね。
それはエエんかい(-.-)
と力いっぱいツッコミ入れたいわ。
いつの世も商売人は売れ筋見極めて利益出すのに目ざといから、そういう抜け目のないヤツが合理的に異教徒と商談してキリスト教の金持ちに素敵グッズを売りさばいて利益を上げてたから笑う。
さり気なくここで話は現代に戻ってきますね、ええ。
うちは西洋人の思考が時々ぶっ飛ぶことに何度も驚いてきた。
集団ヒステリー発生させたり、やることが極端になったり、お涙頂戴にグダグダになったり。
昭和に子供自体を過ごしたうちは、欧米は合理的で進んでるという印象を与えられて育った。
おもくそ間違いやな。
と今はわかる。
彼らの思考は、暗黒の中世にカソリックに支配された脳みそとそんなに変わってへんのよ。
現代風の知識や教養を身につけてはいるものの、ローマ時代に堅牢に存在した合理性(←中世に中断された)よりも理念(ローマ法王)に魂を燃やす性質が幅を利かせてしもてる。
ある程度はルネサンス期に先祖返りして合理性や理論を重んじる人々が復権したものの、理念に我を失うヒステリーがはびこってた時代の方が近いから、それが先祖返りより多く残っててもおかしくないんちゃう?
歴史にはうちほど興味を持ってへん夫は、祖国のフランス革命を立派な物やと教わり、今もな〜んとなくそれを当たり前にみなしてる。
けど、フランス革命って成功したん? 王様一家を残虐な目に遭わせ、市民を含む多くの人間をギロチン送りにし、挙げ句はナポレオンシリーズの皇帝を産んでるやん
どこが市民の勝利やね〜ん!
というツッコミをせずに、王侯貴族の体制破壊を行った市民パワーという部分だけ光をあててオナってへんか。
白人は、と人種差別的発言を恐れずに言わせてもらう。
白人は、感情的になる理念派が多い一方、その裏で現実的に立ち回って大金をせしめる商売人がいる。
夫とその親族くらいしか知らんけど、フランス人は明らかにかなり感情的(そして胃袋で動く)。スペインやイタリアも人々はやたら大げさと聞く。
これに引き換えアメリカ人はもう少し単純素朴でおおらかではあるけど、昨今の集団ヒステリーを見るとやっぱりおめぇらも欧州移民の子孫やねと思ったり(ここで白人をメインに据えているのは、アメリカの礎は白人によってなされたため)。
自分のベースとなる理念を侵害されたと感じると、途端に熱くなって許せん!とぼうぼう燃え上がる。
中世暗黒時代とあんまり変わってへんな。
現在のアメリカでは「ワクチンさえ接種すればすべてOKっ。接種せんやつは敵!」というのも自分の思想に合わんヤツを異教徒として攻撃するのと基本変わってへん。
一方、接種を義務として強制されることに対して「自由を侵害する行為」として怒り奮い立つのは…これも理念への攻撃に怒るのと基本同じ。でも一番違う、そしてもっとも重要な違いは、「自由を侵害させぬ!」ための戦いは、自分と異なる考えを持つ人間の自由をも守る行為であること。
そこが、ワクチン接種しないやつは異教徒とみなす低レベル人間との決定的な違いΩ\ζ°)チーン
フリードリッヒ二世は異教徒と辛抱強く交渉し、スルタンの代理人とは友好かつ親密な関係を築き、そして実利を伴う講和に無血でこぎつけた。
彼は、異教徒を敵というよりは交渉相手とみなし、自分と同じ人間として対応した。結果、自分の兵士も相手の兵士も守ったことになる。
塩野七生氏によると、中世らしからぬ合理性を持った人間がフリードリッヒ二世である、と。
となれば、この現代にあっても自分の理念に頑固に囚われて、自分の考えにそぐわない相手を徹底的に排除してOKなヤツは暗黒中世の無知蒙昧と同じである、との結論が導き出せる。
言うなれば「ワクチン接種せん奴は、病院へ行くな」という低いレベルね。自分の考えに同意せんやつは重症化して死んでもしゃーない( ´,_ゝ`)プッて感じ? すごいナチ。
死にたくなきゃワクチン接種すりゃエエやん、ってのは、あまりにも子供じみてる。ワクチン接種して副作用発症(して死亡)した例を聞いてすっかりビビってる人達の気持ちはどうでもエエんやから。極端に言えば、これさえ飲めば健康になる<丶`∀´>ノとトンスル勧められてためらうのと気持ち的には大差無いわけよ。
現代にも暗黒中世の魔女狩り大好き村人が多数存在してる。そういう奴らの声はやたらでかい。
そっか、そういうことか〜(´・ω・`)
と自分で色々わかって非常にスッキリしてもうたわ(*ノω・*)テヘ
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