物事を判断するのからくり安を覚えたり、疑いの気持ちがちょこっとでもある場合は、そこで決断しない方がいい。
人を不安にさせるものは、真実ではない。
縮小未来の日本しか描けない2024年を生きる私たちは、20年後の漠然としたネガティヴな日本像をついつい描いてしまって、うっすらとした不安の雲に覆われて生きている。
私の年齢では、介護も今ほど丁寧にはしてもらえないだろうなって思っている。政府が、年金受給年齢をもっと伸ばした場合の試算に入ったなんてニュースをみると、ますます、暗雲が立ち込めがちだ。
息子世代は、いかほどかと案ずる。
そう、そもそも不安な空気を吸っている。
そんな不安の下地があって、そこで、何かを選択するとき、不安材料を提示されたら、不安を安心に変えたいから、ついつい選んでしまう。
後田亨さんの『この保険、解約してもいいですか?』という本、図書館の新刊コーナーにあったので借りて読んでみた。
以前も、どこかで、保険はかけ損みたいなことを聞いたことがあったので、興味深く読んだ。
この本を読んで、一番説得力のある言葉は、保険会社の内勤の人たちは、自社の保険に入っていないという衝撃的な言葉であった。
保険という商品の半分くらいは、会社の運営費などだそう。
大手の保険会社って、就職希望者も多く人気で、給料もかなりいいと聞く。でも、その内勤の人たちが、自分たちが設計した商品を使わないとするならば、なんという哀しいお仕事か。
胸を張って生きてる?
彼らは、庶民の不安をマーケティングして、その不安の払拭代として、自社が儲かるように保険の設計をするお仕事をしている。
不安を煽って・・・。
私たちは、保険会社の人たちのために、せっせと毎月何万も払い続けている
のだ。ライフネット生命というネットなので格安という保険ですら、40%以上が会社のために使われているという。だとしたら、そうでない大手の保険はいかほどが会社に入っているのだろう。
そうは言っても、病気になったときに働けなったら?住宅ローンは?学費は?
って、不安しかないじゃん。
後田さんいわく、貯蓄が一番だそう。で、最低限、死亡保険。
子どもがいてローンもあって、もしもの時の備えがないと不安というなら、会社員だったら、傷病手当金が出なくなる1年半後からもらえる就業不能保険ならいいのでは。自営業はかけていた方がいいかもと。
遺族年金という制度が、ある意味、就業不能保険の役割をしている。例えば、年収500万円の人が死亡した場合、厚生年金や国民年金から、妻と子二人なら、月15万円出るのだそう。子どもが高校卒業後なら、妻が65歳までは9万6千円、65歳を過ぎたら4万6千円。
知らなかった。
遺族年金は、りっぱな収入保障保険。
そうなんだ。
ご近所に、ご主人が若くして亡くなられて、子どもも4人いらして大変だろうなって思っていた。でも、なんで、パートで大丈夫なんだろうと不思議だった。遺族年金って、ありがたい。
私も厚生年金に入っている。私が(つまり、妻が)死んだら、夫は遺族年金をもらえるということだろうか。
ところで、今、現在、数百万の貯金のない人は、保険をかけておいた方がいいとおっしゃっていた。
後田さんは、保険は、自賠責保険と同じ感覚で選ぼうとおっしゃる。
後生だから・・・と、繰り返して訴えられる。
自動車保険の自賠責は、めったにおこらないけれど、無制限に保障してくれるという優れものだそう。一方、車両保険は、かけない代わりに貯金で対応しようと。ちょこちょこ数万円くらいの出費ですむ物損事故は、かけ損になる。
自分の保険も自賠責保険と同じ視点で選ぼう。
保険で備えるのに向く保険とは
1,めったにおこらないけれど
2,自己資金では対応できない大金が必要になることがある
3,いつ起こるかわからない
以上は、あくまでも、子育て世代の世帯主の保険選びについて。
私のような、老後の大病が不安な世代については?
老後の医療費の支払いは頻繁に発生することなので、安い保険料で手厚い
保障を得るのは難しい。でも、限度額があるので、月々の支払いは、自己資金で対応しやすい。しかも、突然老化するわけではないので、いつお金が必要になるかも予測しやすい。
やはり、貯金か・・・。自己資金か・・・。
がん保険について
二人に一人はがんになる(まぁ、80歳を過ぎたら、がんか肺炎か心不全か何かで亡くなるわけで、60代くらいまでの場合のがんで亡くなる方の割合を提示してほしい。60歳未満だと約10%前後。)ということは、めったにおこることではないということになる。 また、先進医療については、今、現在、保険がきかない治療法は、効果がある人もいればない人もいるため。今後、エビデンスが認められれば保険になっていくので、待つのも一つの手。
個人的に、近藤誠先生のがんもどき説を受け入れている人間としては、がんもどきではない転移するがんの場合、陽子線療法などの保険のきかない先進医療を試す価値はあると思う。私の肝臓腎臓は、抗がん剤に耐えられなさそうなので・・・。やっぱり、助かりたいもん。でも、転移性の癌は、めったにおこることはないというような気もしないでもない。300万円という治療費は、大金なのかどうか。数千万円ではない。自己資金で賄えるかどうか・・・。
後田さんいわく、
後田さんの話を聞いて、解約したら、がんになってしまって・・・という方がいらっしゃって、心苦しい思いをされることもあるそう。
それでも、この本を書かれたということは、保険の真実を知ってほしいという強い思いがあるからなのかもしれない。
この本には、検討に値する数少ない保険が紹介されていました。
今から結婚するかもしれない、次男にはこの本を買ってあげようと思っている。