2017年1月31日火曜日

『住箱』について考える

 昨年の暮れであったか、まだ仕事で鹿児島に滞在しているときに、ぼんやりと鹿児島中央駅の本屋さんの建築のコーナーに行った際、建築家の作品しか載せてもらえない雑誌で建築業界では権威ある『新建築』という雑誌を開いた。そこには隈研吾さんが手がけたモバイルハウス『住箱』という作品が出ていた。隈研吾さんと言えば、現代日本を代表する建築家であり、かの僕がコンペにも呼んでも頂けなかった新東京国立競技場の設計者として有名な方である。その『住箱』という作品を見て思った。これってスモールハウスみたいなものだよね。

 スモールハウスの定義なんてものは特にないが、だいたい大きさは延床で3坪~10坪程度の家をさすのだとぼんやりとだが思っている。アメリカの場合だとモバイルハウスだろうが小さければスモールハウスなんて呼ぶようだ。僕が考えるスモールハウスとは、あくまで極上のお一人様の家であり、小さいからこそお金をかけて断熱性能や快適性を追求するべき家だと思っている。


 さて隈さんの『住箱』であるが、いわゆるモバイルハウスである。モバイルハウスという事は車でけん引できるという事か。ただけん引はできるだろうが、どうだろう。。車でけん引するという事は、内部に固定されていない家具類など置いていたら、コロンコロンと転がるって事ではないだろうか。例えばキャンピングカーなどは、よくできたもので、引き出しなどにはストッパーが付いており、けん引の際の振動で簡単に引き出しが飛び出ない工夫などがされているものである。見た感じ、そのような工夫は自分でしてね♡という事なのだろうか。。また、見た目はコンパネだね。。


 まあ、気持ちはわかる。設計事務所として採算がとりにくいのがスモールハウスであるからだ。家が小さいからこそ寸法等を細かく設定しなくてはならないし、カタチや家のボリューム等などなど、考えることがめちゃめちゃ多い。もちろん、小さくても書く図面の枚数はそれほど変わらないわけで。。ようは儲からないわけである。なので同じものを10セット限定販売!などとしているメーカーさんも多いわけだ。まあ、今回の隈研吾さまの『住家』も設定金額からすると儲けもないであろうから、コンパネにならざるおえなかったのだろうとは思う。


 ここ数年スモールハウスは注目度が急上昇らしく、いろんなところで特集が組まれている。5年ほど前からスモールハウスを見つめてきた僕としては、少しだが喜びを感じていたりする。


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