カテゴリ:釣り道具
先日の海上釣堀釣行から仕立て上げた新しい竿について、口巻きの塗りも完了して、概ね仕上げに近づいてきて、あとは胴塗りをしてガイドをつけて終了といったところまできた。
もう何度もやってきている工程なので、もはや途中経過は写真も撮ってないが、胴塗り前に行う「湯拭き」という工程について考えてみる。 胴の塗りの前に、製造工程中の手の脂とかを除去しないと塗料を弾いてきれいに塗れないから行う工程であるが、正味、手の脂がそんなに影響があるもんだろうかと思う一方、実際に湯拭きをやってみると、乾燥後には竹の表面が白浮きしたように粉っぽくなるような感じになって、実際脂分は除去されている様に思う。 塗料の食いつきが良い様に、番手の細かめのペーパーで軽く薄皮一枚剥すイメージで「地を荒らす」工程も経るのだが、湯拭きでさらにきれいになる様に思う。 なんとなくだけど個人的には、手の脂というよりは研磨後の粉や、竹由来の「竹瀝」と言われる油が除去されてんでは?と思う。 布袋竹であると最初の荒矯めの際に結構くっきりと油が浮くのだが、拭き取る程度ではしっかり除去できていないのではなかろうかと。 その後、湯拭きの工程で落ちているのはこの残った竹瀝が取れているのかなと。 これが取れればより竹の本体には塗料がしみ込みやすくなるので、ぜひやった方がいい工程なんだろうと思う。 んで、いつもなら沸騰したお湯を桶にくんで、その上であちあち言いながら、竹をメラミンスポンジでゴシゴシやるわけなんだが、途中でお湯もぬるくなるし、手袋してても滅法熱いので、なんとかならんかな?とは思ってはいた。 んで、本日試してみたのがこれですよ。 ハッキンカイロに使うには危険と判断されたAベンジン。 ハッキンカイロ以外の別の用途になんか使えないかと、カシューの薄め液や塗った後の筆を洗う用途につかったりしてみたが、 薄め液には揮発が早すぎて不適。 筆洗いにはまあ使えるけどって感じ。でもま、そこだけベンジンってのもね。 んで、考えた。 湯拭きの工程が脱脂の目的なら、ベンジンでも十分なんではなかろうかと。 懸念点は折角塗り終わったカシューの口巻き部分を侵してしまったりしないだろうかという点であったが、別途、余ったカシューを塗りたくった木製の椅子の上にかけてみた感じ、カシューが短時間で侵されたり、乾燥後に白化したりする様子はみられなかった。 (せっかくなので、対照実験として脱脂といえばのパーツクリーナーでもやってみた。) 長時間やったらどうなるかまでは未知数ながら、塗装面にぶっかけてしばらくしてから長めに布でこすりあげても変化は見られないので、カシューも完全乾燥し、塗膜の硬化が完了していれば問題無いのではと推測された。 ということで、実際にやってみました。 布につけてざっとゴシゴシ拭き上げ、乾燥したところをみると、湯拭き後とあまり変わりない感じに脂の抜けた見た目に変わっていた。 しかも乾燥が早いからお湯でやるより短時間で次の工程に移れそうである。 なんともいい感じですね。 お湯より高コストになることや有機溶媒を用いるということが環境や健康への影響が如何ばかりと考えると「より良い」とは言い難いものの、お手軽にできた感じでなんとなく自分的には満足。 塗った後の耐久性やら竹材への影響等々は比較できていないので、今後の経過を見ないと完全な良否は判断できないが、自分的にはアリかなと。 しかし、同じくパーツクリーナーでも出来そうね。 スプレーぶっかけというわけにはいかないだろうけど、布につけて拭くなら同じ効果は得られそうかな。 ということで、個人的な覚えということで。 【大洋製薬】イザキ Aベンジン 500ml ガレージ・ゼロ 中速乾 ブレーキ&パーツクリーナー 650ml 逆さ噴射可能・原液量500ml お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月26日 01時54分19秒
コメント(0) | コメントを書く
[釣り道具] カテゴリの最新記事
|
|