ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1988年5月7日付 エアロスミス Aerosmith - Angel

2024-05-05 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年5月7日付、1位の交代がありました、2位から上がって1位はTerence Trent D'arbyの"Wishing well"。Terence Trent D'arbyですが、ニューヨーク出身のR&B歌手、ソングライター。デビューアルバムのリリースは1987年、そのアルバムからの1枚目のシングルはTop40には届きませんでしたが、2枚目のシングルのこの曲で初のTop40入り、ついにNo.1獲得です。

2位は5位からアップ、Gloria Estefan and Miami Sound Machineの"Anything for You"。Gloria Estefan and Miami Sound Machineですが、まずは1985年に、Miami Sound Machineとして最高位10位を記録した"Conga"が初のTop40ヒット、1987年に最高位5位の"Rhythm Is Gonna Get You" から、アーチスト名をGloria Estefan and Miami Sound Machineとしましたが、この曲で通算で8曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒット、初の2位まで上がってきました。

3位は前週と変わらず、2週目の3位、Aerosmithの"Angel"。Aerosmith ですが、もちろん皆さんご存じ、アメリカのハードロックグループ。初めてのTop40ヒットは1975年にまでさかのぼります、"Sweet Emotion" が36位を記録、その後、1976年に名曲"Dream On" が最高位6位を記録、これまでに計7曲のTop40ヒットを持っていますが、初めてTop40に登場してから13年目にしてこれまで最高の3位まで上がってきました。

4位は2週間の1位からダウン、Whitney Houstonの"Where Do Broken Hearts Go"。Whitney Houstonですが、初のシングルヒット"You Give Good Love"が最高位3位を記録、その後は、"Saving All My Love for You"を皮切りに、前のシングル"So Emotional"まで、6曲連続の1位、この曲でついに7曲連続の1位となりました。

5位は7位からアップ、Natalie Coleの"Pink Cadillac"。Natalie Coleですが、アメリカのソウルシンガー、偉大なる歌手ナット・キング・コールの娘で、子供の時から歌手として活躍しています。Top40には、75年に"This Will Be" が最高位6位を記録、70年代後半から80年代半ばまで、ヒットがあまり出ない時期もありましたが、この曲で9曲目のTop40ヒットで、77年に最高位5位を記録した"I've Got Love on My Mind" 以来、この曲が2曲目のTop5ヒットとなりました。

この週3位はAerosmithの"Angel"。最高位はこの2週間の3位、年間チャートは34位。"Dream On" が1976年に最高位6位で年間チャート51位、"Walk This Way" が1977年に最高位10位で年間チャート90位を上回るヒットになりました。

Aerosmithですが、もちろんみなさんご存じ、アメリカを代表するハードロックグループ。デビューは1970年代初めにまでさかのぼります。

ファーストアルバム『Aerosmith』 のリリースは1973年で、この時はまだシングルヒットには至りませんでしたが、1975年にリリースした3枚目のアルバム『Toys in the Attic』からのシングル"Sweet Emotion"が36位と、初のTop40ヒットを記録します。 

続いて1976年になって、ファーストアルバムに収録されていた名曲"Dream On"がチャートを再び上昇、最高位6位の大ヒットとなります。 

その後も、"Last Child"、"Walk This Way" などのヒットが続きますが、78年に最高位23位を記録した"Come Together"を最後に、ヒットチャートから姿を消してしまい、その後活動は低下、ジョー・ペリーはバンドを脱退、アルバムは出すものの、長い低迷時期に入ります。 

復活したのは1986年、ヒップ・ホップグループRun-D.M.C.による"Walk This Way"が突如大ヒット、この曲は、驚くことに、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーが参加し作成されたRapバージョンでした。何がおこるのかわかりませんね、この曲のヒットをきっかけに、再びAerosmithに日が当たります。こちらをご覧ください→→→

そしてAerosmith本体としてチャートに復帰したのが1987年リリースの彼ら9枚目のアルバム『Permanent Vacation』からのファーストシングル"Dude (Looks Like A Lady)"、最高位は14位を記録します。こちらをご覧ください→→→

そのアルバム『Permanent Vacation』からのサードシングルがこの曲"Angel"で、前出のとおり、バンドでの最大のヒットとなりました。曲の作者はSteven TylerとソングライターのDesmond Child。プロデュースはBruce Fairbairn 。Desmond Childは"Dude (Looks Like A Lady)"でも曲作りに参加していますね。

"Angel"ですが、Steven Tylerの迫力あるボーカルによるパワー・バラード。Desmond Child、良い曲作りますし、プロデュースのBruce Fairbairn もいい仕事しているのでしょう。Bruce Fairbairn は86年にはBon Joviの大ヒットアルバム『Slippery When Wet』もプロデュースしています。

デビューアルバムは『野獣生誕』の邦題が付いていましたが、Aerosmithの70年代はそのとおりの野性味あふれる粗削りなハードロックで大人気ロックグループにのし上がってきました。

低迷期を乗り越えて復活した80年代後半のAerosmithは、ハードな中にも円熟のロックで戻ってきてくれました。"Dream On"を超えるヒットとなったこの"Angel"のヒット、ホント良かったです。

今週    先週    song    /    artist
1 2 WISHING WELL / TERENCE TRENT D'ARBY
2 5 ANYTHING FOR YOU / GLORIA ESTEFAN AND MIAMI SOUND MACHINE
3 3 ANGEL / AEROSMITH
4 1 WHERE DO BROKEN HEARTS GO / WHITNEY HOUSTON
5 7 PINK CADILLAC / NATALIE COLE
6 11 ALWAYS ON MY MIND / PET SHOP BOYS
7 8 PROVE YOUR LOVE / TAYLOR DAYNE
8 15 SHATTERED DREAMS / JOHNNY HATES JAZZ
9 12 ELECTRIC BLUE / ICEHOUSE
10 13 NAUGHTY GIRLS (NEED LOVE TOO) / SAMANTHA FOX
11 16 I DON'T WANT TO LIVE WITHOUT YOU / FOREIGNER
12 4 DEVIL INSIDE / INXS
13 17 WAIT / WHITE LION
14 22 ONE MORE TRY / GEORGE MICHAEL
15 6 GET OUTTA MY DREAMS, GET INTO MY CAR / BILLY OCEAN
16 18 TWO OCCASIONS / THE DEELE
17 10 GIRLFRIEND / PEBBLES
18 21 PIANO IN THE DARK / BRENDA RUSSELL FEATURING JOE ESPOSITO
19 14 ONE STEP UP / BRUCE SPRINGSTEEN
20 9 I SAW HIM STANDING THERE / TIFFANY
21 27 EVERYTHING YOUR HEART DESIRES / DARYL HALL & JOHN OATES
22 23 PAMELA / TOTO
23 20 I WISH I HAD A GIRL / HENRY LEE SUMMER
24 26 DREAMING / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
25 36 TOGETHER FOREVER / RICK ASTLEY
26 30 MY GIRL / SUAVE
27 28 SAY IT AGAIN / JERMAINE STEWART
28 34 STRANGE BUT TRUE / TIMES TWO
29 35 ONE GOOD REASON / PAUL CARRACK
30 43 CIRCLE IN THE SAND / BELINDA CARLISLE
31 19 MAN IN THE MIRROR / MICHAEL JACKSON
32 40 WE ALL SLEEP ALONE / CHER
33 46 MAKE IT REAL / JETS
34 24 ROCKET 2 U / THE JETS
35 41 I STILL BELIEVE / BRENDA K. STARR
36 48 FOOLISH BEAT / DEBBIE GIBSON
37 44 I'M STILL SEARCHING / GLASS TIGER
38 39 RITUAL / DAN REED NETWORK
39 45 NIGHTIME / PRETTY POISON
40 29 ENDLESS SUMMER NIGHTS / RICHARD MAR

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31 コメント

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意表をつかれたロッカバラード (hannah)
2024-05-05 21:48:32
星船さん、こんばんは。
前作♪Dude Ⅼooks Ⅼike A Ⅼady♪ではスカッとしたロックを聴かせてくれましたが、今回は意表をつくロッカバラード(古い)の名曲でした。
いずれにしてもS.Taylorのヴォーカルが冴えていますね。
まさか、後年ドラマの主題歌になるとは。。。ですね。
クスリ…を克服! (音時)
2024-05-05 23:39:23
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/28256839.html

エアロといえば70年代のアルバム「Toys In The Attick」や「Rocks」でしょう!僕もやっぱりそう思います。アルバム「パーマネント・ヴァケーション」は外部ソングライターを起用し、「作られた感」があったので『もうエアロスミスと呼びたくない』という思いはないわけではなかったけど…でも「復活!」はやっぱり嬉しかったですね!
◆だってメンバーがみんなドラッグ中毒だって聞いて、「もう終わった…」と正直思ってましたから…。
1986年のRun D.M.Cの"Walk This Way"のPVで元気な姿は見せてくれましたが、僕はそのときは「あの人は今...」的な扱いになっちゃったなあともの悲しさも感じてたのです。
 でもエアロスミスはオリジナルメンバーが誰一人欠けることなくまだ現役!歴史を振り返ってみると「第二期黄金時代」はこの「Permanent Vacation」から始まったんですよね!
Unknown (太ったボンジョビ ( `□´)⚡)
2024-05-05 23:50:23
こんばんは~(*´Ο`*)ノ
うふふふ、みなさんのあるある。
パーマネントバケーションアルバム、B面、聴いてないでしょ🎵
いやいや、またブライアンフェリーに戻ってみよっと。まさかのストーンズ絡みは驚きましたもので😃
Unknown (太ったボンジョビ ( `ー´))
2024-05-06 01:54:50
エロスミスの聴けないシングル
ラストチャイルド
チップアウェイザストーン
これ

3位はとにかくおめでとう🎁ございました、です。
正式に復帰できた、その再デビューアルバムからの曲が3位、まさに僥倖、ビックリですね~。
ただ営業中のFENではかかっても苦しゅうない、もとい、嬉しゅうないわー、でありました。引っ掛かるものがなかったんですよね。
バラードで復活かー、しかも味のしないバラード、ていうのが私の思いでした。だから3位も逆不本意なのでした。
でも次のシングルは酔いまくりの歌いまくりの誉めまくりでありました。あれこそエロスミスの真骨頂なのでは………?
"Dream On"越え (星船)
2024-05-06 07:42:00
hannahさんおはようございます。
そうでしたね、ロックバラードでの"Dream On"越え、70年代のエアロとは違う、洗練されたロックでの復活でしたね。
日本のドラマで使われたのですねぇ。キムタクのドラマですか、見ていなかったので知りませんでした。いろんな曲見つけてくるもんですね。
時代とともに変わっても (星船)
2024-05-06 07:50:38
音時さんおはようございます。
そうなんですよね、この88年にこの曲のヒットに会ったとき、そう思いました。"Dream On"を初めて聞いたときのあの衝撃、「バラードなのにこの迫力は何だ!」当時はまだパワー・バラードなどという言葉はなく、ただ感動しましたし、アルバム『Toys in the Attic』は凄いアルバムだったです。それを思い出すと、この曲は違うなぁ、とは思いました。でも最近再復活後の曲を聞くと、やっぱりところどころに、「さすがエアロ!」と感じるところがたくさんあります。時代とともに変わってはいますが、しっかりと復活してくれて、ホント良かったです。
時代に合わせて復活 (星船)
2024-05-06 08:01:28
太ったボンジョビさんおはようございます。
もちろんこの曲、70年代の名盤『Toys in the Attic』などで感じた「野性味」とは程遠いとは思いますが、でも、うまく時代に合わせて復活してくれました。その、新しいエアロを象徴する曲がこの曲ですね。いつまでも野生じゃあやっていけないですから。洗練された円熟のエアロに、時々野生のロックが聞ける、そんなところがよかったんじゃあないでしょうか。
Unknown (太ったボンジョビ ( -""-; ))
2024-05-06 11:10:28
うーん、なるほど、おとなのエロスミス、短絡的なロックはおさらばさ👋😃てな感じですかね?確かに3位は全米でウケたからこそですな。
んでバケーションアルバムをさらっと、デュードの次のSt.ジョンから聴いてみましたんですが、アルバム買って、テープに録ってもらったときと同じ感想でありまして
「うーん(´-ω-` )なんでこんな曲順にしたのでしょ?」と、アイムダウンのカバー?以外はささりませんでしたよ~😣
キャッチー(死語😜)なマジックタッチ、ラグドール、シモライアーあたりはも少し振り分けた方が良かったのでは?と残念に思いました。
あの「ロックス」もB面は魅力に乏しかったしなあ。
ただ最後の「ザ・ムービー🎥」これは私が個人的に好きな「ラストで混沌」をヤっていますのでナイス😆👍️と判断いたしました。
僕を泣かせないで
ミルクカウブルース
ミア
ザ・ホップ
よく分からない(事もないけど)ラストってイイですね。
Carryを連想 (hannah)
2024-05-06 18:20:40
星船さん、こんばんは。
Run D.M.C.の力を借りて?復活して以降は、70年代に勝るとも劣らないぐらいのヒット連発でした。
もちろん格は違いますが、87年秋のEuropeの♪Carry♪を連想させる曲でした。
正統派ロックバンドのAeroですが、案外バラード系の曲が大ヒットですね。
第2期のアルバムは (星船)
2024-05-06 18:30:25
太ったボンジョビさんこんばんは。
そうか、そういえば、70年代のエアロスミスはアルバムをよく聞きましたが、80年代後半からの第2期は、ほぼシングルばっかりで、アルバムは聞かなかったなぁ。その頃は、新しいアルバムは特別なアーチスト以外は聞かなくなっていたので、久しぶりに聞いてみようかな。

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