遅刻 | 秘密の35年☆赤い糸の行方

秘密の35年☆赤い糸の行方

何度別れても、切れることのなかったふたりの糸。二股だったときも、彼が「あの人」と結婚してしまったときも、わたしが海外で暮らし始めたときも。音信不通6年、14年ぶりの再会から、再び動き始めた恋。国境を越えた超遠距離・婚外恋愛。

<「下着」の続きです。>

ユウさんが予約してくれたホテル。

家を出る前に何度も地図で
場所を確認した。

駅の改札を出て、北へ直進。

信号を渡り、突き当たりを右折。

そこからいくらも歩かずに
辿り着けるはずだった。

なのに目印のコンビニは見つかったのに、
肝心のホテルが見つからない。

立ち並ぶビルのひとつひとつを
確認してみたけど、
どこにもホテルとは
書いていなかった。



あちゃー。

またやっちゃったかな…。



なにを隠そう、
わたしは筋金入りの方向音痴である。

土地勘ゼロ。

道を覚える能力ゼロ。



20代のとき、ユウさんの車で
よくドライブした。

帰り道、家まで送ってもらうのに
利用する高速道路は決まっている。

2年弱付き合っている間に
一体何回同じ道を走ったか。

なのにわたしは全く道順を
覚えられなかった。

大きなレストランや居酒屋では
トイレに行ったあと、
自分の席がどこだったかわからなくて、
迷子になりかけたこと数回。

正直に言うと、本当に迷子になって
店員さんに席をさがして
もらったこともある。



どうしよう。

待ち合わせの時間を過ぎちゃう。



仕方なく、携帯でユウさんに連絡。

「セブン◯レブンはあるのに、
ホテルが見つからないんだけど」

彼から場所の説明を受けて、
間違いに気づいた。

突き当たりを右折するのではなく、
左折だったということに。



せっかくの逢瀬の時間が
短くなってしまう。



急いで今来た道を戻る。

少し先へ進むと、あったあった。

さっきとは別店舗のセブン◯レブン。

そして真向かいには目的のホテル。



ユウさんはすでにチェックインをすませて
部屋にいた。

再度電話を入れると
ロビーまで降りて来てくれた。

一緒に部屋まで向かった。

(続く)

⇒⇒【婚外恋愛☆にほんブログ村】

⇒⇒【婚外恋愛☆ブログランキング】