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孔子の大同思想

2021年10月06日 | Weblog

孔子には、理想社会の夢があった。それは、彼の死後、孔子学派がまとめた思想論文を集めた「礼記」(らいき)という本にある言葉である。

「大道が行われたら天下が公のものとなる」「賢人と能力ある人を選び、天下の政治を任せたら、信義を講じ和睦を修養する。そうすると、人々は、自分の親だけを親としないで、自分の子を子としないで、老人には終生を全うさせ、壮年には能力を発揮させ、幼いものには長所を伸ばさせ、一人暮らしの婦人や老父、さらに障がい者は、誰でも扶養される世の中になる。」という。そういう世の中を「大同」というと論じている。この思想は、長らく忘れられてきたが、日本の明治時代、中国の政治改革に敗れ、日本の亡命してきた思想家である康有為が、日本には、そういう理想社会をめざす孔子を信奉する人々がいること知り、中国大陸にむけ「大同思想」を呼びかけた。実は、日本人には、孔子の思想としてではなく、日本式の仏教である浄土真宗や日蓮宗には、大同の世を極楽に置き換え、この世からあの世に繋げて、明治期には、様々な社会福祉の施設を経営する仏教運動が存在した。それで、康有為は、儒教から仏教に関心を移していった。他方、中国仏教は堕落し、正しい仏教を中国大陸に再興するため、中国で布教を行い、中国大陸で近代的な仏教学会が誕生した。そのために、中国共産党は、現在でも、仏教は国家が承認した宗教として各地の寺院は、それなりに存続している。どんな、政治環境であろうと、仏教は中国と日本を結ぶ懸け橋である。

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