Salut!るうちゃんの毎日

わんこ「るうちゃん」が語るわが家の日記です

みんなの近況 おとんとおかん編

2014-12-03 13:15:41 | ファミリー
季節は冬になった

一年がめぐるのはホントに早い
わんこのあたしでも ため息が出るよね(笑)

あたしは 例の心臓病のお薬を 毎日服用しつつ
多少の波はあるけど おおむね元気です うん

まあ よく寝てるかな~
一日に何度も まあオシッコのたびにお庭を自由に歩けるので
好きなだけ 庭中くんくんして
気がすむまで 玄関マットの上で日向ぼっこして
たまにネコを追いかけて 全力で走る・・・・のが日課

あとは お気に入りのソファに寝そべって
おかあさんと一緒にテレビ見たり お昼寝したり
文机の下で 家の中の様子を眺めたり

お留守番の時は お二階に行って
日向ぼっこしながら お父さんのベッドでぬくぬく寝てる


心臓の調子は いいのか悪いのか 自分ではよくわからない
一度食欲が落ちて ちょっと痩せたんだけど 
心配性のおかあさんに無理やりたべさせられる
先生お奨めの「病後回復期用 高カロリードッグフード」のおかげで
また毛並みはつやつやだ

おかあさんは ステーキ用の赤身のお肉や
圧力かけて柔らかくした 骨付き肉を
たくさん食べさせてくれる
骨は大好きだよね~んふふ


ほろほろになったお肉は 大根と一緒に煮たり
ビーフシチューやスープカレーになったりして 
毎日のお父さんのごはんや
お弁当のおかずになる

「贅沢なもんだ」とおとうさんは苦笑い
「るうのおこぼれかよ~笑」といいつつ食べてる






おとうさんは メタボリックなお腹が 一段と立派になった
中には何が入っているのか
つい触りたくなるような 太鼓腹だ

まあ お酒だよね(笑)

「それやばくない?」
おかあさんが 若者言葉のイントネーションでからかう
「やばいよ 充分やばいよ わかってるよ んで これどうすんだよ~!」と
キレ気味に 自嘲するおとうさん

充分やばいと あたしも思う

このあいだ ユニクロ行って 
ウエストサイズを大きくしたチノパン ご購入だったよねえ

夏休みには 毎晩おねえちゃんと嬉しそうに飲んでたし
入れ違いに帰ってきたおにいちゃんとも 
なんだかんだと お酒つき合わせてたよね

デパ地下のワイン売り場に行くと 必ず
「これ一緒に飲もう」って にこにこ買ってる
2~3本は買うでしょ

近くにあるワイナリーの 秋のお祭りでも 買ってたよねえ
八ヶ岳行っても 買ってくるよねえ

もちろんボージョレ解禁日も 
「ボージョレは基本うまくないよなあ」といいながら
何本もご購入でご帰宅だった

先日のばあちゃんの一周忌にも
ここぞとばかり 飲んでたし うん

それにワインだけで収まらないのがまずいよね
ウィスキーの瓶も
焼酎の瓶も
けっこうなペースで溜まってるよ

やばいよ
おとうさん(笑)




おかあさんの新しい趣味に「ポーセラーツ」というのが加わった

白い陶器のお皿や お茶碗に きれいなシールを貼り付けて
自分だけのデザインの食器に仕上げる と いうものらしい

百円ショップのチープなお皿が
バラの蕾のシールを貼って 金色の縁取りをすると
千円ぐらいに見えるから おもしろいよね

おかあさんは ネットで ポーセラーツシールを検索して
夜中に ごそごそと注文してる
シールに食器に なんだかんだとまあけっこうな注文額だけど
モトは取れないと思うなあ~
できあいのバラのお皿買った方が安いんじゃないの?

まあ 月に一度
いそいそとお教室に通うようになったおかあさん

面倒くさいことが苦手なおかあさんには
すごくいい趣味だと思われる

編み物 縫い物 パッチワーク 刺繍 ビーズ トールペイント
この人 いろいろやっては見るけど 長続きしないんだよね
根気というものに欠けてるからねえ
手先は不器用じゃないんだろうけど 
やれ肩が凝るだの 目が疲れるだの言っては自然消滅。。。。

これはいつまで続くやら(笑)

フランス語はすでに影も形もないし
ハープは気がむかないと触ってもらえない
まあ アンサンブルの練習で楽しんでるけどね
お茶だけは もう何十年と続いてるかな~

そうよね
ガンバッテ 人生 彩り多くいたしましょう

音楽は趣味じゃなくて この人の仕事だから
否応なしに ほぼ毎日やってる

レッスン
コーラス 第九 コンサート

年末まで それなりに忙しそうなおかあさんだ
ファイト~


るなは おかあさんが元気でおとうさんが愉快だと うん 元気になれるよ
寒い冬も 一緒にあったかく 乗りきりたい!

ひっさびさだったけど
書いてみた~









みんなの近況 姉弟編

2014-07-06 23:24:50 | ファミリー
おねえちゃんは 大学4年生になった

一月からずっと就活で頑張ってたけど
五月の連休明けに 内定が出て
本人の希望で その会社に就職を決めた

初めての就活・・・ 
「今の学生はたいへんねえ」っておかあさんは ため息をついてた
なんたって エントリーの数が半端じゃない単位だし
それに対応する 採用数がまた半端無く少ない
何千通 何万通から 採用15人とか(笑)
おねえちゃんの第一志望 大手出版社は ものすごい倍率だった

会社説明会に行くにも まずエントリーしなくちゃいけない
行ってきて 改めてエントリーシートの作成
企業によって 内容が違うから 徹夜で必死に書いて・・・・郵送

ESが通ったら ウェブテストだの
筆記試験だの 面接だの 一回ごとに合否があって・・・・

何度目かの面接までは 順調にいくんだけど
最終で落とされること数回
疲れもピーク 心理的にきつくて 大変だったらしい


出版社 新聞社 商社 デパート総合職。。。。。

落とされる時には「~様の今後のご活躍をお祈りしております」という
不採用メールが来るので お祈りメールって言うらしいんだけど
おねえちゃんもお祈りされること数回
初めは 受けられる会社が 選び放題だったから 
なにかと余裕だったおねえちゃんも 
だんだんと受けられるところが限られてきて

これがダメだったら どうしよう 
次がだめだったらもう無い  どうしたらいいんだ・・・・
みんなとちがって 私 金融証券は気が進まないけど
エントリーするしかないのかな~ 泣きそうだったおねえちゃんだったけど

おかあさんに
「大丈夫 
 もうあんたが行くところは決まってるんだから
 焦ったって 仕方がないよ
 誠実に精一杯対応するだけ

 だめだったら 来年また受けたらいいじゃない
 大学院に進学しても良いし
 フランスに留学してもいいんだよ
 どこにだってチャンスはあると思うよ」

そう言われて やっと落ち着いたおねえちゃん
そうか・・・
うん もう少しガンバルヨ
そう思った矢先に 一応大手の会社から内定が出た


オオ~・・・ヨカッタ~


本人がずっと行きたかった業界だし
子どもの頃から憧れてた職種だから いいんじゃないかな
人と接するの好きだし 英語もフランス語も生かせるし
おねえちゃんに あってると思うよ


なんとか落ち着いたおねえちゃん
ダブルスクールだけど 英語とフランス語の駅前留学と(笑)
本気でお茶のお稽古に通うことを決める

で あと2単位で卒業できるお姉ちゃんは
残りの学生生活をエンジョイしようと 海外旅行をたくさん計画中とかで
先立つものを工面すべく バイト三昧の毎日を送り始めた
ま もともとテキパキと良く動くから
アクティブな一年になるんだろうな

卒論も選択するらしいけど
ん~
卒業式の袴のレンタルや 着付けの予約も怠りなく・・・・
さすが 手回しがいいこと(笑)







おにいちゃんは 大学二年生になって アルバイトを始めた

本屋さんで 店番をしてるらしい
駅の構内にある 狭小書店らしいけど
なんとかうまくやっているみたいだ

書店のことはあまり話さないけど
社員割引で お寿司が安く食べられるのが嬉しいって言ってる(笑)
あと 近くのお店のおばちゃんが 
売れ残った有名店のカツサンドを 持ってきてくれるんだって
すごくうまいって 喜んでるおにいちゃん
たしかに お小遣いでは買えない けっこうな値段だもん

アルバイトって お小遣いを稼ぐだけじゃなくて
いろんな人と接して 世界が広がるのがいいよね

駅の構内は いろいろな人が働いてるんだなあ



今 おにいちゃんが熱を入れてるのは 大学のサークル「居合道部」だ

進級してから 下級生校舎の支部長をまかされていて
新入部員の勧誘やら お茶の水校舎の先輩方との連絡やら
なんやかやといろいろ忙しくしている
先日も新人戦があって 
なんとか初戦突破したものの ベスト16を逃したとか


模擬刀 胴着 袴 合宿。。。。
まあ いろいろお金もかかるので バイト始めたらしい

練習にも気合いが入っているらしいよ
おにいちゃんは 中高一貫校出身で日頃勉強ばかりだったし
中学では将棋部(笑)高校は帰宅部(笑)と
自分で選んで始めた 初めての運動系の部活だから
ガンバッテやり遂げて欲しいと お母さんは思っているみたいだ

サークルやらなかったら時間が出来るから 勉強するか?といえば
まあ そんなわけ無いんだよね だから 
目の前のことに きっちりと誠実に対応するのが正解だ

・・・ということで お勉強は後回しの毎日かな(笑)


彼女とはどうなってるのか 知るよしもないが
「留学するらしいから お付き合いもおしまいかな~」
みたいなことを言っていたから もうお別れしたのかなと思ったら
「3年になったら行くんだって」とあっさり訂正される

まあよい 
青春だもの
しっかりやりたまえ

まあね 法学部なんだからさ
宅建からね まず一つ
ひとつひとつ 資格とりましょうね?わかってる?
資格が無いと 就活大変だよ??

夏休みには 車の免許をとるそうで 初めて長く帰省する
やっと久しぶりに 息子にごはんを食べさせられるのが
今からとっても楽しみな様子のおかあさんだ

おかあさんは 子どもたち溺愛だからなあ
わんこも溺愛だけど(笑)
・・・・ということは
あたしたち 良きライバルってやつだよね~(笑)



次は お父さんお母さん編でーす






みんなの近況 るな編

2014-06-25 15:38:55 | ファミリー
あっというまに6月も終わりになった

今年はいつまでも寒くて なかなか春が来なかったけど
やっと桜が咲いて ちゅうりっぷやたんぽぽが咲いて
山の雪が消えていった

お庭の緑が きらきら光る季節になって
田んぼに水が入ったなあ って思ったら
お田植えになって
かえるがケロケロ鳴き出した




あたしは 心臓の病気になったけど
お薬を飲みながら みんなに大事にされている
ますます箱入りのお嬢さんて感じ(笑)

お薬は朝と晩 
ビオフェルミンまで数えると
五つのタブレットと カプセルをひとつ
心臓の薬と 気管の薬 血圧の薬 利尿剤・・・・
おかあさんは 薬をくだいて スプーン一杯のバニラアイスに混ぜ込んで
あたしにきっちりたべさせる



一度目の発作らしき時は 
あたしは バタって音をたててつっぷしちゃって 
手足をばたつかせたけど 立ち上がれなくて
お母さんが真っ青になって あたしを抱き上げた

呼吸もはあはあ・・・・って ひどくて
時間外だったけど 急患で先生に診てもらったんだよね

帰り際に ニトログリセリンを渡されて
お母さん涙目だったけど
「躊躇しないで つぶして口の中側に貼り付けてね」って
先生に教えてもらってた



二度目に 肺水腫おこしかけた時は
帰る時 酸素ボンベを持たされて(笑)
おかあさん 半笑いでボンベの写真撮って 
家族みんなに送ってたっけ

「一晩中呼吸が苦しそうで 寝られないんですよ
伏せると苦しいのかしら 起き上がって お座りの姿勢になっちゃうの
今度こそだめかと思った 私のそばを 片時も離れないし
私 クッションに寄りかからせて ひたすら撫でてるしかなかったんだけど
私が寝ちゃったら その間に冷たくなっちゃうんじゃないかって
一時間ごとにアラーム設定して 起きてました・・・・」

必死に 先生にあたしの様子を説明するお母さんをよそに
先生たちって 超冷静(笑)

テキパキレントゲンを撮って 血液検査をして 血圧計って
症状をきっちり説明すると あたしの顔をのぞき込んで
もう一回 口の粘膜の色を確認する

「まあねえ これで良く生きてるよねっていう状態の心臓でも
キャバリアってね 粘り強いんですよ
お薬で けっこう長い間がんばれちゃう子が多いのね
るうちゃんも 案外ダイジョウブかな~
乗りきってくれるといいんだけどね~
お薬ね 量と種類を少し変えたので 様子見ましょう」 




幸いなことに お薬が効いて 酸素ボンベは使わなかったし
ニトロもほとんど減らない
「るうちゃんおとなしいわねえ」って言われながら
まあ 普通に生きてるよ

食欲が無くて ごはんが食べられなかった時
ちょっと調子が崩れたけど
おかあさんが ドッグフードから手作りごはんに切り替えてくれて
なんとか乗りきったかな~


おかあさんはいろいろ試して
ポーク チキン ビーフ ラム マトン レバー 砂肝 軟骨。。。。
焼いたり 茹でたり 蒸したり 煮たりしてあたしに食べさせたけど
食欲は あまり出ないんだよね


で 試行錯誤の末
今はたっぷりのお野菜と 圧力鍋で柔らかくした
骨付きのチキンと ポークとビーフのスペアリブを骨ごと
よく煮込んだスープを 炊いたごはんにかけてくれる

うん 美味しいよ


それも お母さんは始めのうち 
あたしの口を無理やりこじ開けて スプーンで食べさせた
おとうさんに 「まるで介護だな(笑)むせると肺炎だぞ~」
・・・ってからかわれていたけど
あたしが 嫌だからしっかりお口閉じてても
なんだかんだと 撫でたりくすぐったりしながら お口あけちゃう(笑)

「この量 全部食べるまでは放さないからね」って
しっかりがっちり捕まってなくちゃイケナイ(笑)


そのうちに体調が良くなって 食欲が戻ってきて
今は しっかりおやつも要求するし
おいしくハグハグごはんをいただいています


ちなみにね
この春のマイブームは アスパラだったんだよ
青々と茹でたアスパラ 美味しいよね
あたし お肉には見向きもしなかった頃
アスパラが大好きで よく食べた~
時どき お父さんのお弁当に彩りで入ってたけど
アスパラは ほぼるうちゃん用でした


おかあさん
アリガトウ(笑)
このまま あたし 夏も乗りきってみせるからね~ 








るなの病気

2014-03-18 02:17:40 | luna

一月のある日 おかあさんが あたしをのぞき込んだ
「るうちゃん 具合悪い?」

あたしは この頃 ちょっと疲れ気味で
ごはんが美味しくなくて
お庭に行くのがおっくうだった


「寝てばかりいるのよね・・・・ おやつも食べないし
 どこか具合が悪いのよ きっと
 わんこって 話が出来ないから こういうときつらいわよね」

おかあさんは ひとりごとを言うと
さっさとコートを羽織って
有無を言わせずに あたしを病院に連れて行った






「ああ・・・・心臓やられてますね
 弁がね もう取れてるわね これは・・・」

先生は 聴診器を外すと 残念そうにそう言った


るながかかりつけの この病院はご夫婦で獣医さんをしている
赤ちゃんの時から ずっとこの病院でお世話になってきた
注射も ワクチンも フィラリアも
腰を痛めたときも 耳がかゆいときも
お腹を壊したときも 避妊手術も ここだった


「キャバリアが先天的な原因で 心臓病になりやすいってことは 
 お話ししてありましたよね で 予防的にお薬も飲んでたでしょ
 この子の心臓は 弁がやられて もうけっこう経っているんですよ」

「そうですか・・・・おばあちゃんのことで家中がそれどころじゃなくて
 11月ぐらいから るなのこと あまり注意してなかったんですよね
 お薬忘れちゃうことも多かったし・・・・」
お母さんはうつむくと くちびるをかみしめた


るなの心臓は 肥大しているんだって 先生は言ってた 
「右心房と左心房でね 逆流するのを避けようと心臓が一生懸命働くんです
 でね ガンバッテ動くから 大きくなっちゃうのね
 心臓は筋肉だから 鍛えられちゃうのね・・・・
 どくんどくんと 強く強く血液を送ろうとするでしょ
 心肥大がひどいですね・・・・・・あと肺がね 水っぽくなってる
 肺水腫になり始めてますね 肥大した心臓に血液が大量に集まるから
 どうしても水が漏れるのよね・・・」


先生は レントゲンを見ながら 説明していく
おかあさんは 涙目で 頷きながらお話を聞いていた

「あの・・・・余命はどれくらいですか」
おかあさんは 絞り出すような声で やっと尋ねた

「こればかりは この子のもってる寿命でね
何とも言えないのよね・・・・あっというまに逝ってしまう子もいるし
薬を飲みながら何年も持ってる子もいるしね」



レントゲンとエコー 血液検査をしたあたし


心臓に「そんなに一生懸命に働かなくてもいいよ ちょっと休んで」という薬と
水腫を治す利尿剤 呼吸を楽にする気管支拡張剤
他に心臓の薬を二種類・・・・・
たくさんのお薬をもらって あたしはおうちに帰った



おとうさんは 黙ってあたしの頭をなでた

おねえちゃんは半泣きのメール
おにいちゃんは達観したようなメールをよこした

るなに逢いに 帰らなくちゃ
二人は何とかやりくりして 春休みに帰ってくると言った



あたしは 薬が効いて かなり体調が戻った
心臓は いつもどきどきしているけど
呼吸数は収まってきたし・・・・
ごはんも おやつも ちゃんと食べられるようになった


みんなが「あまあま」で
おかあさんは 牛肉のトッピングを惜しげもなく乗せてくれるし
おとうさんは おやつをいっぱいくれるし
「病気もいいものねえ」なんて 思ったりする(笑)

朝と夜の大量のお薬には 閉口だけど・・・・・
おかあさんは 絶対に無理やりにでも飲ませるんだ
このごろは すりつぶして少量のアイスクリームに混ぜ込んで
スプーンで喉に入れられちゃう

仕方なく飲んでるあたし・・・・・ホントはイヤだけど空気読んでる(笑)



もうすこし ガンバッテ
もっといっぱい可愛がられてから お暇するよ
まだ8歳だもん いくらなんでも若すぎるって~


るなの病気は 心臓病です・・・・
でも 元気だよ!!








おばあちゃん

2014-02-01 22:48:15 | おばあちゃん


木枯らし吹く季節だった前記事から
三ヶ月

その間に・・・・・
悲しいことにおばあちゃんが亡くなった

病気は無かったけど
老衰で食欲が無くて・・・・
夏過ぎから
だんだん食べられなくなっていたおばあちゃんだった

享年九十歳だったので
大往生だと言われたらその通りだけど
まだまだ元気だと思っていたので
るなも
みんなも
ちょっと驚いた

11月に入ってから おかあさんは
東京のおねえちゃんとおにいちゃんに
時間をみつけておばあちゃんの見舞いに来るようにと
何度かメールを送った

二人は 別々だったけど
二度ばかり帰ってきて
おばあちゃんに会っていった

夏に帰ったとき
ちょっと惚けてたおばあちゃんに
「どちらさまです?」と言われて
むくれていたおねえちゃんは
ちゃんと名前で呼ばれて 笑顔で話してたけど

反対に おにいちゃんは
まるで知らない人のように無視されて
心底ガッカリしたようだった

翌日には 記憶が戻ったらしくて
にこにこ話してたけれど
お年寄りの頭の中は 記憶のチューニングというか
チャンネルを合わせるのがむずかしいらしい


四人兄弟の末っ子で 跡を取ったお父さんは
大勢の親戚や近所のみなさんに相談しながら
そつなく喪主を務め
母の遺骨を胸に抱いて家に帰ってきた

あたしは いつも以上におとなしく
人が大勢になればなるほど
お母さんの文机のしたに隠れるようにして
ほとんど寝たふりをしていたけど
通夜と葬儀の日は いつものペットショップに預けられて
ひとりさびしく おばあちゃんを送った


すべて済んで あたしがおうちに戻ったら
おばあちゃんは 白い布のかかった段の上で
額に入った写真の中で・・・・
すごくいい顔して笑ってた




思い出すよ
あたしだって7年も一緒にいたんだもん

あたしが ちょこちょこと六畳の和室に行くと
いつもおばあちゃんはこたつにあたっていた
あたしを気にするでもなく
無視するでもなく
あたしとじっと目があったりするんだよね

長座布団の上で横になったり
テレビを眺めていたり
縁側に立って 庭の松の木を眺めたりしていたっけ

たまには お茶菓子のかけらや
おかずの残りを あたしにくれようとして
おかあさんに 「犬にはしょっぱいからだめです」って言われて 
悲しそうな顔をしていたっけ

あたしは 六畳の和室と八畳の和室を
ぐるぐる回ってから
リビングに戻ってくる

おばあちゃんも一緒に 
リビングや廊下を
徘徊もどき(笑)してたけどね



そうそう
3時になると小学生が下校してくるでしょ

もう大学生になったおにいちゃんだけど
おばあちゃんにとっては 
いつまでも小学生のような気がするのかな
必ず道路に出て 学校の方を眺めていたよね

で・・・
まだ帰ってこないってひとりごと言って
ずっと待ってるんだよね
おにいちゃん 部活と塾で
今日は9時だろ・・・・って
あたしも説明してあげたかったよ

まあ
おかあさんに毎日言われてたけどさ

ピアノのお教室に来る子たちのことも
ちゃんとわかっていて
今日は何曜日で
レッスン室の玄関に 靴がいくつ並んでるか・・・
ドアを開けて よく見ていたっけ

近くの畑に 日課のように通ってたけど
ここ何年かは 行けなくなってた

トマトやほうれんそうや葱やかぼちゃや・・・・
美味しいって
遊びに来てた おかあさんのお仲間が よくもらってた
おばあちゃんも 嬉しそうにしてたよ

年が明けて
四十九日も過ぎて

すっかり落ち着いたわが家

おばあちゃん
おつかれさま

ありがとうね


あの日 おかあさんがるなを抱っこして
涙ためながら言ってた
おばあちゃんにありがとうって言えてヨカッタ・・・・って


るなも言うね
ありがとう

見守ってね ばあちゃん



紅葉の季節

2013-11-06 22:09:31 | luna

ピンクの コスモスが
道路脇に咲きはじめたと思ったら
あっというまに・・・・秋が来た


稲穂が まだぎらつく太陽に照らされて
辺り一面 黄金の輝きを放って 大きな風にうねっていたのに

日ごとに輝きが失せて 色あせた黄土色になり
コンバインで 規則正しい幾何学模様を描きながら
黙々と刈り取られていく

稲刈りがすんだ田んぼは 生気を失い
積みわらが 大きなトラックで
遠い畜産農家に運ばれる頃には
すっかり 風は冷たくなった


何度か通りすぎた 秋の嵐
こんなに遅い季節の台風は 経験がないって
近所のおじいさんが 大声で話している


この春の
花が咲いた頃に降った 遅い雪のせいで
胡桃の実りが悪いと ローカルニュースの
自信無さそうな 女性アナウンサーが言う


今年は いつもの
美味しいりんごは 採れるのだろうか








あたしは ほぼ一日中 寝ている

おかげさまで 毛並みの色つやもよく
うるうるのお目々で ママを悩殺する技には 磨きがかかり
美人度は しっかり保っているらしい

ごはんのたび
お出かけのたびに
ママが言う

あんた おやつねだるときは
超絶可愛いお顔するのねえ・・・・

はい おかげさまで(笑)

用のない時には やぶにらみ気味の視線を
遠慮無く飛ばしているらしく
おやつがないと こいつ 可愛くねえな~と
おとんには よく怒られている



きのうは ママはお仕事で朝からお出かけだった
三連休の最後
行楽日和って言う 良い一日だった

三日間 のんびりしていたおとうさんは
さすがに退屈したらしい

なにを思ったか スポーツショップにお出掛けすると 
黒と赤のかっこいいランニングシューズと
有名ブランドのロゴの入った 黒いジャージを買ってきた

そういえば 近所に出来たスポーツジムに行って
パンフレットもらってきてたっけ

そのお腹・・・・
そりゃ ダメだよねえ
うん
るなも そのお腹はやばいと思うョ

お酒やめるしかないよねえ



帰ってくると 上機嫌で買ってきたモノを取り出して
鼻歌交じりにさっさと着替えて 新しい靴を履いた


あ。。。。イヤな予感がする。。。。



そう思って よりいっそう見えないところに
机の下にもぐり込んで隠れたのに

予感は大当たり
・・・・・しっかり引っ張り出された(泣)


「るうちゃん
 ランニング行くぞ ほら来い!!」

おとうさんたら 超ゴキゲンで 超張り切ってる




え~~~~~~~~~~?????
ランニングですと??


お散歩キライで
お庭から出るのが怖くて

庭の中は駆け回るけど
それ以外運動しないワタシが??
走る?

「犬だろおまえ」って
おとうさんよく言うけど

あたしは 自分を犬だと思ってないんだよねえ
おかあさんの子どもだと思ってるからさ~
人間のつもりなんだよね へへ


日頃は
アンタだって そういう扱いしてるじゃん


なんで今日に限って 犬の扱いなんだよっ









あ・・・・・・・・

あたしは残念ながら 日頃の運動不足がたたり
ごはんも食べたくないほど 疲れちゃった

いつもの場所に よっこらしょと座り込む
伏せながら ちょっとかったるく
満足げにビールのグラスを運んでるおとんを ちらと見た


ハアハア息が上がってたくせに
ゴキゲンだなあ おとん
ビール飲んだら意味ないだろうって

「ちっ」と言ってやりたい気分だ(笑)


酔っぱらうと また「るうちゃあん」って絡まれそうだな
逃げとこ・・・・そう思っていると
おかあさんが帰ってきた

しっぽで ちょっとだけ歓迎の気持を表したけど
おかあさんは目ざとくそれを見つけて 

「なんだよう そのしっぽ~」って 
あたしを無理やり抱え込むと
一日分の 撫でたり 抱きしめたり キスしたり の恒例行事を
ひととおりやり終えると ソファーの上に置き去りにして
さっさと着替えに行ってしまった



「え~ 走らせたの?何キロ?
 ランニング?また極端な事始めたわねえ~」

おかあさんも 苦笑いだ


そんでもって
受難の日だったね というような
あわれみの一瞥を あたしに投げかけてくれた


ほんとに 犬なのに
足腰が弱っていて 反省だよねえ 
半日ばかり 足を引きずっていたけど

さすがに翌日には 痛みもとれて 
ごはんも 食べられるようになった

まいった(笑)




ちょっぴり苦悩の似合う 秋の一日・・・・あはは
季節は ノーベンバーになった

るな まだ老け込むには早いからさ
少し運動しようっと



ひさしぶりの るな日記デシタ











  



















コスモスの季節

2013-09-09 12:23:15 | ファミリー

また季節が変わった
秋の気配が 一日一日濃くなっている

デッキからお庭に降りると 敷石が焼けていて
あんよの裏が(・・・肉球ね 笑)
じゅうって 熱いくらいだったのに

この夏は早くから暑くて 
そんで いつまでもむわっと暑くて 
わんこだって お庭のパトロールもそこそこに 
早くおうちに引っ込んじゃうくらい 過酷だったよね

食欲落ちて
冷たい床さがしては ぐったり腹ばいになってると
おかあさん おろおろ心配してたっけ


夏って あたしニガテかも
毛皮着てるし 夏の体温はかなりのもので
ちょっとあそんだだけで 呼吸もつい荒くなるし

はあはあ ベロ出して息してると
おかあさんがお顔のぞき込んで
「るうちゃんのべろ タンにしちゃあ薄いよね~
 じゅうって焼いて食べちゃうぞ(笑)おいしいかな?」って
笑えない冗談を言うんだよ この人

実際 スーパーで厚切りタンを見つけて買ってきて
いいニオイさせて食べてたっけ

あたしはわんこだよ
美味しいのは 牛タンデショ



ともあれ
ゆっくりお庭のパトロールができる
いい季節に 移り中。。。。デス



おにいちゃんは サークルの合宿に山中湖に行くと言って
お盆が開けたら 帰って行った

居合いってのをやってるらしい
居合道・・・・
写メ見せてもらったんだ

白い胴着に 白い袴
模擬刀


合宿中は 筋肉ぱんぱんで もう限界だと泣き言言ってた
おにいちゃんは 進学重視の中高一貫校出身だから
運動系の部活の経験が無い

小学校では 大会でいい成績収めるなど
けっこういい線いってた剣道も
中学に部活が無くて 結局やれなくなってしまい
中途半端だったのが 心残りだったのかなあ
ちょっとだけ テイストの似てるサークル選んでるのがおもしろいよね

体育会系の活動って 初めてだから
慣れなくて ビックリすることもあるけど・・って おにいちゃん

合宿だから 一年生は いろいろ仕事があるらしく
食事のことや いろんな雑用をやるらしくて
先輩後輩の関係って 気配りとか必要だし
良い人生経験だって おかあさんに言われてた



おねえちゃんは お盆の半ばに 嵐のように帰ってきて
さっさと高校の友だちと海に遊びに行って 
別の仲間とバーベキューやって
また嵐のように帰って行った(笑)
何しに来たんだか・・・って感じ

九月は インターンシップがあるとかで・・・
バイトも続けてるし
友だちが多いので お付き合いも多いし・・・

家にこもるのが好きな おにいちゃんと違って
おねえちゃんは 相変わらず アクティブな生活を送ってるらしい



おばあちゃんは お正月
おにいちゃんのセンター直前に 転んで腰をけがして以来
体調が崩れて 認知が進んでしまい 
おかあさんは けっこう大変だった

入院 リハビリ
専門の介護センターでお世話になって
今は ずいぶん元気になったけど
誰が会いに行っても 誰だかわからないみたいだ
おかあさんはわかるらしくて にっこりするけどね

娘たちが孫を連れて会いに行ってもわからないし
妹が面会に行ってもわからない

一番可愛がってたおにいちゃんには
まだ反応するかな

おねえちゃんは 家を離れてたせいか 
「おばあちゃんに お客さんですか って言われた(笑)」ってむくれてたっけ


帰宅したとき
あたしのことはわかったよ(笑)
うん

るなって名前は もともとわからないみたいだったし
前に飼ってた ボブって名前で 呼ばれてたから
うん


コスモスの季節になった

みんな元気で
みんなが自分のやることやってる

あたしも元気で
毎日おとうさんとおかあさんに可愛がられてる

かわいく甘えて
お仕事もしてるよ


じゃあまた











和室のお城

2013-07-30 12:50:21 | おかあさん
リビングに隣接した 小さな和室は
このごろ おかあさんのお城になっている

離れには グランドピアノとエレクトーンとキーボードが並べられた
けっこう大きめな 別棟のレッスン室があって
楽譜でも CDでも 音楽関係の書籍でも 
大きな本棚に なんでも詰め込んで 置いてあるので
本当なら そこが おかあさんのお城なんだろうけど


冬の寒い間 和室の掘りごたつが居心地良いものだから 
受験勉強中は おねえちゃんの勉強部屋になったり
おにいちゃんのうたた寝部屋になったり(笑)していた


おかあさんも コタツでパソコン見たり
新聞や本を読んだり お裁縫をしたり 手紙を書いたり
まあ 小さい部屋だから 
すわったまま いろいろ手が届くのが魅力的だったようで(笑)

ついつい この和室が居心地良くて
今では コタツを片付けて 広々と
壁に向けた文机にむかって いろいろするのが日課になっているようだ






さっき あたしがひょいっと和室に行ったら
おかあさんが 畳の上に大の字になって 天井を見つめていた

ここは涼しくて
とっても気持ちが良い
ナニカ考え事かな


くんくんと ちょっとだけ畳の匂いを嗅いで
おかあさんの方をちらっと眺めると
おかあさんが無反応だったので
文机の下に入り込んで よっこらしょと寝そべる

上や側面が 壁でふさがれた場所・・・っていうのは 
犬的には 落ち着く
ここと 二階のベンチの下が 気に入っている
あたしの安全基地・・・・って感じ


天井を見ていたおかあさんが ふと首を回して 文机の下に視線を向けた
つい 目があって しかたなくしっぽをパタパタさせる

んん~なに?
おかあさん何か用?


おかあさんは 届かないけど あたしの方に手を伸ばす
あたしは ちょっと考えて 起き上がると
むこうに向きを変えて もう一回寝そべった

ちっ・・・・と舌打ちするのが聞こえて
「るうちゃん カワイクナイ」って
おかあさんが言った

ごめん


北の窓から ふわっと風が入ってきて
風鈴が ちいさく鳴った
きれいな音・・・・
平泉に行った時に買った 南部鉄器の風鈴で
おかあさんが 音を聞き比べて 選んできた風鈴だ

蝉の声が遠くに聞こえる
日射しは 見るからに暑そうだ


「るうちゃん 来週おにいちゃんが帰ってくるってよ
遊んでもらえるから ウレシイでしょ
おねえちゃんはねえ お盆に入ってからだってさ
まさかお盆にウェディングはないと思うけど
このごろは フロントやクロークの仕事やってるから
ホテルのバイト入れてきたらしいよ

それにねえ 帰ってきても 高校のクラスで海に行くんだって
仲いいよねえ あの子たち
いつまでもクラスでまとまっていて
先生も一緒に行くんだってよ?海のお宿は 貸し切りなんだって(笑)」


そっか 来週おにいちゃん帰るんだ
良かったじゃん おかあさん
おにいちゃんが来たら すっごい元気出ちゃうね


るなも またいじられるのか
シカタナイ
ガマン~オシゴトダカラ
まあ おにいちゃん優しいし 遊んでくれるし
んふふ

そっか おかあさんてば 
きっと 帰ってきたらうれしくて
いろいろ お世話焼くんだろうなあ



きのうもさ スーパーから帰ってきて
あたし捕まえて いきなり言うんだよ

「ねえ るうちゃん 
スイカ食べたいよねえ
もう八月だよ 夏だもんスイカだよう ねえ?

でもさ 小さくカットされてるのって 買う気にならないのよねえ
でも 大きなスイカ一個買ってきたって 困るじゃない?
おとうさんと二人で 食べきれないわよねえ

るうちゃんも食べる?
子どもたち早く帰ってこないかなあ~
スイカでもメロンでも桃でも 
あの子たちが食べたいだけ食べさせたいわあ」

結局 自分が食べたいんじゃなくて
子どもに食べさせたいって所に 行き着くんだけどさ

この人 もう仕方ない
そう言う思考回路しかハタラカナイからな~
ま・・・・・いっか

じゃ 来週には スイカが食べられるのか
あたしは 気がむいたらいただきます
もやしとかキュウリとか好きだもん 
スイカもきっと好きだと思うョ おかあさん


先週まで コンサートだの お茶会だの
新しいバイト先がどうだの 第九が始まってどうのこうの
まあバタバタ張り切ってたけど 
週明けから ちょこっと活動が止まってたから
これで 元気出るかな?


夏バテしちゃダメだよ~
ガンバレ












ドライヤー

2013-07-02 11:51:57 | luna

おかあさんが迎えに来たとき
あたしは 嬉しくてゲージの中で しっぽ振りまくりだった

狭いゲージの中を 右に左に 動けるだけ移動
うろうろうろうろ・・・・ハヤクダシテ
笑ってるし おかあさんてば
ハヤク・・・

やっと抱っこされてほっとする

おかあさんが お会計やらカードの記入やらをしているとき
トリマーのお姉さんが 
「シャンプーしてから ちょっと目が赤いんですけど」・・・・って言った

おかあさんが 気にも止めずに
「そうですか? 耳がかゆくて足で掻いたりするとき 
 当たっちゃったりするんですよね~」って
さらりという


ほんとは るな
このとき もう すごい痛かったんだよう
お姉さんも ホントは認めたくなかったんだろうけど
わかってたんだと思うんだよね

・・・・って あとで 動物病院の先生が言ってたもん


家に帰って おかあさんがまじまじとあたしの目を見て びっくりする
「るうちゃん まっかじゃない みせてごらん」

痛いから 逃げる
いやがる ちょっと暴れる

おかあさんは 真顔になると 壁の時計を見た
六時半になるところだ

急いで電話をするおかあさん
「すみません 美容院へ行ってきたら 目が真っ赤なんですけど
 連れてっていいですか?
 はい 七時までにはもちろん入れますから はい」

「るうちゃん お医者さん行くよ
 明日先生お休みだし 受付 電話でぎりぎりだったけど
 来てもいいよって 」


待合室には まだお客さんが残ってた
あ・・・患者さんか(笑)


傷を染めて 眼圧を見て
目薬をいくつも入れてくれる
先生 真剣なお顔だ・・・・・


「浅いけど 角膜に傷がついてる
 両目とも 目のまん中に 帯状に傷あるね」

「え・・・? うちにいたときはなんでもなかったんですけど
 何かで この子が 引っ掻いたりしたってことでしょうか?」

「いえいえ こりゃ ドライヤーでヤケドしたんだよ
 熱風をあびたら 角膜乾くでしょ 傷なんかすぐつくんだ
 痛いと思うよ これは
 真っ赤だなあ かわいそうに」

「シャンプーかしらって トリマーさん言ってましたけど・・
 もちろん専門に勉強してるんだから そういうことご存じなんですよね?」

「わかってるよ 専門家だもん
 うちでドライヤー使うときも もちろん気をつけてるよ
 熱風でこうなること 百も承知のハズだけどなあ~
 どこのお店行ったの? 一応ね ひと言言っといた方がいいと思うよ」

おかあさんが こっくりとうなずく

先生は あたしをのぞき込んで
「ごはん食べられるかなあ 結構へこむんだよね(笑)
 クスリで痛みは和らぐと思うけど 痛くってしょんぼりしちゃう子が多いから
 目薬でかなり楽になるよ 痛み止めは出さないけど・・・
 様子見て 痛がるようなら電話してよ 
 明日 また来ていいよ 急患だからね(笑)
 たぶんダイジョウブだと思うョ  るうちゃん 災難だったなあ~」って
 優しく わしゃわしゃって 撫でてくれた


家に帰ったら ちょっと元気が出て
みんなの心配をよそに ごはん完食
おかわりを要求して おかあさんが ほっとしてた

ソファにひっくり返ったおとうさんが 
いつもみたいにあたしをお腹に乗っけて
しげしげと 診察(笑)

「真っ赤じゃん 痛いんだよなあ わかるよ るう」

おとうさんも 冬の間に角膜びらんですごい痛い思いをしたんだった

「二人して わかりあって よかったねえ るうちゃん」
くすくすおかあさんが笑う

おねえちゃんとおにいちゃんにも さっそくあたしの状態は報告されて

二人から 美容院を替えるようにと 要求されるおかあさん
「まったく 安いからあそこに替えたのに 
 病院で3000円も払うんじゃ 高いトリマー代よね
 アンタは ホントお金かかるわ~
 狂犬病に フィラリアに 血液検査に・・・・出費よねえ」


翌日 あたしの目は 赤みがひいてずいぶん落ち着いた
いやあ・・・・

痛かった
うん



るなの 災難日記デシタ






 


 


タグホイヤー

2013-06-10 23:06:49 | おにいちゃん
先週 おにいちゃんは
両親に時計を買ってもらった
初めてのブランド品だ


晴れた土曜日 ひさしぶりに家族で出掛ける
おにいちゃんは 東京へ来てから 大学への往復と 
三軒茶屋に部屋を借りている 高校時代の友だちに会うほか
あまり遊びにも行かないらしい

おねえちゃんも べたべた世話をするタイプじゃないし
大学の友だちや サークルの知り合いとは
まだ そこそこのつきあいだから
上京して二ヶ月なら そんなものかもしれない




池袋行きの電車を待つホームで 
お父さんの着ているシャツと自分の選んだシャツが 
紺色の細いストライプ柄で
ばっちりカブってしまったことに気がつく

おにいちゃんは おかあさんをちらっと見た
「カブってんじゃん~ オレ脱ごうかな」
「Tシャツ一枚でもいいんじゃない もう夏みたいなものだし」
「梅雨に入ったけど 雨降らないね 今日も降らないのかな~」
そういいながら おにいちゃんは さっさとシャツを脱いで
Tシャツとジーンズになった

まあ 後々 
冷房の効いた時計屋さんで シャツをはおることになるけど(笑)






並行輸入の時計屋さんは 11時開店直後だというのに
けっこうな数のお客さんで 混みあっていた
みんな 真剣にガラスのショーケースを覗いている

おとうさんぐらいの年配のおじさんから 学生風の青年
外国人らしい家族連れ 東南アジア系のカップル
中学生ぐらいの男の子をつれたおじいちゃん
派手な身なりのおかあさんぐらいのオバサン
客層はさまざまだ


ネットで欲しい品物を決めだしてあったので
値段もネットで検索済みのおかあさんは
電話で 品物を取り置きしてもらってあった

さっそくその旨伝えると
きれいな応接ルームに案内される


おにいちゃんは 最終候補として決めだした
3つの時計を かわるがわる腕にはめてみて
重さや 雰囲気をくらべている

自動巻と電池式の違いを聞いたり
メンテのことや 手入れのことも確認して
時間かけて迷ったあげく 自分の一番気に入った時計を選んだ

スポーツタイプの時計だけど
スーツにも合うし 30代40代まで 充分に使える品物だ

日頃は 中学の時に買ってもらった黒いGショックで 
充分かっこよく対応できるし
「大切に使うように」と おかあさんからきっちり言い渡される




立派な箱に 保証書などブックレットがきっちり収められて
きれいに包装された品物を おにいちゃんはしっかり受け取った

「生意気だよな~」
おとうさんは 嬉しいような苦笑いのような 
なんともいえない顔で おにいちゃんを見ている

「しっかり勉強しろよ いいか?
 うかれてると とんでもないことになるんだからな」
「はい がんばります」
おにいちゃんは いつも通り 神妙な面持ちで頷いてみせる

彼はこういう場面を 乗り切るのがうまい
ころっと だまされちゃうんだな
おとうさんもおかあさんも 激甘だから・・・・・ったく






日曜日 おにいちゃんはいつになくオシャレして出掛けた
「どのシャツが合うと思う?」
「革の靴って こんなパンツでも合うの?スニーカー?」

立川に映画を 見に行くという
「なんで立川? わざわざ遠いんじゃない?」
とおかあさんがつっこむと
「聖おにいさんを 見に行くんだもん」
「・・・ん~まあそっか 立川に住んでたんだもんね イエスとブッダ」

すぐ納得するおかあさん(笑)
あほか

「誰と行くの O君?」
「ううん サークルの同期」
「ふうん 珍しいじゃない まあ楽しんでおいで」

おかあさんは 目ざとく左手にタグホイヤーがはまってるのを確認


今日はおねえちゃんと ペンダントを見に行く
銀座の田中貴金属店で ウィーン金貨を買う予定だ
コインペンダントがラッキーグッズなので(笑)
なんとか手に入れたいおかあさん


「あの子 めかし込んで映画だって?」
おねえちゃんが ハイヒールでコツコツ歩きながらおかあさんに聞く
「ん~ サークルの女の子と行くみたいよ?」
「え・・・・!」
「また先越されるわねえ~(笑)
 高校の時もそうだったもんね」
「ウルサイ 私はえらんでるのよ 誰でもいいわけじゃないの」
おかあさんは笑って しっかり無視する

「そう 男の子ってさ 女の子に寄ってこられて
 そこそこ可愛い子だったりすると 
 大体そのまま何となくくっついちゃうじゃない?」
「あ~あ むかつく 生意気なヤツ」

おにいちゃんは高校2年の初夏 初めて彼女ができて
その年のクリスマスまで かわいいお付き合いは続いていた

相手の彼女が 学校に来れなくなりそうなのを
おにいちゃんが支えてあげてた という形で・・・・

まあ 最終的には登校できなくなって
自然消滅したけど・・・・
まあ すったもんだも
受験に響かない時期で ヨカッタかもしれない


さて
さっそく女の子の影が ちらちらするけど
プラスにするように考えてくれたら いいんだよね

バカじゃないからのめり込まないとは思うけど・・・・


おかあさんも
おねえちゃんも
本当はすっごくすっごく
心配しつつ・・・・・・


タグホイヤーが
お守りになるといいんだけどな~


あ~青春の一コマだね~

週末の風景
まとめてみました(笑)



るながお留守番だったのは
いうまでもないよね ふん・・・・・

















一九歳

2013-06-05 23:08:56 | おにいちゃん

五月某日
おにいちゃんは19歳になった
青春だあ~・・・・・・


季節は初夏になっちゃったから
なんと 半年ぶりのブログ

記事が上がってこなかったのは
もっぱら お母さんが 軽い鬱になってたからかな(笑)

るなは 相変わらず元気いっぱいだったし
ブログネタは 山ほどあった

だって
おねえちゃんの引っ越しに始まって
おにいちゃんの受験があって
センター試験のこと
東京に行ってた受験の日々のこと
おにいちゃんのお友達と
ママ友のあれこれ

卒業式
合格発表 手続き 引っ越し


悲喜こもごもの事件が 結構いっぱい(笑)
むしろ書ききれないくらいあったんだもん

あれもこれも 書こうと思う気持ちはあったけど
おかあさんは 書けなかった

武道館の 立派な入学式のことだって
本当は書きたかったんだよね

でも
何にもする気が起きないくらい
おかあさんは 弱っちゃったんだ

認めたくない
認められない
おかあさんの 胸のぽっかり感・・・・・(笑)

ホントにさ
涙流して 泣いてるときがあるくらい
おにいちゃんがいなくなって
おかあさんは めげちゃった

子どもが自立して 嬉しいはずなのにね


だからさ
しばらくるなは忙しかったよ

やたらと抱っこされるし
しつこいくらい なで回されて
おかあさんの ひとりごとにつき合って
しっぽパタパタしながら 
神妙な顔して おかあさんを慰めてあげてさ

まあね
ペットのお仕事だからね
うん


うん・・・・時間が埋めるんだね
四月いっぱいは 鬱気味だった おかあさんだけど

連休からは メキメキと元気が出て
五月半ばには 主催するコンサートを成功させて
すっかり もとのおかあさんに戻った感じ


報告すると
おにいちゃんは まわりの心配をよそに
受けた大学のほぼほとんど・・・・を合格で飾り
第一志望の上をゆく 
記念受験の大学に なんと滑り込むことができた
国公立も 三教科数学なしで ちゃんと希望の法学部に合格できた(笑)
まあ 進学先は東京の私立にしたんだけどね・・・ 


おねえちゃんと一緒に暮らし始めて二ヶ月経過
なんとか ケンカせずにやってるらしい

郊外に引っ越したので
おにいちゃんの大学までは一時間ちょっとかかる

一限の授業に間に合うには けっこう早起きしないといけない
まあ・・・・頑張ってるから よくしたものだ


るなの写真を
おかあさんはよく送っている

「癒される~」って返事が来るらしい

「るうちゃん おにいちゃんがアンタの写真見て 癒されるってさ」
おかあさんが嬉しそうに言う

写真撮られるのは 正直好きじゃない
携帯向けられると だいたいカタマル
目線は じっとカメラ目線(笑)

「るうちゃん もっと自然にしてよ
はい かわいいお顔は??ほらほら」

・・・・・・ふん
うざったい

ローテーブルの下に入り込んで 伏せってると
引っ張り出されそうになる
うわあ うざったい・・・・

おかあさん 
鬱のままおとなしくしてたらよかったのに
元気になるのはいいけど
るなのこと 構い過ぎで 嬉しくないんですけど!


うわあ~
かまわないでくれよう~
お願いだよう~
うううう~


あたしの必死な形相に苦笑いしながら
なおもヒシと抱っこしたり 
ソファにひっくり返して
こちょこちょくすぐったりするママ

手足を突っ張って ちょぴっとあばれるあたし
しかたなく手を放すママ

へへへ
今日もアタシの勝ち~っと(笑)



さて 久しぶりの るなの近況でした





















365日

2013-01-17 12:37:44 | ファミリー
るなが ここにデビューして(笑)367日目だって
さっきアクセスランキングを久々に覗いたら そう書いてあった

一年か
あっというまだあ・・・・
それに ここのところ ずっと さぼってたし

まあ
るなのせいと言うよりは
ママのせいだけどさ






雪降って真っ白になった お庭から見る景色 
雪の中を駆け回るのは
好きだろうって思われてるけど
「いーぬはよろこびにわかけまわり・・・・」だもんね

・・・・でも 水に濡れるのは 基本好きじゃない

真夏のアスファルトをあるくと 熱中症になって 足裏ひりひりするみたいに
氷のような雪の上を散歩したら 肉球 しもやけになるんじゃないだろうか
 




昨日は 大嫌いな美容院だった
ママに連れて行かれるときから 心臓ドキドキ

シャンプー 刈り上げ 爪切り 耳掃除・・・・


終わってもママが来るまで
お店のゲージの中で じいっとしてる

まだかな まだかな
まだかなあー・・・・・・?



気が遠くなるくらい待って
しょんぼり伏せてたら
やっとママがお兄ちゃんといっしょに お迎えに来た

思わず 
くううん・・・・て声が出て
ママに抱きついたら
「かわいいわねえ」って ママに誉められた


だって 待ってたんだもん
早くお家帰ろうよ

ね?




お会計の間 お兄ちゃんといっしょに
きれいな熱帯魚をみたり 
ウィンドー内のわんこやにゃんこの赤ちゃんを見て回る

どこのおうちに売られてくんだろうね?
るなのおうち 居心地悪くないよ
おりこうにしてたら 怒られないし
みんなにしっぽふってたら かわいがってくれるしね


おにいちゃん
珍しく制服でお迎えか~
いつも 夜遅くまで塾にいて
おにいちゃんが帰ってきても 疲れてそうだから
遊んでって 行かないようにしてるんだよ あたし

今日は 遊んでくれるの???
え?だめ?
なんでだよっ




車の中でも

センター試験がどうのこうの
センターが終わったらどうのこうの
センター結果待ちでどうのこうの・・・・

このごろよく聞く ママとおにいちゃんの会話



365日

ひとくくり・・・・
ひとめぐり・・・・

次のくくりへ・・・


メビウスの輪っかみたいだな
どこかで 必ず最初に戻る
くくりの数は さまざまだけど
アタシの365日は 次の章にターン開始だ


おにいちゃんも 次の章に行くために
今ターンのきっかけを作ってる

春になったらサクラは必ず咲くから・・・・って
いつもママがよく言ってる

がんばってね
おにいちゃん



























おねえちゃんのお部屋探し

2012-10-19 22:27:36 | おねえちゃん

先週 まだ暑さの残る東京に おかあさんは出掛けていった

おねえちゃんが学生会館を出て
自分でごはんを作る生活に スムーズに移行するように

・・・・・まあ もう一つの目的は
来春 大学入試が終わって 
無事合格して 上京するはず(笑)のおにいちゃんと
二人で 生活できるように との願いから

おかあさんは それなりに一生懸命 さがしている
ネットで検索したり
地元の不動産屋さんに問い合わせたり・・・・ね


まあ・・・・
二人別々に部屋を借りて生活したら
経済的にはトンデモナイことになるので

「なんとか二人いっしょに生活してもらいたい」らしい


おねえちゃんの通う大学に 出来るだけ近くて
安くて 新しくて 駅に近くて その上広くて・・・・って
あはは~
こんな条件いっぱいの部屋探し
どんだけ~?
るなのカンでは・・・・こりゃ難航しそうだよね
んまあ 誰が考えてもそっか(笑)


案の定 上限の家賃設定がジャマするせいか(笑)
なかなか良い物件が見つからない


おかあさんはおねえちゃんにお説教
「学生なんだから いろいろ贅沢を言わないの
今が便利すぎて 比べたらイヤかもしれないけど
今の環境が良すぎるんだからね わかってる?
山手線内で大学まで一駅 駅から徒歩2分 
新築ワンルーム ごはん付き・・・・って 便利すぎたのよ

まずねえ 大学までの通学時間を取るか
部屋のキレイさを取るか どっちかにしなさい
東京で電車30分なんて 当たり前なんだから
大学に近いところに住みたいんだったら 築年数を我慢するしかないでしょ?」


おねえちゃん わかってはいるけど
まあ・・・・家賃がねえ
東上線成増で 捜索開始

一軒目・・・「せま・・・・」
二件目・・・「古・・・・・」
三件目・・・「汚なくない・・・・・?」

おねえちゃん ため息
おかあさんも ちょっと考える

「もう少しお家賃出したら 少しは新しい物件になります?」
甘いなあ もう

で・・・・
築年数はかなり古いけど オールリニューアルの物件へ
「おお・・・・キレイ~新築みたい~・・・
でも 窓とベランダと外装は すごいんですけど・・・・」

ぜいたく言うなっ


不動産屋のお兄さんに
「成増ではムリなんで ちょっとはなれた駅なら・・・・(笑)」と言われて
東上線のずっと先の駅の物件を紹介される


せっかく紹介してもらったところは
築10年の けっこうきれいな部屋だったけど 
急行で30分とか 駅から10分以上とかがひっかかるらしくて
おねえちゃん あまり乗り気でないらしい

どうせ30分かかるんなら 新築がいいとか言い出したよ
まったく 贅沢すぎ

さんざん迷って ネットでいろいろ検索・・・・

「日暮里舎人ライナー線沿いが安いみたいよ
新しい電車だから 新築物件が多いんだって
ここ見に行ってもいいかな~」

「はいはい おかあさんの条件は家賃だけだから
もうあとは自分で歩いて 決めなさいね 頑張って~」

おかあさん・・・電話の声が呆れてるよ
あはは

ソレニシテモ・・・・日暮里から舎人ライナー30分??

アンタの大学は 山の手沿線だけどさ
おにいちゃんはどこに合格できるのかまったくわかんないんだよね?

たとえば多摩とか・・・八王子とか・・・・
あっち大学いっぱいあるけど・・・そうなったらどうすんだろ

で・・・ヤツは脳天気だよね

「オレ いいよ 1時間でも2時間でも通うよ
やって見なきゃわかんないもんね~ なんとかなるでしょ 
アルバイトってさ オレどこでやろうかなあ アパートの近くがいいよね
大学の近く?どっちがいいかなあ?」
わかってないゾ この人

それさ 遅刻の理由になってないかあ?
今から単位落としそうな この発言 
大学受験する前から こんな会話かわしてて
ダイジョウブなんだろうか・・・・

センターまで100日切ったのに
覗けばソファーでうたた寝ばかりのおにいちゃん
その上朝も起きてこないから
さすがのおかあさんも この頃 機嫌ワルイ・・・・

いつブチ切れるかって感じだな~

「頼むから 勉強してくれ~ 」って
おかあさんの心の声が 聞こえちゃったあたしです


暗礁に乗り上げ中の おねえちゃんのお部屋探し

がんばってねえ~
あ ペット可がいいんじゃない?
あたしも遊びに行けるもん

ね?
おねえちゃん






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サザエさん考

2012-10-01 11:57:59 | ファミリー

日曜日の夕方 サザエさんのテーマソングが流れると
何となくもの悲しい ちょっとさびしい気持になる人って多いんじゃないかな


週末のお休みが終わっちゃう
ああ・・・やりたいことあったのに あれもこれも
まだなんにもしてないじゃん
どうせならゆっくりお昼寝もすればヨカッタ~みたいな(笑)


そして もの悲しい気持のウラには
明日からまた学校かあ・・・また仕事だあ・・・っていう
一応 頑張らなくっちゃ!という一方で
あ~あ・・・・またか
という 日々変わりばえしない毎日への うんざり感?(笑)


おかあさんは 空気読まない天然さで 
お夕飯をテーブルに並べながら
「明日から またいつもの毎日ねえ・・・さーてと お弁当かあ」って
言わなくていいことを口走る


おにいちゃんが 勝手に勉強部屋にしている 離れのレッスン室から
デッキを渡って がらっと戸を開けて入ってくると
どっかりソファに座り込んで サザエさんを眺め始めた


「レッスンあるんだから 片付けといてよ」「おう・・・」
あたしは おとなしくおにいちゃんの隣に寝そべって いっしょにサザエさんを見る


おにいちゃんは のっそり立ち上がると
飲み物を取りにキッチンへ

「マスオさんて 早稲田出身だって知ってた?」
ってお母さんに言う

「え? そうなの? 早稲田出てるんだ すごいねえ」
「波平さんはさ たしか京大だったかな」
「え~~~~???そうなのおお?」
「このうちさ 意外に高学歴の設定なんだよね」

どうでもいいことをよく知ってるよなあ おにいちゃんて
さすが
雑学博士だ・・・(笑)

「じゃ なんで カツオくんは お勉強できないのかしらねえ?」
「世の子どもたちと かあちゃんたちの共感を得るためじゃね?」
「そっか・・・」
あっさり納得

「母さん タラちゃんの声優さんて いくつだか知ってる?」
「え? 知らない」
「おばちゃんか おばあちゃんだよ きっと」
「うそお こんな可愛い声してんのに?」
「だって サザエさんの声優さんは 平均60才超えてんだよ?」
「そうなのお?若返ったんじゃなかったっけ?」
「それはどらえもんだろ サザエさんは変わらないんだよ」
「そうかあ・・・・」
「まあ タラちゃん可愛いけどさ 声優さんの年齢考えると うはは~だよね」
「たしかに・・・うはは~だわ(笑)」



相変わらずな親子ダ・・・・


おにいちゃんは 日頃塾勉してくるから 
帰りがおそく 家族といっしょにごはんを食べない

お母さんは おにいちゃんがたまに家で食べるごはんには 気合いが入るらしく
メインの肉料理のほかに サラダや 煮物や 和え物や 揚げ物や おでん鍋や 
ありとあらゆるおかずを並べて
「さあ喰え」 といわんばかりに 
自分は箸をつけずに おにいちゃんの食べるところを見ている


「たまごはいいのよ 記憶力が増すんですって 
もっと 食べさせておけばヨカッタわ ちゃんと食べなさいよ」


今さら 記憶力がつくと言われてもなあ
まだ間に合うか・・・?


以前のおにいちゃんなら うざったそうに一切無視して
食べたい肉だけ食べて さっさとテレビに戻っちゃうけど


この頃 彼は紳士的なので
一応うなずきながら サラダのおかわりを要求したりする
ずいぶん 大人になったものだ


おねえちゃんが 自動車学校の先生に
「弟が大人になったので この頃は可愛いデスって 答えといた」っていうくらい
昔の姉弟関係とは ずいぶん様相が違うんだよね

ちょっと前まで 顔見ればケンカしてたのに 
この頃はちゃんと会話するし
仲良く譲り合ったり 笑いあったりしていて 空気が和やかだ

まあ・・・
二人で あたしをかまうのは困るけどね 
共同でタッグを組むから もう太刀打ちできないよ
片方が前足つかんどいて 片方がお腹くすぐるとかさ
ありえないんですけど~
よく遊んでやってるよ あたしも(笑)


なかなか 志望校決まらないおにいちゃんだけど・・・
なんとか卒業はできそうかな~


センターまで3ヶ月か

がんばるっきゃないっしょ

るなも 
「頼まれもしないのに おにいちゃんにつき合って夜更かししてるおかあさん」
につきあってあげてるんだあ~えらいでしょ

あはは なんだかいろいろやってるお母さんの となりで寝てるだけだけどね


サザエさんちの 何げない幸せを みんなで見る
サザエさんちについてのウンチクを語る
おどろいて会話が弾む・・・
ああ~ 小さな幸せってヤツだね

サザエさん なかなかやるじゃん
幸せのおすそ分け


ありがとう
んふふ



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初ドライブ

2012-09-10 15:39:04 | おねえちゃん

夕方 おねえちゃんがご機嫌で帰ってきた

「るな 見て見て 免許証だよん すごいでしょ」


お・・・・
取れたンダ
よかったじゃん

おねえちゃんの写真が ニッコリしてるのを
あたしは ちろっとながめる


マニュアル教習で申し込んだお母さんの期待を みごとに裏切って 
時間オーバーが重なってしまって お父さんに怒られてたっけ


おねえちゃんは 舌をぺろっと出して
「仕方ないじゃん エンストしちゃうんだもん」
だって

いやあ・・・・それはコワイわ

「坂道発進とかさ・・・・むずかしいじゃん
 一般道でさ エンストしたら大騒ぎじゃん?」
「そりゃ 日頃オートマしか乗らないだろうけど・・・・
 ふつうはマニュアルで取るってもんじゃないの?」
「え~ 友だちみんなオートマ限定だよ」
「エンジンとクラッチのしくみとかわかって いいじゃないの」
「いいんだよ 私は軽トラ運転しないんだから!」


わが家は 結構広い田んぼを所有しているけれど
おばあちゃんひとりでは 土地を維持するのは大変なので
田んぼも畑も 近所の専業農家の方にお願いして作ってもらっている


だから田植えも稲刈りも お手伝いする事は 何もないけれど
お父さんは あぜ草刈りとか いろいろとあって 
まあ 軽トラで出掛けることもある

一応 これから先 
おにいちゃんはお父さんを手伝わなくちゃいけないから
軽トラ運転するには マニュアル取らないとまずいね



おねえちゃん 
時間オーバーした上に
塾の夏期講習で 東京へ戻ったりしてたから
日数があやうくなりそうで
夏休み中に取れないんじゃないか 超不安だったんだよね



オートマ限定教習に変更したら

「始めたことを 最後までやり遂げなくてどうする
こうやって 安易に途中であきらめたり 楽な方へシフト変更したりするから
見ろ 大学進学だって最後のツメが甘かったじゃないか
こんなことでどうするんだ バカ者!!」
・・・・・って お父さんからカミナリが落ちた


おねえちゃんは 大きな目にナミダいっぱい溜めて
くちびるかみしめて 悔しそうにしてたけど
まあ・・・・けっこうすぐ立ち直った(笑)


オートマにしたら エンストしなくなったせいか
順調に進み すぐに仮免試験

自信満々で臨んだのに・・・・・・ばかだよね
いつも当てたことないクセに
S字で ポールに当てて 落っこちて(笑)
またお父さんにゲキを飛ばされて・・・・・

おにいちゃんにまで
「接触事故起こしたら そりゃ落ちるだろう」って 呆れられた


まあ 何とか通過して 仮免許路上教習へ

「死ぬかと思った こわかった~」って
それ 教官の先生方のセリフだと思うけど(笑)

毎日言い続けて 何とか頑張って 高速教習も無事に終え
卒業検定は何とか一発合格
今日無事に 筆記試験にも合格できたってワケだ




「最初は お父さんがいっしょに乗ってあげるっ・・・てモノよね」
おかあさんが ごはんをよそいながら さらりと言う


「え?オレ?」
「そうよ 私もはじめての時は 父がとなりに乗ってくれて
 安心して運転できたんだもの・・・・父親の務めよね」
「え?そうなの?オレなんか誰にも乗ってもらわなかったけどな~
 それって なんか貧乏くじ引いた感じ?(笑)」

お箸でサラダを突っつきながら おねえちゃんが ぷうっとふくれる


「オレ迎えにきてよ 乗ってやるよ」って おにいちゃん
いい人やん(笑)

「おまえ いい度胸してんな オレヤダなあ」
「おとうさん 行ってきて」
「おまえが行けよ」

あーあ 夫婦で押しつけあってるよ
まあ・・・うん
るなも乗りたくナイ



翌土曜日の朝  あっさりとおとうさんがお姉ちゃんを誘った
「ほれ 行くぞ  何か買い物あるか?」
「あ・・・ペットショップでるうちゃんのごはん買ってきて いつものヤツ」
おねえちゃんは緊張した面持ちで 免許証の入ったカードケースを握りしめ
「はーい」って


二人は 初ドライブに出掛けていった
お母さんの紺色のゴルフに 若葉マークを二枚付けて
ゆっくりゆっくり・・・・


おかあさんが あたしを抱っこする
「行ったわあ・・・・ るうちゃん 次はお母さんとるうよ
覚悟しなさいよ(笑)」


え~いいよ
遠慮しとくって




結局 午後
模試を終えた おにいちゃんのお迎えに 連れて行かれた




怖かったあ・・・・・




こうして 初ドライブは無事に終了
いつになったら 安心して乗れるようになるのか


おねえちゃん
早く上手になってね




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