言葉を探る
言葉を探ることの意味を
誰が分かっている
何故言葉に頼ろうとするのか
自分に向けた刃のように
執拗にあなたに迫ろうとする
言葉を持って
もう私には
あなたの事を考えること以外
残されていないのか
こんな短い人生の中に
そんな短絡な思考を持って
時としてあなたが
自分の中心にいると言うことは
一体どういう事だ
ただ
それは驚くことではないのかも知れない
日常生活の中でも
様々の標識があり
自分の目の前に突然
何かの指示が出ることもあるのだから
そう思いながら
私はわたしの中心に居る
あなたの存在の周りを確認する
眼の周りにあるクマは
実は働き過ぎて
対応がやっとの日常を表しているのか
形のいい鼻は誰かれに
声をかけられないように
密かにあなたの想いする人を
隠しているのか
肉感的ではない唇はいつまでも
遠くにある
あなたの過去の記憶に向かって
何かを話しかけるために
口紅を塗っていないのか
ではあなたの傍に居る私は
何なのか
あなたには見えない
あなたには聞こえない
あなたには感じることのない
儚い存在でしかない
あなたに対して
私は言葉を失くした人間でしかない
それでもその対極にあるような
あなたが時々
何かを探すように
私に対して言葉を探る気配に
私は救われる
MAYU UESUGI BALLET STUDIO BLOG/
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